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命を守る防火服でリメイクした防災頭巾を小学校に寄付

[2021年9月7日]

ID:38589

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火災現場をはじめ、さまざまな災害から消防士の命を守ってきた防火服を再生して作った防災頭巾が、岡山市立大元小学校の特別支援学級の全児童100人に贈られました。9月1日(水曜日)の「防災の日」に行われた、「防災頭巾寄附贈呈式」の様子をレポートします。


子どもたちの様子1

さっそく防災頭巾を被ってみる子どもたち

命を守る防火服が、防災頭巾に

贈呈式には、岡山市立大元小学校の岡賢一校長、同校の鳥居真副校長、大和被服株式会社の畑利昌専務取締役、岡山市消防局の藤原誠局長が出席。寄付に至った経緯の説明がありました。

防災頭巾を贈ったのは、岡山市消防局と倉敷市の大和被服株式会社です。岡山市消防局では、耐用年数の6年を過ぎると産業廃棄物として処理されてきた防火服を資源として循環させ、市民の防火・防災意識を向上することを目的としてリメイクを検討。SDGsの目標の12「つくる責任 つかう責任」にもつながると考え、官公庁の制服を作っている大和被服株式会社・株式会社大和アパレルと協働して取り組んできました。

SDGsアイコン12
防火服の写真

防火服の耐用年数は6年

すすや汚れのあった防火服をクリーニングし、反射板が付いた分厚い生地をしっかりと縫製。1年生から6年生まで誰にでもフィットするように、後ろの部分にスリットを入れてマチを取り、頭の部分にゴムを付けて座布団として使えるよう工夫を凝らしました。そして、約5か月をかけて試作を重ね、燃えにくく、防水性や衝撃吸収性にもすぐれた防災頭巾ができ上がりました。

被ってみた様子

実際に被ってみた様子

完成した防災頭巾

座布団にもなる優れもの

防災頭巾を製作した大和被服の畑専務取締役は、「消防士の命を守ってきた防火服が、子どもたちの命を守ることにつながるという深い意味を感じながら取り組みました。防災頭巾によって『身を守られている』という思いや安心感につながれば」とあいさつ。廃棄されてしまう防火服を再利用することで、SDGsの目標達成にもつながると考え、今後もさまざまなSDGsへの取り組みを続けたいと話しました。

岡山市消防局の藤原局長は、「消防局の取り組みに賛同していただいた大和被服さんとの協働により実現しました。私たち消防士の命を火災現場で守ってくれた防火服を皆さんにぜひ役立ててほしい。今後も市民の安心・安全につながるよう、また消防局としてSDGsにどのように取り組んでいけるかも考えていきたい」と話しました。

大元小学校の岡校長は、「『消防士さんの命を守ってきた防火服で作った防災頭巾を大事に使いましょう』と子どもたちに伝えて渡したい」とお礼を述べました。「防災頭巾として使う機会はできればないほうがよいが、普段から座布団として使うことで、子どもたちに防災への意識づけをしていきたい。また、自分の命を自分で守ることの大切さを話していきたい」と語り、防災頭巾を受け取りました。

贈呈式の写真

防災頭巾が手渡された

集合写真

左から畑専務取締役・岡校長・鳥居副校長・藤原局長

防災頭巾は子どもたちの手に

贈呈式が終わり、岡校長から特別支援学級の児童に防災頭巾が手渡されました。実際に被って中庭に出てきた子どもたちは、そろいの防災頭巾を被り、互いの頭巾姿を見ながらうれしそう。「これまで消防士さんの命や火事になった人たちを守ってきた防火服が、これからはみんなの命を守る防災頭巾になりました。ありがたく使わせてもらいましょう」と岡校長からみんなに話がありました。

子どもたちの様子2

新しい防災頭巾に、子どもたちの笑顔が見られた

関東大震災から98年。岡山市でも大規模地震が今後起きる可能性があるといわれています。大元小学校では、災害時に、安心感を与える防災頭巾を授業でも活用することで、もしもの時に自分の命が守れるよう、意識づけをしていきたいとしています。市民の安全を守る岡山市消防局と大和被服の想いは、防火服から生まれ変わった防災頭巾を通じて子どもたちへ、さらに市民へと広がっていきそうです。

ESDマン

命を守る防火服が、子どもたちの防災頭巾に生まれ変わるなんて素敵だね。