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第30回市長と大盛トークを実施しました

[2018年5月22日]

ID:2439

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開催日:平成30年3月22日(木曜日)
開催場所:岡山市役所第3会議室
テーマ:在宅医療の推進について

主に市政の重点課題・施策について分野や業種、テーマを選定し、市民の皆様と市長が膝を交えて語り合いながら意見交換する「市長と大盛トーク」。
今回は、在宅医療を支える方々11名と、重点取組分野のひとつである「在宅医療の推進」をテーマに意見交換を行いました。

大森市長の挨拶

私は、在宅医療の重要性や、施設や病院でなく自らの家に住み続けたい、そして高齢になっても家にいたいという気持ちや医療費とかの関係では理解できます。私の母親も高齢で、家族の身は少しは分かるんですが、まだ分からないこともあります。今日は在宅医療のこれからの課題や具体的な改善点をいろいろと教えていただけたらと思います。

参加者と市長の主な発言

在宅医療の現状

在宅医療の現状について話をする様子

(参加者)医師からすると、在宅医療の一番の問題は、ぼんやりとしか分からないという、そこが一番だと思います。市民の方や連携をとる医師も、在宅医療のことをまだ知りません。知ってもらうためにどういう活動をするのがいいのか悩んでいます。在宅医療をするためには、実際に介護サービスのうちどういうものを使っていくかというのがすごく大事になります。訪問診療の医師やヘルパーや訪問看護師、ケアマネジャーを中心に組み立てていき、デイサービスやショートステイを使いながら、家族の方が介護力がなくても、自宅で過ごせる形をつくっていくということは思い描くことはできるんですが、やっぱり多職種がしっかり連携していくことが大切かなと思います。
(市長)そうですね。看護師がケアの中心にいないと、なかなかうまくいかないと特によく言われますね。
(参加者)訪問看護師ですが、骨折や慢性の疾患の方は、自宅に帰るとまたなってしまうので施設とかに入られるという形に流れやすいんですが、自宅で再骨折等を起こさないような対策を考えるとか、その辺に看護師や介護とかいろいろな力がそこに入り、再び繰り返さなくて済むということができれば、在宅医寮というのは続けていけるのではないかなと思います。
(市長)究極の目的は、本人の意思なんですかね。
(参加者)本人の意思です。ただ、看護が予防的に入るのは、なかなか皆さんに理解してもらえない。ご本人にも理解してもらえないということがあり、私たちは今困っています。
(参加者)ケアマネジャーですが、岡山は医療の資源も豊富なので、先ほどのように自宅に帰られて、介護サービスだけ使われて、医療は大きな病院に通院しているというケースが非常にまだ多いと思います。在宅診療されている先生に引き継いでいる方は、自然と薬剤師や訪問看護師などサポーターが増えていくので、すごく心強いなと思っています。
(市長)在宅医療というのは、補完ではないという認識なのでしょうね。
(参加者)医師としては、今、盛んにかかりつけ医ということを言われていますが、病院の先生もクリニックや診療所の先生もかかりつけ医になれるわけですから、どちらをかかりつけ医に選ばれますかということで大きく分かれるのかなと思います。
(市長)補完ではないが、患者さんや患者さんと身近な方の意思によるということですかね。
(参加者)ケアマネジャーとしては補完ではないと思います。在宅医療をしている先生が自宅に来てくれたほうが生活がよりよくなっていくことにつながるのではないかという確信はありますが、なかなか患者や家族に理解してもらえないという部分も実際あります。
(市長)主観的には大きな病院に行ったほうが今までの流れでいいと思うけど、ケアマネジャーから見ると、在宅医療をしたほうが本人はハッピーだよねという、そんなイメージですね。
(参加者)在宅医療の医師の立場的には、患者さんを中心に、入院が必要ならその橋渡しもするし、日ごろの健康管理もやるし、何か問題があれば、それに対応していく、それから必要な専門職につなぐとか、そういう役割かなと思っています。こんな仕組みがあるんだったら、もっと早くお願いすればよかったという事を言われる方が時々おられるので、やはり在宅医療という仕組みが知られてないというのを感じることがよくあります。
(市長)高齢者にとってみると、新しいことを知るよりは従来のものというような感じになっているということなんですかね。
(参加者)歯科医師から言えば、在宅は補完というような感じになります。自分の診療所で診療するのが一番いいけれど、診療所まで来ることができないので、在宅診療をします。在宅では、自分達が思っている治療はできないけれども、そこは調整しながら、できるだけ今ある主訴を少し取り除くという、そんな感じなので補完と思ってます。
(参加者)私は病院の看護師ですが、生活を中心に患者さんを診てもらえるかかりつけ医の先生というのは望ましいと思います。総合病院の一般外来は人数を少し絞っていかないといけないという現状もあります。総合病院の医師が在宅医の医師の提案をされても、患者さんや家族が余り積極的に移行しようとしないという現状はあるかと思います。ただ、在宅の先生に託していくと、しっかり往診をしてくれ、自分としっかり関わってくれて、診察時間も病院より長くとってもらえる。そういう経験をして、総合病院へ来られなくなる患者さんも結構おられます。
どういうきっかけで移行するかというのが大きいと思います。総合病院とか大きい病院は、ある程度専門的な治療をする病院なので、そこに力を入れていきたいと思います。そこから、今度はもとの生活に戻り、健康を維持していく、状況を継続していく、生活を継続していくとなると、かかりつけ医の先生の出番なのかなと思います。
(市長)患者にとってみると、本当にシステムの問題よりも、自分がハッピーになるにはどうすれば良いかというところになってくるでしょうからね。
残薬も非常に多いとか聞きますが。
(参加者)薬は、特に基幹病院だとどうしても先生の診察の関係で長い日数出す場合があります。それでも大病院志向の患者さんがいるのも現実です。介護職の方に比べて薬剤師は、疑義照会等をよくやっているので、連携の中でも特に介護職と医療のつなぎ目には、僕ら薬剤師をうまく使ってもらえればと思います。
(市長)よく薬の管理をいいますよね。薬を選ぶのもお医者さんからの処方でやる場合も当然あるでしょう。そういうのは大きな病院でいくと、なかなか先生との連絡というのはとりにくいということになるのですか。
(参加者)直接とることはなかなか難しかったりします。
(市長)となると、やっぱり在宅医療というか、開業医のほうが。
(参加者)調整は随分しやすいのでないかとは思います。

在宅看取り経験

在宅看取り経験について話をする様子

(参加者)私の母はアルツハイマーだったんですが、大きな病院に通うのは困難でしたが、在宅医療で私の不安な気持ちは楽になりました。
(市長)要は病気にもよるということですね。そういうご経験をどうやって広めていくのか。大勢の方が同じような苦しみ、悩みを持っている場合がありますよね。
(参加者)在宅医療をする中で、私が辛かったのは夜が寝られなかったぐらいです。仕事が終わってから、妻と交代しないと妻の体がもたないので。そういう問題があるかなと思います。
(参加者)在宅医療は大変なことも結構あるので、介護サービス、デイサービスとかいろいろ使いながら、そうやって少しずつ介護負担を軽減しながらという感じで続けられる方がほとんどです。

在宅医療における連携

在宅医療における連携について話をする市長

(参加者)お風呂に入る、ご飯を食べる、夜によく寝るとかを支えていくのはやはり在宅の医療にかかってくる問題だと思います。そこを支えるのは、医師だけではできないので、いろいろな多職種が連携をして情報を共有をしていかないと、なかなかうまくいかないということをソーシャルワーカーとして今の話を聞きながら思いました。
(市長)今のご発言の中で、「連携」という言葉がありましたが、在宅医療の場合の連携とは、具体的にどんなものなのでしょうか。
(参加者)病院を退院される前、自宅を見に行ったりとかして、自宅に帰るためのリハビリをするという事の情報を収集したり、退院に向けて家族に対して情報提供して話をしたりです。退院の前にはケアマネジャーとか、退院後に利用されるデイサービスの方とか、訪問看護の方とかも来てもらい、退院前に気をつけることの話をして、いろいろ情報を伝えるようにしています。病気に対する情報だけではなく、その方の生活であるとか、これからの予後であるとか、その方がこれからどういうふうな人生を過ごされていくのかということをチームとして共有し、それを継続して支援していけるような体制をつくっていくことが大事だと思っています。
(市長)生活全体を見ながら時間軸を構成していくということですね。
(参加者)うまく調整し、そのかけ橋になるのは私達ケアマネジャーだと思います。ケアマネジャーも実は連携が上手くとれないという問題があります。例えば大きな病院に通院していると、診察も半日がかりになりケアマネジャーの付き添いができないことがあります。だから、訪問診療していただいている先生だとケアマネジャーも連携がとりやすいというのが非常にあります。
(参加者)今はフェイスシートで、患者さんの情報をまとめるような動きがあります。家族、好きなもの。他には、急に悪くなったらこうしてくださいというようなことを書いてあったりもするし、医者はこんな薬を使ってこんなことに注意してくださいと書いてあります。それを見れば、とりあえずどんな方なのかなということは把握できるようになっていると思います。その中で、日々の変化したことをどのようにやっていくかが在宅医療の関係ならすぐできるのですが、大きな病院だとなかなか情報のやりとりができないです。
(市長)フェイスシートは誰がまとめるのですか。
(参加者)医師からすると今はケアマネジャーが一番よく使っているように思います。
(参加者)ケアマネジャーはいろんな生活情報や今までの生活歴、健康上のことも含めてまとめていき、定期的に更新します。4月からは制度化されましたので、先生のところにケアプランを持っていくようにしています。介護報酬の改定で、ケアマネジャーの連携の部分は義務が増え、より関係者の方と連携していくような制度になっています。4月からは、かかりつけの先生、歯科医、薬剤師に情報を送るのが義務になり、より連携を図っていくというようになりました。歯科医師会は、ヘルパーでもチェックしてもらえるような簡単なシートを作っています。
(参加者)医療に関しては我々が中心になってやりますが、医療だけでは在宅医療は成り立ちません。生活面が成り立たないことには、幾ら医療だけうまくやっても在宅医療は続けられないので、介護環境をどう構築していくか。そこの中心になるのはやっぱりケアマネジャーだと思います。医師では手が出せないところは、必要なときに必要な職種の方につなぎ、自分の役割を果たしていくという、そんな感じです。だから、いろんな職種の人が一人の患者を取り巻きながら、時間の経過でずっと一緒に見ていくというのが連携のイメージです。
(参加者)私は病院の看護師ですが、職場ではほとんどソーシャルワーカーと一緒にやっているような感じです。ケアマネジャーから連絡が来て、在宅の情報を教えてもらい、どういう状況で生活していたかということを病棟に上げて、病棟のスタッフが知る。治療をしながら、その人の目標というのを決めていく、というように在宅と病院をつなげていきます。帰る時は、今度は在宅の方に連絡を入れて、状況を伝え、転院となれば、ソーシャルワーカーが他の病院のソーシャルワーカーと調整し、ケアマネジャーにも連絡を入れ、今度は転院先でリハビリをして帰るようになるから、そこからつなげてほしいとか、そういうネットワーク的なところを担わないといけない。今の在宅支援は外来からのスタートになっているので、入院前からそういう連携をとっていかないといけないので、在宅の方とも大きい病院も全部連携をして一人の患者さんを支えていくという形になります。
(市長)大きい病院に来たときに、そもそもかかりつけのお医者さんにこういうのは相談されたらどうですか、というのもやられているわけですね。
(参加者)します。1日700人ぐらいの外来の患者さん全員にこちらからは対応できないですが、何か相談があれば、すぐに外来の患者さんでも対応しています。病院によって窓口がまちまちですが、うちの病院でしたら、地域医療連携室というところが窓口になり、連絡をいただいたら、全部のやりとりの窓口を地域医療連携室にしています。病院の医者に何かをつなげるというのも、ソーシャルワーカーだとか、私たちのような役割を使ってもらったらいいのかなと思います。

在宅医療における連携について話をする様子

(市長)基礎的な質問になりますが、病院におられるソーシャルワーカーは何をされているんですか。
(参加者)退院日数の短縮が大きな病院に求められるようになってから、ソーシャルワーカーの仕事は退院支援に比重が大きくなりました。家族の力だけでは、退院支援ができないので、ケアマネジャーに連絡したり、社会保障制度を使ったり、介護保険の制度を使ったり、そういう話を患者さんにします。それからほかの医療スタッフと一緒に話して、退院に向けて調整したりとかです。以前より、退院支援の手伝いがすごく増えました。もともとは社会保障制度の手続の説明であるとか、医療費の相談であるとかそのほかのいろいろな家族の問題であるとかについても相談に今まで乗ってきたんですが、やはり今はどこのソーシャルワーカーも退院支援(退院の手伝い)がすごく大きくなっています。
(市長)医療行為じゃなくて、要するに退院後の生活の全般をいろいろと相談していくということですね。
(参加者)私たちだけでは相談ができないので、ケアマネジャーや患者と連携し、そのための会議を持ったりとか、手紙を用意してもらって渡したりとか、そういうネットワークをつくり、それから開業医の先生にも連絡をしています。
(市長)今、開業医とだったらうまく連絡がつきやすいという話がありましたけど、大きな病院もそういうソーシャルワーカーと連絡をとるということもありますか。
(参加者)ケアマネジャーはとっています。
(参加者)医療ソーシャルワーカーも外来の看護師と直接話してもらったりはしています。それから、家族にいろいろ問題があったりとかして、自宅に帰ってもきっと困るだろうとか、介護者が病気だったりとかいろいろな問題があります。そういうときはケアマネジャーと連絡をとっています。病院で行ってきたいろいろな支援とか医療がつながるような形で、今度はケアマネジャーにいろんな情報を伝えるような役割をしています。
(参加者)大きな病院はやはり、例えば糖尿病の専門医の先生だと、糖尿病のとこだけ診られて、ほかのところは診てもらえないということはあるかと思いますが、在宅の先生は全部をトータルで診てくれます。
(市長)要するに専門に特化し過ぎていて、全体が見にえにくくなっているという、そんな感じですかね。
(参加者)医師からすると、在宅でご飯が食べられなくなった方を歯科医師に診てもらうと、食べられるようになるんです。ご飯が食べられるか食べられないかというのは、家で過ごせるかどうかの一つの目安になりますから、そういう意味では本当に最後の砦となるのが歯科医師とかになります。
(市長)食べられるかどうかということ、本当に歯というのは重要だとよく言いますよね。
(参加者)口の中をある程度治すと、食べられなかった人が食べられるようになったりとか、それから口臭が強くなったりして周りの人が結構嫌な思いをされていたのも、ある程度良くなったりとか。そういうことなら別に診療室でなくても、在宅のほうでもできます。生活の質を上げるというか、落とさないというか、そういうことを中心に僕らはやるようにしています。
(参加者)これからは食支援であったりとか、嚥下(えんげ:食物を飲み下すこと)だったりとかというのが、在宅で長いこと自宅で過ごすためには大切になります。歯科医師であったり、栄養士とかST(言語聴覚療法士Speach-language-Hearing Therapist)とかを入れて、できるだけ食べられる状況を長くしていくというのを考えながら診療をやっています。
(市長)そういうのは歯科医師とも相談されたりするんですか。
(参加者)医師は、歯科医師と連携しています。
(参加者)歯科医師会は訪問診療の窓口をつくり、個人には、その患者さんのかかりつけの先生を探して、そこに行ってもらったりとか。かかりつけの先生が行けなかったら、近くの歯医者さんを紹介しています。ちょっと特殊なことでは、嚥下などは普通の一般の歯科医師は余りタッチしてないと思うので、嚥下について勉強した先生を何人かストックしており、その先生を紹介したりとか、そういうことです。
(市長)薬剤師も、どこで紹介しているかみたいなものというのはあるんですか。
(参加者)岡山市の在宅認定薬局というリストをつくっています。
(参加者)岡山市はもともと在宅医療を熱心にされている先生が多いというのは確かにあるかなと思いますね。
(市長)岡山の医療は、やっぱり誇りを持っているようなところってありますよね。
(参加者)岡山市は本当に医師会ぐるみで在宅をやろうというのは強いなと感じますね。

今後の課題

今後の課題について話をする様子

(参加者)市内中心部は訪問診療をしている医療機関も結構ありますが、岡山市内でも少し端のほうになると、なかなか往診とか看取りをしてくれる先生の数が本当に限られてきます。何とか家で看取りをしたいと思われても、最後までというのが難しいところはまだやっぱりあります。
(市長)それはどうしてなんですか。
(参加者)そういう先生がいらっしゃらないからだと思います。やっぱりちょっと地域で偏りはあるのかと。
(参加者)私も同じように思います。ケアマネジャーの中でよく話に出ますが、中区から東区の瀬戸のあたりや、北区の北のあたりだったりすると、急に在宅診療する先生が減ります。訪問看護もそうですし、介護サービスもそうです。中心部はすごく充実しているんですが、この地域差が非常に大きいというのもあると思います。
(市長)それは医師の密度の問題なんですかね。
(参加者)密度ですね。いろんなサービスがどうしても、遠くなると少なくなってはいると思います。
(参加者)医師からすると、やっぱり担い手の医師が少ないなとは思います。
(参加者)医師でも若い人は専門をやりたいのかなと思うことがあります。
(市長)そのあたりはどうですか。
(参加者)そうですね。若い世代の先生方は専門志向は強いと思います。
(参加者)看護師も一緒ですね。
(参加者)今の医療職はみんなそういうふうな考えなんでしょうかね。
(参加者)私のいる薬局が、旧瀬戸町と岡山市の境のところなんですが、うちの薬局の近くの病院の先生も、昔は在宅診療をやっていなかったのですが、患者さんがだんだん高齢化になってきて、最近は自分の患者さんは診ようというように、先生の思いもだんだん変わってはいっているんだろうと思います。
(参加者)周辺部で担い手が少ないんじゃないかという話しですけど、岡山市でなく、周辺の郡部まで行くと、担い手が少ない問題というのはすごく顕著で、在宅まで手が回らないと。開業の先生も高齢化がすごく進んでいて、在宅なんてとてもじゃないけど診れないという事情があります。診てる患者さんが外来に来られなくなったから、そろそろ入院ねと言って、病院に入院を直接頼まれます。病院も、一旦は入院を受けるんだけども、結局そこの連携室の人たちが今度出先を、施設を探さなきゃいけないという、そういう構図になっているようです。
(市長)お医者さんの高齢化も影響しているということですね。
(参加者)高齢化の問題もやっぱり、医療ともすごくかかわりが深いところだと思います。先日、生活保護で高齢で独居という方を介護士さんが訪問したら、泡吹いて倒れているというんで、医師の私に連絡がありました。状態は落ちついてはいたんですけど、これは一人じゃ生活が成り立たないなということで。本当にそういうときに困ってしまうんです。結局、病院に依頼をして、こういう状態なので、経過観察が中心になると思うんですがということで、何とか受けてもらったんです。岡山はまだ中心部の病院のベッド数に余裕があって、そういう方でも受け入れてもらえる余裕がありますが、今後、病院の病床数を削減することになってくると、そういう方を受け入れてもらうことすら多分難しくなってくると思います。行き場が本当になくなってしまうという心配があると思います。独居高齢者とか、認知症で独居で生活保護の方もどうしても一定数おられますので、今後、そういう方の対応がどんどん大変になってくるんじゃないかなと思ってます。
(市長)団塊の世代がもう70代を超えていきますから、これからそういう問題がより深刻化して出てくるでしょうね。
(参加者)一方で、岡山市内も施設がかなり増えています。岡山市外もそんなに人口がいないのに施設がたくさんあったりします。在宅の方がどんどんと施設に行くというのもいかがなものかなと。やっぱり在宅でできる限り早くにいろんな方にチームを組んでもらって、在宅での生活が引き続き過ごしたいというふうに思っていただかないと。やっぱり在宅で生活していただきたいなという気持ちはあります。

(参加者)病院で調整していると、ご高齢の方も多く、家族の介護の負担もすごく多いです。施設を希望されても、経済的な負担が無理というご家族も多いです。自分たちの生活もあって、ご両親のところにお金を費やすこともできない。年金だけで施設費用となってくると、お一人で15万、20万という費用がかかってくる。高齢者がお二人でそんな費用を捻出することもできないとなってくると、本当に施設の選択肢自体がほぼできない方のほうが多いんです。ご家族、その娘さん、息子さん、ご兄弟でシェアして負担されてということができればいいですけど、それすらもできなければ、どんな形であっても家に帰るしかない。そこをまた訪問看護とか介護の方、ケアマネジャーさんとかにサポートしていただけないかと思います。なかなかその段取りも難しかったりしますが。そういうぎりぎりのところが、これから先もっと増えてくるのかなと思います。
(市長)そうなるでしょうね。
(参加者)今は、皆さん働いておられて、在宅で介護する主婦の方が少ないです。ソーシャルワーカーから見て、介護者がいなくて、日中1人になられるお年寄りがすごく多いです。そうすると、家族も生活や気持ちに余裕がないと、両親を看れないということになると、どうしてもやはり施設へ流れてしまう傾向があると思います。でも、お金もかかりますから、費用が払えないとなると、どうするかということになり、これからさっき言われた問題になってくると思います。
(市長)そこは構造的な問題ですよね。国もどうしていいか分からない、というのが実際のとこですよね。団塊の世代って、昭和22、23年で生まれた人が230万人です。去年生まれた人92万人ですから。そういうギャップがある中で、これからのシステムを考えていかなければいけないということだろうと思います。全体からいうと、やはり施設系というよりは、在宅医療は本人の希望にも添えるし、かつトータル医療費という面から見ても、少し安く上がっていくということなのではないかというように思います。我々としては、客観的に見て、これが一番いいと思うようなものが本人に選べる状態になっていないということをどうやって変えていくかという、そういうことをどれだけ広げていくかというのが今日のポイントのような気がしますね。今日は、いろいろ感じるところもありました。今日のお話しをこれからの市政に生かしていきたいと思います。今日は本当にどうもありがとうございました。

参加者との集合写真

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