[2019年7月5日]
ID:20330
昨年に続き今年5月、岡山市のホストタウン相手国であるブルガリア共和国より、女子レスリングナショナルチームが来岡し強化キャンプが行われました。
ブルガリアチームは、昨年10月にハンガリーで開催された世界選手権で初優勝したタイベ・ユセイン選手、準優勝したビリャナ・デュドヴァ選手をはじめ、今年4月のヨーロッパ選手権で準優勝したミグレナ・セリシュカ選手や同大会で上位入賞した選手など豪華な顔ぶれが勢揃い。
歓迎式には大森市長をはじめ、キャンプ受入元である岡山県レスリング協会梶川会長のほか、経済界からも参加していただき選手たちを歓迎しました。
岡山市で2回目ということもあり、再会を果たした選手やコーチらは笑顔で「こんにちは」と日本語で挨拶するなど、既に岡山に馴染んでいる様子。
今回の練習相手には、地元のIPU環太平洋大学レスリング部のほか、県外より日本体育大学や自衛隊体育学校レスリング部も参加。昨年12月の全日本選手権で上位入賞した選手らに加え、あのレジェンド伊調馨選手も駆け付けてくださり、来年の東京オリンピックを見据えたレベルの高い、緊張感溢れる白熱した練習が繰り広げられました。
そんな中、練習後には談笑を交え一緒に写真撮影やSNSを交換したりと、つい先ほどまで真剣勝負をしていたとは思えない表情で接する選手たち。スポーツの世界に国境はなく、スポーツの持つ力に改めて気付かされました。
また、来岡したブルガリア選手を一目見ようと訪れる人たちも。海外ナショナルチームが東京オリンピックに向け岡山市にも訪れていることが、市民に浸透している様子が窺えました。
地元の岡山後楽館高等学校の書道の授業に参加し、日本文化とふれあうとともに生徒と交流を深めました。
初めて手にする筆や硯に興味深々の選手たち。生徒より墨のすり方や、とめ、はらいといった筆遣いの基本を教わり授業スタート。普段書き馴れている「キリル文字」ではなく、日本の漢字に戸惑う様子でしたが、生徒の身振り手振りを交えた一生懸命な手ほどきを受け、筆遣いは見る見る上達。最後はそれぞれ思い思いの漢字を選び、色紙に書き下ろしました。一番人気は「愛」と「勝」。どちらも「レスリングの力の源!!」と教えてくれました。また、タイベ・ユセイン選手は、共にレスリングに励んでいるチームメイト、そして岡山とブルガリアの繋がりを想い「友情」という漢字を選んだと、とても嬉しいお話をしてくれました。
手ほどきした高校生は、「トップアスリートの集中力には脱帽」、「初めて筆を使ったとは思えない」と、選手との交流の様子を楽しそうに話してくれ、来年の東京オリンピックへ向け選手らへ応援メッセージを送りました。
小中学生を対象に、ブルガリアのコーチによるレスリング教室が開催されました。
ブルガリア選手を初めて目にした子どもたちは、髪型が綺麗、かわいいと大喜び。中には「また会えてうれしい!」と昨年に続き参加した子どもも。
ブルガリア式のウォームアップには、戸惑いの表情を見せていましたが、そこは子どもが大好きなブルガリア選手の出番。選手が優しくフォローしたり、ミニゲームで競争したりすると会場は次第に大盛り上がり。言葉は通じなくても、スポーツは世界の共通言語!みんなで笑顔溢れる時間を過ごしました。
参加した子どもは、優しく接してくれたブルガリア選手を身近に感じたので、「東京オリンピックでは絶対応援する!」と力強く話してくれました。こうしてブルガリアへの応援ムードが拡がることは、とても喜ばしいことですね。
オフの日に「おもてなし」として、岡山スポーツプロモーション機構主催による、備前焼土ひねり体験やドレッシング作り体験が催されました。
土ひねり自体が初めての選手たち。初めて手にする備前焼の土を不思議そうに見つめながら、先ずは作品をイメージ。思い通りにならない「ろくろ」に四苦八苦し、時折笑みはこぼれるものの、表情は真剣で試合そのもの。完成した作品は「筋がいい」と先生より合格点をいただき大満足していました。
ドレッシング体験では、とにかくスパイシーな味を追い求める選手たち。ブルガリアでは辛い味が好まれるとのことで、まだまだ辛くしたいとお店の人を驚かせていました。
着付け体験は今年も大人気。また、練習で友好を深めたIPU環太平洋大学の学生も一緒に参加しました。ブルガリアでも日本の着物文化は知られており、一度袖を通してみたかったと話す選手たち。それぞれお殿様やお姫様になりきり写真を撮り、決めポーズを取るなど大はしゃぎしていました。
続いて岡山後楽園を散策。岡山の誇る美しい景観や穏やかな時間に、選手たちは癒された様子でした。
昨年10月、ハンガリー(ブダペスト)で開催されたレスリング世界選手権において、ブルガリア代表のタイベ・ユセイン選手(62kg級)は日本代表の川井友香子選手に勝利し、見事初優勝を飾りました。その後、今年4月にルーマニア(ブカレスト)で開催されたヨーロッパ選手権では2連覇を達成し、世界ランキング1位になるなど、ブルガリア国内で東京オリンピックのメダル獲得が最も期待されている選手の一人です。日本人選手の強豪がいる階級で、東京オリンピックではメダルを懸けて戦う勇姿が見られるかもしれませんね。
また、岡山市は今回のキャンプ時に、ブルガリア共和国レスリング連盟と東京2020オリンピック事前キャンプ実施に係る協定を締結しました。
地元のIPU環太平洋大学はもちろん、キャンプ受入に尽力してくださった競技関係の皆様、交流事業で触れ合った市民も一緒になり、東京オリンピックへ向けブルガリア共和国への応援ムードを更に盛り上げて行きたいと考えています。
タイベ・ユセイン選手(左)、ミミ・フリストヴァ選手(右)
ブルガリアチーム
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