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平成21年度 第25回坪田譲治文学賞

[2020年5月25日]

ID:21125

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第25回坪田譲治文学賞

トーキョー・クロスロード

第25回坪田譲治文学賞受賞作
『トーキョー・クロスロード』(ポプラ社刊)
濱野京子著

選考経過

 第25回坪田譲治文学賞選考委員会は、平成22年1月26日(火曜日)午後3時から東京都千代田区平河町で開催され、選考委員会の五木寛之、高井有一、竹西寛子、西本鶏介(50音順・敬称略)の委員4名で行った。(立松和平氏は今回は都合により欠席)
 選考委員会で、平成20年9月1日から平成21年8月31日までの一年間に全国で刊行された単行本の中から、大人も子どもも共有できる優れた作品という観点から予備選考委員会を通過した候補作品4編を、一作ずつ慎重に審議した結果、濱野京子氏の『トーキョー・クロスロード』を受賞作品に決定した。

受賞者略歴

濱野京子

濱野 京子(はまの きょうこ)

1956年熊本県生まれ、東京育ち。
早稲田大学第二文学部卒業。
1999年毎日児童小説コンクール優秀賞、2002年同コンクール最優秀賞受賞。
主な作品に『その角を曲がれば』『フュージョン』(第2回JBBY賞受賞)『レッドシャイン』(以上講談社)
『ペンネームは夏目リュウ!』(日本児童文学者協会編/くもん出版)、『碧空の果てに』(角川書店)、『甘党仙人』(理論社)などがある。

受賞者コメント

 このたびは、坪田譲治文学賞をいただき、ありがとうございました。選考委員の先生方ならびに関係者の方々には心よりお礼を申し上げます。受賞などは遠い夢だと考えていましたので、お知らせをいただいた当初は、驚きと戸惑いの方が大きいのが実情でした。
 けれども、時とともにじわじわと喜びがこみあげてまいりました。といいますのも、この賞が「大人も子どもも共有できる世界」を描いた作品を対象としており、それはまさに自分なりに目指していたものだったからです。
 過去のすばらしい受賞作をみるにつけ身が縮む思いでおります。けれども、本は作家一人で作れるものではありません。お力添えいただいた編集者をはじめとする出版社のみなさん、励ましてくれた友人たちと喜びを分かち、その喜びを力に変えて、賞に恥じないものを書いていけるよう精進したいと思います。

作品の概要

 中学時代好きになった月島耕也が忘れられず、いつも「そこはかとない悲しみ」を抱えている栞。彼女には誰にもいえない休日の趣味がある。
 眼鏡をかけて、変装をして、ダーツであたった山手線の駅を探検すること。  
 自分のことを誰も知らない街を、気の向くままにぶらぶらする楽しさ。内緒の休日が彼女の平和な高校生活の刺激になっていた。そんなある日、当の耕也に遭遇し、一気に距離が縮まるかと思いきや、彼は栞の親友とつきあってしまい……。
 喪失感を抱えた高校生の栞は、「東京」という街の中で、友人と関わりながら、街から彼、友人、そして自分自身へとまなざしを深め、少しずつ自己を浮き上がらせていく。
 今見ているこの景色も、同じものには二度と出会えない――切なくもみずみずしい高校生活を描いた青春小説。
(解説:ポプラ社 編集担当)

選考委員 西本鶏介氏(児童文学者)のコメント

 いささかクラシックだが、現代の青春小説として、さわやかな読後感が残る。幼すぎたり、背伸びをしたりしながら成長していく若者の恋愛感情が誠実に描かれ、二人が次第に近づいていく書き方がうまい。出番は少ないがサックスを吹く少年の魅力も忘れがたい。見知らぬ駅で下車して歩いていくところも面白く、町のにおいや風景など、今日の風俗をたくみに取り入れている。25周年の賞にふさわしい作品として今の子どもに読んでほしい。

お問い合わせ

市民生活局スポーツ文化部文化振興課

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電話: 086-803-1054 ファクス: 086-803-1763

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