2026年1月31日に、さん太ホールにて「第6回 BeLiveプレゼンテーションイベント」が開催されました。高校生の柔軟な発想と、地域に根差す企業が一体となって地域の課題を考え、岡山の発展を目指すことを目的に開催されているもので、19チームの高校生が探究活動やSDGsの取組を発表しました。
単なる発表にとどまらず、高校生が自分たちの関心事や地域の課題を「自分ごと」として捉え、1年、あるいはそれ以上の期間をかけて探究してきた活動の集大成となる場です。発表を聞いた参加者の投票や審査員による審査の結果、最優秀賞など各賞を決定しました。そのイベントの様子をご紹介します。
高校生によるプレゼンテーションでは、環境、テクノロジー、福祉、メディア、地域活性化など、多岐にわたる取組が発表されました。
VRやARを活用した取組では、地元の象徴的な植物である「良寛椿」を100年後の姿まで見据えてVR化し、地域の魅力を発信する試みや、スポーツ観戦の体験を拡張するためにスマートグラスを活用した新しい観戦スタイルを提案するチームがありました。また、真庭市が誇る木質バイオマス発電をテーマにしたツアーガイド活動や、放置竹林の問題を解決するために竹パウダーを製造し、農業利用やジビエ処理の消臭剤としてビジネスモデル化する取組が紹介されました。
観光地である美観地区の移動を円滑にするための近距離モビリティの導入提案、さらには言葉の壁を越えるための防災用「コミュニケーションタオル」の開発など、実生活に根ざした改善策が示されました。選挙報道の質やフェイクニュースの拡散構造を分析し、AIや広告の透明性に着目した技術的な抑制策や、メディア情報の受け手としての「ネガティブ・ケイパビリティ(曖昧な状況に耐える力)」を養う授業実践など、昨今の社会状況を踏まえた取組もありました。
イベントの後半では、岡山大学の笹埜特定教授による「AI時代の探究とウェルビーイング」と題した講演が行われました。
講演の中で最も強調されたのは、「SDGs」の先にある「SWGs(Sustainable Well-being Goals:持続可能なウェルビーイング目標)」という概念です。2030年まではマイナスをゼロにする「生存」の時代ですが、2030年以降はゼロをプラスにする「開花」の時代になるといった話がありました。
また、探究活動を加速させるための方程式として、「SDGs(ゴール)+PBL(実践の舞台)+STEAM(基本装備)× AI(加速装置)」が提示されました。AIは単なる道具ではなく、人間の可能性を拡張する「共創的パートナー」であり、私たちがAIに何を教え、何を語るか(Teach to AI)が未来を決めるとのことです。講演では、地球の痛みをダイレクトに感じるデバイスの思考実験なども行われ、高校生たちに「問い続けること」の大切さを伝えました。
※PBLとは、Project-based Learningの略称で、問題解決型学習を意味します。
※STEAMとは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Arts)、数学(Mathematics)の5分野を横断的に学ぶ教育のことです。
厳正な審査を経て、多くのチームがその努力を称えられました。審査員からは、「年々レベルが上がっており、特に社会実装の一歩手前まできている取組が増えた」との高い評価が寄せられました。
本大会で最優秀賞に輝いたのは、岡山県立勝山高等学校蒜山校地のチーム「NeoTrad(ネオトラッド)」です。地元の伝統食「甘酒」の美味しさに感動したことをきっかけに、伝統工芸「郷原漆器」と組み合わせた、ふるさと納税の返礼品をプロデュースしました。商品開発だけでなく、地域の職人や行政をつなぎ、卒業後も継続する「リレーション(関係性)」を構築した点が、地域創生のモデルとして評価されました。
各賞受賞は以下のとおりです。
| 賞 | 高校名 | チーム名 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 最優秀賞 | 岡山県立勝山高等学校蒜山校地 | NeoTrad(ネオトラッド) | ふるさと納税返礼品プロデュース |
| 優秀賞 | 岡山高等学校 | ボラボー | 里海再生 |
| 岡山県立烏城高等学校 | 烏城高校多目的トイレ調査隊 | 多目的トイレの調査 | |
| 審査員特別賞 | 岡山県立岡山南高等学校 | メディア研究チーム | メディア研究 |
| 岡山県立岡山工業高等学校 | ソコの環チーム | 公園デザイン | |
| 岡山県立真庭高等学校 | 竹環 | 放置竹林の解消 | |
| 実行委員会特別賞 | 岡山県立玉島高等学校 | 玉島SDGs高校生アンバサダー「良寛椿の森VR開発PJ」 | 良寛椿の再生とまちおこし |
| 岡山県立新見高等学校 | ミノリーナ班 | 土壌改良材の活用 | |
| 清心女子高等学校 | 清心女子高等学校 | ユニバーサルツーリズム |
詳細につきましては、こちら別ウィンドウで開くをご確認ください。
高校生の発表から、失敗を恐れずに挑戦し、多様なステークホルダーと対話することで、教科書には載っていない「生きた学び」が得られていることがわかります。岡山県教育委員会教育長の中村氏は、「言葉と熱量は、AIが進化しても人の心を動かす最も大切なもの」と語り、高校生たちの成長を称えました。高校生の柔軟な発想から生まれる、岡山から世界へ向けた持続可能な社会づくりの火はこれからも灯り続けます。
当日の様子はYouTubeでご覧になれます。
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