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東山ESDクラブのあゆみ~12年の実践とこれから~

[2026年6月19日]

ID:83347

東山公民館で活動する「東山ESDクラブ」では、2015年度の発足以来、平和・人権や環境など、幅広いテーマの講座やイベントを開催しています。

今回は、東山ESDクラブの発足から今に至るまで中心的に活動に取り組んできた赤井藤子さんに、発足時の思いやこれまでの歩み、今感じていることなどについてお話を伺ってきました。

東山ESDクラブを始めたきっかけ

元々私は、子どもの健康に関することがきっかけで環境問題について関心を寄せて、生協や「おかやまエコマインドネットワーク」という団体に関わるようになっていきました。環境問題だけではなく、PTA役員を務めたり、海外にも関心をもって日本語教育について学んだりと、いろいろなことに関心をもって暮らしてきました。

2014年に岡山市で「ESDに関するユネスコ世界会議」が開催されました。当時、開催にあたって重要な役割を果たした「岡山ESD推進協議会」の運営委員に声をかけていただいたことで、ESDについて学ぶことになりました。“Think Globally, Act Locally”という言葉があるように、持続可能な社会を目指すために、地域でESDの活動を広めていくことが大切だ、取り組んでいきたいと強い思いをもちました。

そこで、地域でESDを進めてきた公民館にその思いを話して、ぜひやりましょうということで「東山ESDクラブ」としての取組が始まりました。

東山ESDクラブの活動内容

東山ESDクラブでは、ESDを「E=eat(食べて)、S=smile(笑って)、D=discussion(おしゃべりする)」と独自に定義しています。ESDという言葉になじみがない人、持続可能な社会って何?となる人が多いと思ったので、親しみやすくしたかったのです。

地域の集まりなどで出会った人たちに声をかけて、13人ほどのメンバーで年6回ほど、講座やイベントを企画しています。平和や人権、環境や自然、食と農、コミュニケーション、多文化共生など、さまざまなテーマについて、たくさんの講師の方にお話していただきました。いろいろな活動に取り組んできたことが、幅広い講師にお越しいただくことにつながったと感じています。親子、または子どもだけで参加できる企画が多く、内容にもよりますが、20~25人程度の地域の方が参加されています。

コロナ禍以前は、「E=eat」なので軽食を用意して、参加者同士の交流(D=discussion)を軸に、学びと楽しさ(S=smile)のある内容を意識していました。コロナ禍以後、軽食は取りやめてしまったのですが、代わりに講師のお話をじっくり聞けるという意見も聞きました。

特に力を入れてきたテーマ

環境に関することでは、キャンドルナイトとエコキャンプがあります。夏至のころ、節電のためにエアコンや照明を消して、夕方のひと時を、キャンドルを灯して過ごそうという催しです。せっかくなら楽しくしようと屋台を出したり、地域の子どもが出展するフリーマーケット、コンサート、エコキャンドル作りなどにも挑戦しました。中高生や大学生のボランティアも増えてきて、今では東山ESDクラブの一大イベントとなっています。

キャンドルナイトの様子


エコキャンプは、小学校4・5年生を対象にした、公民館に宿泊する企画です。これもコロナ禍以後は日帰りのディキャンプになりました。ボーイスカウトの指導でテントを立てたり、火おこしをしたり、七輪でホットケーキを焼くこともしました。食事は自分たちで献立を考え、買い物し、ごみを出さない調理を工夫し、生ごみは段ボールコンポストで減容するなど、エコの取り組みも実践しています。

エコキャンプの様子


もう一つ大切にしてきたのは、平和や人権、憲法に関する学びの場です。8月には戦争や紛争について考える企画を行ってきました。岡山空襲、広島、長崎、沖縄の経験談や、満蒙開拓団(満州や内モンゴルに入植した日本人移民)、中国帰国者(日中国交正常化以降に帰国施策等で日本へ永住帰国した人とその家族)、学童疎開や北方領土についてなど、さまざまな話を伺い、ハッとすることも多々ありました。

戦争の反省を踏まえて、憲法について考えることも行いました。方言で憲法を読む取組では、関西出身の子どもの見事なイントネーションが印象深くて今もよく覚えています。人権についても、子どもの権利やユニセフの活動、ハンセン病や障がい者支援、日本で暮らす外国人の日本語学習など、多岐にわたります。こうしたお話を聞く時には、絵本や朗読など、子どもたちにとっても学びやすい工夫を考えてきました。

平和学習の様子

今後について

発足当初は60代だった中心的なメンバーも高齢になってきました。年6回の企画実施は厳しいという声もあり、2026年度からは年4回にすることにしました。以前は、若い世代に新たにメンバーになってもらおうと動いたこともありました。しかし、その世代ごとに新しくグループができたりするのも自然なことかなと、今はそんな風に考えています。

私自身も、以前のようにエネルギッシュにいろんな人に声をかけていくことができていない自分自身を感じているところです。東山ESDクラブ以外にも多くの活動に参加し、地域でも婦人部などで役をいただいたり、行政の審議会や委員会の委員を拝命するなど、さまざまなことに関わらせていただきました。それらを少しずつ他の方に代わっていっているところでもあります。

最後に

東山ESDクラブでは毎回、参加者に「ESD、知ってる?」と聞くのですが芳しい返事がありません。そういう意味では、当初の目的「地域にESDを広める」が達成できているのか怪しいです。

ESDという言葉で理解した人は多くないのかもしれません。ですが、これまでの活動に参加したたくさんの地域の方々に、体験として、ESDが残っていたら良いなと思っています。戦争についての話でハッとしたことでニュースをしっかり見て考えるようになったり、キャンドルナイトで出展した楽しい経験が進路や職業の選択に生きてきたり、そういうことが生まれていると嬉しいです。

また、この活動を続けてこられたのは、公民館の方の適切な助言と正確な事務作業、そして時にはくじけそうになる場面でもしっかり支えてくださったこと(しかも笑顔で)が大きいと思っています。

どなたの言葉かは忘れましたが、「地域の人がその力を発揮できるようにお手伝いするのが公民館の仕事です。」との言葉に甘えて活動を続けてこられたのだと思います。本当にありがとうございました。

 

「ESDを広める」という当初の目標は達成できたのか分からない――そう話す赤井さん。しかし、取材を通して感じたのは、赤井さんの歩みそのものがESDの実践だったということでした。

興味をもったことを学び、人とつながり、その学びを地域に広げていく。その積み重ねが東山ESDクラブを育て、地域のさまざまな学びや体験につながってきました。

以前のようにはしなくなったこともあると語る赤井さん。それは活動を終えるということではなく、役割や関わり方を少しずつ変えていくことなのかもしれません。

ESDという言葉が地域に広がったかどうかはわかりません。しかし、東山ESDクラブで育まれた学びや体験は、地域の中に息づいているように感じられました。

 

お問い合わせ

市民協働局市民協働部SDGs・ESD推進課

所在地: 〒700-8544 岡山市北区大供一丁目1番1号 [所在地の地図]

電話: 086-803-1351 ファクス: 086-803-1777

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