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おかやま SDGs ユースの集い 2026「暮らしと未来をつなぐエコツアー」

[2026年9月18日]

ID:85553

おかやま SDGs ユースの集い 2026「暮らしと未来をつなぐエコツアー」

「SDGs」や「気候変動」という言葉を知っていても、それが自分たちの日々の暮らしとどのようにつながっているのか、実感を持って考える機会は意外と多くありません。8月21日に開催した「おかやまSDGsユースの集い2026」では、岡山地域のユースが、SDGsの達成に欠かせない、環境や気候変動対策について「衣・食・住」を切り口に学びました。

今回のテーマは、「暮らしと未来をつなぐエコツアー~衣・食・住から考えるSDGsと気候変動~」。

地域の工務店やうどん店を訪ね、現場を体感しながら話を聞き、参加者同士で感じたことを共有し、「自分たちができること」を考えました。

「知る」だけで終わらせず、自分の暮らしやこれからの行動を考える。そんな一日を振り返ります。

集合写真

「気候変動」を、まずは自分の暮らしから考える

暮らしと未来をつなぐエコツアーは、岡山地域のユースを対象に、地球温暖化防止や環境負荷の低減につながる取組が行われている現場を訪問し、気候変動対策について学ぶことを目的に開催しました。さらに、参加者同士の対話を通じて、学んだことを自分自身の行動につなげていくことも大切なねらいの一つです。

そんな今回のイベントには、3人の学生が企画段階から関わりました。

「高校生や大学生を対象にした気候変動対策に関するバスツアーをやりたいんだけど、それって学生は振り向いてくれるかな?」

岡山大学教育学部4回生の田中聖愛(たなか せな)さんはこの問いに対して、衣・食・住を切り口にすることを提案してくれました。

「気候変動と言われるとどこか規模が大きくてつかみどころがないように感じるかもしれないけど、衣・食・住は生活と近いし、3つのテーマのうちどれか1つでも興味を持っている人はいるんじゃないか。」

どんな家で暮らし、何を食べ、何を着るか。そんな身近な選択から、環境や未来について考えてみることが、今回のスタート地点です。

「住」から考える、快適な暮らしと環境

最初に訪れたのは、岡山市中区で高気密高断熱の注文住宅を手がける工務店、株式会社SANKOの本社とモデルハウス。

ここでは、高性能な住宅を体感しながら、住まいと環境、そして健康との関わりについて学びました。

案内をしてくれた株式会社SANKO取締役副社長の丹生慶子(にぶ けいこ)によると、日本の住宅は海外と比べて断熱性や気密性が低く、「夏は暑く、冬は寒い」家になりやすいと言います。冷暖房をよく使うことで光熱費がかさむだけでなく、温度差によるヒートショックなど健康面へのリスクにもつながります。

今回訪れたモデルハウスでは、トリプルガラスの窓で外気温の影響を軽減し、気密性を高めて熱や湿気の出入りを抑える工夫がされていました。また、太陽光発電で電力を自給しており、快適な暮らしをしながら省エネルギーを実現する高性能住宅の魅力を実感しました。

参加者からは、

「家庭用のエアコン1台で、一軒家全体が快適に過ごせるのがすごい。」

「こんな家に住みたいと思った。家を建てたりリフォームしたりする時に取り入れたい。」

そんな声が聞かれました。

株式会社SANKO見学
住宅設備見学

「食」から考える、地域と未来

続いて向かったのは、瀬戸内市長船町に店舗を構える「備前福岡一文字うどん」。小麦から作るうどん屋として知られ、ミシュランガイドで「グリーンスター」を獲得しています。

2代目店主で現会長の大倉秀千代さんの案内で、石臼で小麦を挽く製粉所や合鴨農法による小麦作りの現場などを見学しながら、地産地消やフードマイレージについて学びました。

うどんやパンなど、私たちの食に小麦は欠かせないにもかかわらず、小麦の国内自給率は約16%とのこと。一文字うどんでは、お店のすぐ近くにある畑で採れた小麦を使っています。一方、海外から運ばれてくる小麦は長い距離を輸送するためにエネルギーも必要です。こうした違いについて、CO₂排出量は400倍になるという説明があり、参加者も驚きの様子を見せました。

昼食のうどんは、普段何気なく食べている一食にもさまざまな背景があること。誰がどんな思いで「食」をつくっているのか。食と農のあり方などを考える時間となりました。

一文字うどん見学
小麦栽培見学

「見て終わり」にしない。移動中も学びの時間

今回のエコツアーでは、見学するだけで終わらないよう、移動中にも振り返りや情報提供を続けました。

モデルハウスの見学を終えた後は、自己紹介や住宅見学の感想を共有しました。ほかの人の感じ方を聞くことで、「そんな見方もあるんだ」と新しい気づきが生まれます。今回のプログラムでは、こうした対話の時間も大切にしました。

感想の共有
チェックリスト

現場で得た気づきを少しずつ自分自身の暮らしへと引き寄せていきます。高性能な住宅への学びを、自分たちの暮らしにどう置き換えられるでしょうか。例えば、賃貸住宅で一人暮らしをしている大学生にできることはあるのでしょうか?

エコや環境配慮をテーマに、おしゃれで楽しいまちづくりに取り組むNPO法人タブララサの利根弥生(としね やよい)さんから、さまざまなことを教えてもらいました。

「冷蔵庫の温度設定を調整する、箸やスプーンなどマイカトラリーを用意する、玄関ドアに断熱性のあるシートを貼る、などわが家でもやっていることがあります。パブリックコメントを提出するというのも良いですね。」

「衣」は世界とつながっている

午後からは「衣」を含めた学びと振り返りを行いました。

午前中に見学した「住」と「食」、そして午後から学ぶ「衣」。それぞれを別々のテーマとして考えるのではなく、「自分たちの暮らし」という一つの視点から捉え直します。

一般社団法人おかやまエコサポーターズの小桐登(おぎり のぼる)さんによる「衣」のお話では、服の大量生産・大量廃棄による環境負荷や、綿花栽培における児童労働の問題などが紹介されました。講師の小桐さんが、ご自身で襟や袖を補修しながら20年以上にわたって大切に着続けている服や、自宅で栽培した綿花を実際に見せてくださり、一着の服ができるまでの背景に思いを寄せる時間となりました。

どんな視点で服を選ぶか、一着をどれほど長く愛用できるか。衣服の購入や廃棄に対する日頃の選択から、世界や未来とのつながりについて深く考えるきっかけとなりました。

振り返り

それぞれの「気になる」から、4つのアイデアへ

衣・食・住について学んだ後は、「自分なら何ができるだろう」と、学んだことを自分の行動に置き換えて考えました。

ここでは、岡山大学工学部3回生の児玉陽(こだま ひなた)さんが進行を担当しました。まずは、一人ひとりが衣・食・住について学んだことを振り返り、自分の暮らしの中で取り組めそうなことを書き出しました。

その中から特に関心のあるテーマを選び、関心の近い人同士でグループをつくりました。できたのは、「地産地消」「うどんツーリズム」「衣服」「断熱」の4グループ。

ここからは、岡山大学大学院環境生命自然科学研究科修士2年の沼田有貴(ぬまた あき)さんと田中さんに進行をバトンタッチ。今回のエコツアーで得た気づきを、どんな行動につなげられるか、ユースならではの視点でアイデアを出し合いました。主催者の岡山ESD推進協議会や、このイベントを中心となって企画・運営する特定非営利活動法人岡山NPOセンターも適宜アドバイスしながら、テーマに関する現状を調べるなど、取り組んでみたい内容を深めました。

グループワーク1
グループワーク2


「地元のものを買う」を、もっと楽しく

地産地消グループが考えたのは、地元食材の消費を、キャンペーンや学祭など、大学生活の身近な場と結びつけるアイデアです。
地元産品を買ってSNS投稿するとお得になるキャンペーンや、学祭での展開など、同世代が楽しく参加できる仕掛けと、スーパーや農家など、地域の人たちとの連携も視野に入れながら、地産地消をもっと身近にする方法を考えました。

うどんを入口に、岡山の農業を考える

うどんツーリズムグループでは、食を「食べる」だけでなく、観光や農業と結びつけて地域の未来を考えました。
岡山のうどん文化を観光と結びつけ、県外や海外から訪れる人に、うどんを食べるだけでなく、食文化や小麦づくりまで体験してもらう。さらに、国産カトラリーの使用や、ブランド小麦の推進など、観光だけにとどまらず、地域の農業や環境にもつながる仕組みを考えました。 

「捨てない」だけじゃない、衣服との付き合い方

衣服グループは、服を「買う・使う・捨てる」という一連の流れから環境負荷を減らす方法を考えました。
一人ひとりの「長く大切に着る」などの行動に加えて、学校での出前授業やリサイクルボックスの設置など、周りの人も巻き込む方法についても話し合いました。環境税のような制度のあり方にも目を向け、「買うときに気をつける」だけではなく、どうすれば社会全体で衣服の環境負荷を減らせるのか。一人ひとりの選択から、社会の仕組みまで視野を広げて考えました。 

「断熱」を、未来の岡山の当たり前に

断熱グループから出てきたのは、「断熱・遮熱で快適な街」をつくるという構想です。
住宅の新築やリフォームだけで捉えがちな断熱ですが、学校やカフェ、ホテルなど、普段利用する場所での断熱について考えました。「快適に過ごせるなら勉強にも集中しやすくなるのでは?」環境面だけでなく、生活にとってのメリットにも目を向けました。まずは断熱性の高い施設を体験し、その良さを知ってもらうなど、専門的なテーマを、暮らしに近いところから広げていくアイデアが生まれました。

グループワーク3
グループワーク4

4つのグループが考えたアイデアは、それぞれテーマもアプローチも異なります。
共通しているのは、「環境のために何をすべきか」だけでなく、「どうしたら自分たちや周りの人が、楽しく、無理なく行動できるだろう」と考えていたこと。現場で見て、聞いて、感じたことを誰かと話すことで、それぞれの「やってみたい」が少しずつ形になりました。

ユース自身が、未来について考え、行動する場をつくりたい

今回のイベントをどのような形式で開催するか、検討段階からやり取りを重ねてきた沼田さんは、環境問題の解決に向けた取組に、ユースが主体的に関わることを大切にしています。
だからこそ、現場を見に行くこと。誰かから一方的に教えてもらうのではなく、自分たちで考え、話し合うこと。ユースが一緒に何かに取り組むこと。こうした経験が生まれ、次の行動につながっていくことを目指して、エコツアーを企画しました。 

グループワーク5


限られた時間の中で生まれた各チームのアイデアは、これから形になっていくものです。一日の学びは、ここで終わりではありません。それぞれの「やってみたい」が、これからどのような行動につながっていくのか。今回出会ったユース同士のつながりも含め、これからの展開が楽しみです。

気候変動という大きな課題も、私たちの暮らしから遠く離れたものではないんだよ。
どんな家で暮らし、何を食べ、何を着るか。
毎日の何気ない選択の一つひとつが、環境や社会とつながっているんだ。
今回の「おかやまSDGsユースの集い2026」は、地域の現場を訪ね、体験し、対話することで、参加者が自分自身の暮らしを見つめ直す一日になったんだ。
「知って終わり」ではなく、「自分なら何ができるだろう」と考えてみる。
その小さな気づきと行動の積み重ねが、これからの暮らしと未来をつないでいくのかもしれないね。

お問い合わせ

岡山ESD推進協議会事務局(岡山市市民協働局市民協働部SDGs・ESD推進課内)
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