2015年9月に国連が採択した「SDGs(持続可能な開発目標)」。
2030年に向けた17の目標の実現のために、おかやま地域のSDGs活動の共有を図り、さらに連携を深めることを目的として「おかやまSDGsアワード2020表彰式&SDGsフォーラムin岡山」が岡山コンベンションセンターで開かれました。
「おかやまSDGsアワード」は、岡山という地域に根ざし、SDGsを合い言葉として、人々に活気を生み、持続的に生きるための課題解決につながることが期待される取り組みを表彰するものです。
今年度から開始した「おかやまSDGsアワード」には、岡山県内の企業や教育機関、町内会など75団体からの応募がありました。
開会にあたり、岡山大学の槇野博史学長と大森雅夫岡山市長より挨拶がありました。槇野学長は「課題×地域資源×パートナーシップの掛け算によって、ますます岡山地域からSDGsを世界に発信することを期待している」と語り、大森市長からは「地域と一緒になって持続可能な社会を目指していきたい」と挨拶がありました。
槇野博史学長
大森雅夫市長
つづいて、「おかやまSDGsアワード」主催のおかやま地域発展協議体おかやまSDGs研究会の藤木茂彦会長より、受賞6団体へ表彰状と賞金・記念品の授与がありました。
表彰式の様子
表彰式の様子
藤木会長は「コロナ禍で開催が難しいかと思われたが、熱意あふれる75団体から応募があり大変嬉しく思う。今回のアワードを通じて分野を超えた連携がさらに活発におこなわれ、岡山がSDGs先進地域になり世界を引っ張っていけるようになることを期待している」と語りました。
藤木茂彦会長
閉会にあたり、伊東香織倉敷市長は「住民の皆様がSDGsの思いを持って活動されていることが今回の表彰につながった。岡山地域がSDGs先進地域として全国に発信ができるよう、これからも皆様とともに頑張っていきたい」と挨拶され、また、おかやま円卓会議松田正己座長から「県内各地、いろんな分野の団体から75もの応募があり感嘆した。今回のアワードが次のステップにつながり、より一層SDGsの推進にむけてパートナーシップを強めていってほしい。」と挨拶があり、表彰式が閉会しました。
受賞団体と主催のおかやま地域発展協議体おかやまSDGs研究会メンバー
おかやまSDGsアワード2020表彰式に引き続き、SDGsフォーラムin岡山が開催されました。参加者は発表団体の取組み事例に学び、パネルディスカッションでは多様な分野からの視点で意見交換が行われました。
はじめに、おかやま円卓会議メンバーである宮長雅人岡山経済同友会代表幹事から「今回のSDGsフォーラムでの取組発表やパネルディスカッションを通じて、岡山でSDGs達成に向けた行動の輪が拡がりますように」と挨拶がありました。
宮長雅人岡山経済同友会代表幹事
おかやまSDGsアワード2020受賞6団体の取組発表が行われ、各団体の発表後、審査員の狩野光伸さんより授賞のポイントについて講評がありました。発表順に紹介します。
持続可能な未来を創造する住民参加型イベントの実施と持続可能なまちづくりのための包括的支援活動
「バイオ液肥」を活用した循環型の農業振興や住民の生活応援事業など、多世代が関わりながら共生できるよう、包括的に真庭地域の課題解決へ向けて取り組んでいることについて発表されました。
十字屋グループ
狩野審査員のコメント:SDGsを大和言葉にすると「ずっと人々が伸びていくための目当て」。十字屋グループさんはまさに、真庭という場所でずっと人々が伸びていくための仕組みづくりを頑張っておられる点に感銘を受けました。
狩野光伸審査員(おかやまSDGs研究会副会長)
住民が抱えるさまざまな困りごとの解決を支援することにより、住みなれたこの町でいつまでも住み続けられるまちづくりを目指す。
富山学区で取り組んでいる、困りごとがある住民とサポーター(支援実施者)をコーディネーターが繋ぎ、解決に導く仕組みについて、設立経緯や運営体制など具体的に紹介されました。
とみやま助け合い隊
狩野審査員のコメント:地域に住む方の困りごとを、無理なく今の時代に沿って解決する仕組みが大変素敵で表彰させていただきました。この仕組みが県内のみならず国内国外に広まればいいなと思います。
SDGsによる利他の心を持つ人材の育成と持続可能な社会の実現
従業員一人ひとりが社会課題を自分事として捉えるためにSDGs勉強会を通して各部門がSDGs目標を立てて取り組み、それをCSRレポートにまとめ社内外へ発信していることなどが紹介されました。
服部興業株式会社
狩野審査員のコメント:外に向けて貢献することのみならず、社員のみなさんがより良い生き方をしていただける考え方を導入しているところに感銘を受けました。CSRを本業にしっかり取り込んでいる点も授賞の理由です。
SDGs推進計画~私たちの手でつくる倉敷未来プロジェクト×SDGs~
SDGsについてより多くの市民に知ってもらうために、学校・企業・地域・行政と協働して行っているSDGs推進事業について発表。SDGsを身近に感じてもらうための体験型イベントなどを行っていることが紹介されました。
公益社団法人倉敷青年会議所
狩野審査員のコメント:次の世代を担う企業経営者たちがいろんな人たちを繋いでいることがとても頼もしいです。繋いでいくときに、楽しく自分事にすることに成功している点が他の団体の活動にも参考になると思います。
『地域と連携した災害支援活動』
社会課題解決のために学校全体で取り組んでいるイベント「わかばフェア」や企業と連携した被災地支援の取組み、地域での合同避難訓練のことなど、様々な団体と一緒になって社会課題の解決に取り組んでいる様子が紹介されました。
倉敷市立精思高等学校
狩野審査員のコメント:高校の中だけではなく、さまざまな企業や団体と連携してしっかり地域とつながっていることに喜びを見い出しました。
「SDGsな商店街」づくりに向けた、企業の廃材を活用するエシカルなリサイクルアート教室「ハブラボKids」
表町商店街を拠点に活動しているありがとうファーム。企業の廃材を活用したリサイクルアート教室「ハブラボKids」について紹介しました。障がい者が講師となり、学生ボランティア・アーティストの協力も得て商店街を活性化しており、障害、年齢、性別を超えた様々な人が集える場所となっています。
株式会社ありがとうファーム
狩野審査員のコメント:SDGsの使い道として、「新しいことを始められる」「今まで違うところにいた人たちがつながれる」ということがありますが、そのどちらも体現されており大変素敵な取組みでした。
取組発表に続いて、受賞団体の代表者とおかやま地域発展協議体おかやまSDGs研究会会長の藤木茂彦さん、コーディネーターの狩野光伸さんによるパネルディスカッションが行われました。会場の参加者からも意見や質問を募り、企業・学校・地域、それぞれの分野ならではの視点をもってSDGsに関する意見交換を行いました。
前半に登壇したのは、倉敷市立精思高等学校 森山泰幸さん、公益社団法人倉敷青年会議所 岡田光弘さん、とみやま助け合い隊 難波徳行さん。
パネルディスカッションの前半登壇者
「どうやって取組みを持続的なものにしているのか」という問いかけに対し次のような回答がありました。
後半に登壇したのは、株式会社ありがとうファーム 深谷千草さん、十字屋グループ 牧一穂さん、服部興業株式会社 服部俊也さん。
パネルディスカッションの後半登壇者
「SDGsの取組みを広げていき、社内外を巻き込んでいく工夫や苦労を教えてください」という質問が投げかけられました。
会場からも意見が出ました。
それぞれの立場でSDGsという同じ目標に向かって取り組み、分野を超えての連携が活発に行われていることを再認識した意見交換の場となりました。
会の最後におかやまSDGs研究会小川卓志副会長が参加者や関係者に謝辞を述べ「来年もSDGsアワードを続けていく方向で検討している。今回受賞を逃した方も新しくやってみようという方もぜひ来年に向けて頑張ってほしい」と締めくくりました。小川卓志おかやまSDGs研究会副会長
「おかやまSDGsアワード2020表彰式&SDGsフォーラムin岡山」の様子はオンラインでも同時配信されました。アーカイブは下記リンクよりご覧いただけます。(2021年3月末まで配信)