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「おかやまSDGsアワード2021」産官学で取り組む「岡山道路パトロール隊」の活動紹介

[2022年1月17日]

ID:38747

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SDGsを合言葉に、ふるさと岡山エリアで「持続的に生きるための課題解決」を目指す取り組みを表彰する「おかやまSDGsアワード」。

今回「岡山道路パトロール隊」は「おかやまSDGsアワード2021」を受賞しました。

岡山道路パトロール隊とは?

もともとの始まりは、平成24年に起きた中央自動車道笹子トンネル(山梨県)天井板崩落事故を契機に導入したインフラメンテナンスの授業。その後、発案者の岡山工業高等学校土木科・狩屋雅之先生が中心となり、岡山県下の土木系学科高校生(岡山工業高校土木科、笠岡工業高校環境土木科、津山工業高校土木科)の有志らによって「岡山道路パトロール隊」を結成し、「学びのカタチ」に進化させました。

平成29年度からこのパトロール隊が取り組んでいる「社会インフラメンテナンス活動(道路の異常を発見・報告)」は、産官学が連携して行われているのが最大の特徴。将来の建設業界を支える若き人材の育成、それにともなう担い手不足の解消、そしてインフラメンテナンスの未来像を具現化する活動として全国から注目を集めています。

取り組みの概要・目標

産官学で取り組む「岡山道路パトロール隊」

私たちにとって最も身近な社会インフラである「道路」の異常をパトロール隊が発見し、道路管理者に報告する社会インフラメンテナンス活動を展開。高校生にとって日頃使い慣れたICT機器であるスマートフォンを活用したこの「クラウド型道路パトロール支援サービス」は、歩道からのパトロールを実施することで、その区間の道路維持管理の一助を担っています。

活動の効果としては、交通弱者といわれる歩行者や自転車の利用者に対し、迅速な道路管理が行えている点。加えて、参加する高校生達が「自分達の活動が地域の役に立っている」という達成感を味わい、そして「社会貢献の大切さに目覚めたことも大きい」と狩屋先生は指摘しています。

岡山道路パトロール隊1

取り組みのポイント:産官学の連携

本活動を指導する狩屋先生は、これまでの活動を振り返って、次のように成果のポイントを指摘しています。

「今回の取組は、産官学と銘打っていますが、最初は一高校(岡山工業高等学校)が中心となって動き出したものです。その後、様々なステークホルダーと連携し、社会とつながることができました。結果的にそれが実現したのも、お互いに「Win Win」の関係を築けたからだと私は思っています。私自身この取組を始めて8年目、岡山工業では5年目になります。すべて解決するのは人、一歩踏み出す勇気が大切だと感じています」

それに加えて、「担い手不足が叫ばれる今、道路管理者である国土交通省や工事を請け負う各企業も、親身になって私たちの話を聞いてくださり、生徒達に学びの場を提供してくださいました。さながらインターンシップを毎週3時間しているようでした。実際、年度を重ねるごとに建設業界への就職者が増え、行政や企業など様々な分野へ人材を輩出するなど、非常にいいサイクルを生んでいます」とその相乗効果を強調しました。

岡山道路パトロール隊2

今後の展望

今後ますます重要度を増す社会インフラ維持の人材を育成するとともに、ICTに精通した土木技術者として、広く建設業界全体の生産性向上に貢献し、市民参加型の社会インフラ維持活動のリーダーとして地域を牽引する人材を養成することも目的の一つとしています。

「学問として高い位置づけにあるとは言い難いインフラメンテナンスを、学校教育で取り組む仕組みを模索しています」と話す狩屋先生。誰もが安全&快適に暮らせる社会を支えるために「岡山道路パトロール隊」の挑戦はこれからも続きます。

ESDマン

学びと社会課題の解決が一体となったすばらしい取り組みだね!