山陽新聞社創刊140周年を記念して「令和時代の地域をつくる」をテーマに全5回の連続シンポジウムを開催しました。東京一極集中が加速し地方の衰退などの課題が浮かび上がる中で、岡山が未来に向けて持続可能であるためには何をすべきか、どう課題解決したらよいかを考えるシンポジウムです。各回開催前に、私たち市民は何が出来るのかを意見交換する事前ワークショップも行いました。
第1回「AI(人工知能)が描く未来」は、京都大学こころの未来研究センター教授の広井良典氏の基調講演「AIが予測する未来から地域を考える」と大森雅夫氏(岡山市長)、あさのあつこ氏(作家)、大久保憲作氏(高梁川流域学校代表理事)、石原達也氏(SDGsネットワークおかやま会長)とのパネルディスカッションを行いました。東京一極集中から地方分散型の社会にしていく必要があることなどが話し合われました。事前ワークショップの中で意見として出た女性や暮らしの視点についても投げかけられました。
第1回シンポジウム「AI(人工知能)が描く未来」
第2回「地域に根差したライフスタイル」は、雑誌「ソトコト」編集長の指出一正氏の基調講演「わたしたちは地方で幸せを見つける」とともに、太田昇氏(真庭市長)、白井信雄氏(山陽学園大学教授)、梅谷奈々氏(森林ボランティア)を交えたパネルディスカッションを行いました。地元にある資源を生かして地域が自立することの大切さや関係人口を増やしていくこと、エネルギーやお金を地産地消することなどが強調されました。身近なものを大事にできる環境から家族を大切にし、豊かな生活につながるとも話されました。
第2回「地域に根差したライフスタイル」
第3回「お金と地域の新しい関係」は、ローカルサミット事務総長の吉澤保幸氏が「ローカルから温かいお金の流れをつくろう」と題して基調講演し、加藤貞則氏(中国銀行頭取)、丸尾宜史氏(レプタイル社長)、河井七美氏(Orb社長)を交えたパネルディスカッションを行いました。地域の中でお金を回すことの重要性や、それによって雇用を生み出したり、地域の中で役割をもって起業する人たちを増やしたりする大切さなどが話し合われました。会場との質疑の中では、アニメメーションで中小企業の求人募集を行う起業を目指す中学生からの発言もありました。
第3回「お金と地域の新しい関係」
第4回「交通は幸せのもと」は、関西大学教授の宇都宮浄人氏による基調講演「幸せをもたらすモビリティー」とともに、大森雅夫氏(岡山市長)、宮本紀子氏(浅口市みどりヶ丘イキイキグループ副代表)、猪田有弥氏(西粟倉村地域おこし協力隊)が加わったパネルディスカッションを行いました。車依存からの脱却と、鉄道やバスが一体となったアクセスしやすいまちづくりを進めることで生活の質の高いまちになると指摘されました。会場からは、事前ワークショップで出された公共交通の利便性向上に対する意見が紹介され、レンタサイクルによる起業を目指す高校生の発言もありました。
第4回「交通は幸せのもと」
第5回「地域学のススメ」は、大正大学教授浦崎太郎氏が「次世代の育成は地元のチーム化から」と題して基調講演し、松田欣也氏(津山商工会議所会頭)、鍵本芳明氏(岡山県教育長)、久常宏栄氏(津山東主幹教諭)、柏原拓史氏(だっぴ代表理事)を交えたパネルディスカッションを行いました。地域と学校、経済界、NPOなどが連携し、社会と関わりながら課題解決などを考える「地域学」を生徒が習得することで、一人ひとりの興味関心を伸ばし、新たな社会に通じる人材の育成につながることなどが話し合われました。高校生を司会に抜てきし、自らが学校で取り組んだ地域学についても語り、一歩踏み出し行動することの大切さを訴えて共感が集まりました。
第5回「地域学のススメ」
これまで5回のシンポジウムを通じて話し合ってきたことをまとめとして、「令和時代の岡山宣言」が出されました。
詳しくは、以下のウェブサイトをご覧ください。