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おかやまSDGsプラザ夏の交流会2021

[2021年9月7日]

ID:38716

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岡山地域におけるSDGsの取組をテーマに、企業と高校生が交流する「高校生SDGs交流会」。各高校が互いの活動を知ると同時に、企業の取組を聞くことによって視野を広げ、それぞれの活動がより発展していくきっかけの場として、2021年8月4日(水曜日)・5日(木曜日)の2日間にわたり開催されました。参加した高校は県内全11校、企業は全8社です。

集合写真

今回は、8月4日に行われた交流会と活動発表の様子をレポートします。

企業と高校生の交流会

参加企業が高校生に、各社が実施するSDGsの取組を説明。高校生からの質疑応答を受け、交流や意見交換を行う場となりました。

株式会社アイスライン

外食産業に向けたビジネスを展開する「アイスライン」。食品メーカーと協働して「岡山の子どもの食と未来を支えるエシカル商品」を企画・販売し、その売上金の一部を岡山市および子どもを支援する団体の運営に活用いただき、岡山の子どもたちの食と未来を支える活動に役立てています。

今回、高校生たちに「持続可能な世界を実現するための17のゴールのうち、ビジネスの循環のなかで企業として取り組みやすいのは何だと思いますか?」という企業側からの問いかけがありました。戸惑いながらも2,3人が答えてくれましたが、「岡山県の企業で多いのは『8・働きがいも経済成長も』です。これは、自分たちの働き方に直結するためです」との企業側の回答に、大きくうなずいていました。

株式会社中国銀行

「中国銀行グループ」では2021年6月に「地域創生SDGs推進部」という新たな部署を立ち上げ、地域社会とともに持続的に成長していくことをめざしています。例えば、廃棄食料を活用した製造業の創業支援や販路拡大支援・商品の活用、海ゴミ拾いを観光アクティビティ化する事業のサポートなど。さらに、岡山県内でSDGsに取り組む魅力ある企業や団体を冊子にまとめた「おかやまSDGsマップ」も発行しています。

今までは「銀行=お金」という硬いイメージがあったという高校生たちですが、今回、中国銀行の取組を知り、「こんな町に住みたい」「住みやすい町をつくりたい」というそれぞれが思い描く社会の実現が銀行の取組とつながり、将来のイメージができたのではないでしょうか。

アイスライン

株式会社アイスライン

中国銀行

株式会社中国銀行

服部興業株式会社

材木商として創業した「服部興業」。建築・土木資材の販売や施工、ガソリンスタンド・コンビニの運営、石油商品・自動車の販売、山林・不動産の管理を行うなかで、具体的な目標を設定して2018年からSDGsに取り組んでいます。

タイヤの空気圧点検によって燃費をよくしたり、建設現場での安全パトロールの実施により破損しかけた橋や建物などを修理して少しでも長く安全に使えるようにしたりするなど、その取組はさまざまです。
高校生からは、「子どもたちにSDGsを広めていくために気をつけていることはありますか?」という質問があり、「ヒノキから箸を作るイベントの開催など、SDGsが普段の生活にあるものを少し工夫することから始まるということを、わかりやすい言葉や作業・動作によって知らせています」との回答がありました。

リコージャパン株式会社岡山支社

「リコージャパン」は、SDGsを成長戦略の中心に据えています。例えば、環境に配慮して作られた複合機を提供し、販売台数に応じて、東南アジアでマングローブの植林を行っています。また、デジタルメッセージボードには、社員一人ひとりが取り組む内容をデジタルの葉っぱにして投影。お客さまにも体験していただき、SDGsの理解度を高める後押しになっています。

今回も、デジタルメッセージボードを実際に高校生に体験してもらいました。
すでにSDGsに積極的に取り組んでいる高校生も、企業が行う取組を実際に体験することでいっそう意識が高まったようです。

服部興業

服部興業株式会社

リコージャパン

リコージャパン株式会社岡山支社

高校生の活動発表

続いて、日頃行っているSDGsの取組について、高校生から発表がありました。発表後には、SDGsに関わる企業や行政の方からのコメントもあり、今後の活動の参考になったようです。

発表の様子1
発表の様子2

岡山高等学校「岡山高校スパイダーずの取組」

活動の目的は、蜘蛛の糸のように強く伸びやかに地域との連携をはかること。学童保育に出張して遊びを楽しむ「出張!みんなとあそび隊」、SDGsを子どもにわかりやすく伝える「SDGs動画作成」、途上国の給食提供に向けて寄付をする「TFT活動」、地域の“関係人口”として交流を行う「UMEプロジェクト」の4本柱で活動しています。

活動していくうえで大切にしていることは、自分たちも楽しむこと。人を楽しませるには、まずは自分が楽しいと思うこと。それが「続けていきたい」という持続可能な活動につながるのではないでしょうか。

岡山県立岡山操山高等学校「孤食解決に向けた子ども食堂の発展」

近年問題となっている孤食。それを解決する手立てのひとつが子ども食堂です。私たちは、各都道府県の子ども食堂の数、所得が250万円以下の世帯数を調べ、充足率を算出し、分布図やグラフなどにまとめました。この結果を踏まえて、今後は充足率の低い都道府県の特徴を調べて共通の原因を提示していきたいと考えています。

岡山県立岡山一宮高等学校「反射材で減らそう!交通事故」

私たちは、「交通事故を減らしたい!」という思いで研究を進めてきました。
そのなかでわかったのが、夕方の事故件数が多いということ。そこで、暗い中でも人がいることを認識できる反射材に着目しました。反射材は効果があると思いながらも、実際に使用している人はわずか20%です。

そこで私たちは、反射材の普及を目指し、子どもが遊べるブロック製の寿司型反射材、かわいいぬいぐるみ型反射材などを試作。実際に使ってもらった感想から、対象者のニーズに合わせることが必要だということがわかりました。今後はキーホルダーだけでなく、使用対象を広げて各年齢層のニーズに合わせたデザインの反射材を開発していく予定です。

山陽学園高等学校「瀬戸内海の海洋ゴミ問題の解決に向けての取組」

私たちは、瀬戸内海の海洋ゴミ問題の解決に向けて、問題を自分事として捉えてもらうことで、回収量を大きく上回る発生量の抑制に挑戦しました。
海洋ゴミの主な原因は沿岸に住む3千万人から発生する生活ゴミの流入です。街中にポイ捨てされたゴミも用水路や河川を通じて海に流れ出し、海岸への漂着や海底に蓄積し最終的にはマイクロプラスチックになるなど、場所や形を変えて見えなくなり、回収できなくなります。
海底ゴミの回収活動に加え、ゴミの発生を抑制する啓発活動にも取り組んでいます。無関心層にも興味を持ってもらえるよう、商業施設での展示を行うなど方法を工夫しました。

岡山県立岡山一宮高等学校「バーチャルウォーター&ドギーバッグ」

バーチャルウォーターとドギーバッグについての活動をしています。
バーチャルウォーターとは、食料を輸入している国がもしその輸入品を自国で生産するとしたらどの程度の水が必要か推定したもので、輸入大国・日本は海外の水資源を大量に消費しているといえます。今後は、水の消費を特定の国に頼ることなく、日本のように降水量が多く水資源の豊富な国が積極的に水の消費を担うことが大切になってきます。私たち高校生にできることは、身近な地域で生産されたものを積極的に取り入れていくことだと考えます。いわゆる地産地消です。

フードロスについては、食べ残しをなくすことが大切です。そこで活用したいのが、外食で食べ残した料理をつめて持ち帰るための「ドギーバッグ」。素材や形を工夫し、オリジナルのドギーバッグを作成しました。今後は文化祭の模擬店で実際に使用することを計画しています。

倉敷市立精思高等学校「学校を地域防災の“HUB”にしよう」

ハザードマップによると、学校の周り一帯は大雨などの洪水時に高梁川の影響を受けやすいことがわかりました。しかし、周辺には本校のほかに3階以上の高い建物はなく、避難に時間がかかる高齢者にとっては厳しい現実があります。そのため、この地域における避難や防災に対する意識、防災力を高めていく必要があると考えました。そこで、私たちが調査・探求した内容を冊子にまとめて地域住民や学校関係者に広く防災の取組を発信しています。避難所をもっと身近に知ってもらおうと動画も作成しました。

岡山高等学校「米作り×エシカル消費プロジェクト」

米作りを通して、地球環境や社会に配慮した活動をしています。廃材となっていたカキ殻をお米の肥料として用いることで、陸と海の豊かさを守っています。水の管理に着目し、ソーラーパネルを使った水の汲み上げを発案。太陽光発電というエコなエネルギーを活用して農業をもっと楽にしようということを目標としました。

今後は、企業や団体とタッグを組んで“ローリングストック”としての非常食の提案や、子ども食堂への寄付も計画しています。完成したお米をどのようにみんなに知ってもらうか話し合い、イベントも企画。「エシカル消費」のさまざまな優れた点を世の中に広めていきたいと考えています。

発表集合写真

企業の皆さんの感想

  • 高校生の、SDGsを身近なものと捉えて理解する前向きな姿勢にパワーをもらいました。また、学校での活動だけでなく、個人でも積極的に取り組んでいることに刺激を受けました。
  • 具体的な目標を掲げて取り組んでいる高校生が多く、SDGsに対する意識の高さを実感しました。企業のことやSDGsの取組を知ってもらういい機会にもなりました。企業のSDGsの取組が、今後の学生さんの就活の基準になっていくのでしょうね。この先に広がりを感じる交流会でした。

高校生の感想

  • 交流会では、企業の取組が社会と直結していることやスケールの大きさに驚きと感動をおぼえました。活動発表では、他校の活動を知ることで視野が広がり、いい勉強になりました。
  • 交流会では、さまざまな企業があって、それぞれの強みを生かした活動でSDGsに取り組んでいることを知りました。各企業から直接話が聞けてよかったです。活動発表では、活動を生活に生かし、結果に結びつけることの難しさを実感しました。自分たちの取組の広め方に課題が…。気づきの多い会でした。