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令和3年2月15日市長記者会見

[2021年2月15日]

ID:28212

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令和3年2月15日市長記者会見

  • 令和3年度当初予算(案)について

令和3年2月15日市長記者会見資料

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市長記者会見動画

令和3年度当初予算(案)について

令和3年度当初予算(案)について説明する大森雅夫岡山市長

 皆さん、おはようございます。
 今日は、令和3年度当初予算(案)についてご報告を申し上げたいと思います。
 通常の会見より少し長くなると思いますので、よろしくお願いをいたします。
 まずは、来年度でありますけれども、私の市長2期目の集大成の年でもあります。また、第6次総合計画長期構想に基づく都市づくりの方向性を示す前期中期計画の実績を踏まえて、現在策定中の後期中期計画のスタートの年でもあります。しかしながら、新年度予算を考える上で最大の課題は、新型コロナウイルスの感染拡大の防止であります。昨年4月に全国に発せられた緊急事態宣言以降、一時的な減少はあったものの、秋から冬にかけて感染が再拡大しました。岡山市においても、年末年始をピークとして連日感染者が発生しておりますが、現時点での発生は低く抑えられているところであります。引き続き油断することなく、感染状況を注視していきたいと思います。

 「令和3年度当初予算(案)のポイント」の1ページをご覧いただきたいと思います。
 この未曽有の事態は、岡山市の財政に大きな影響を与えるものとなりました。最も大きな影響があったのは市税収入であります。マイナス56億円の減収になりました。個人所得や企業収益の減少などが主な原因であります。一方で、医療、介護などの社会保障関係費は増加が避けられない状況であります。一番下を見ていただきますと、扶助費と繰出金というのがあります。合わせると、事業費ベースで46億円、一般財源で18億円の増となっております。新年度予算の編成にあたって、そうした厳しい状況においても新型コロナ対策に万全を期す。そして、各分野の重点政策を着実に実施すること、これが1点目の我々の柱でありました。
 2点目としては、今後のコロナ感染症対策の財源を確保し、臨機応変に対応できるように備えること。この2本の柱をベースに、予算編成当初から事業の見直しや歳入の確保などに注力をしてまいりました。
 具体的に何をやったかということでありますが、3点ございます。
 1つは、シーリングにより、経常的経費の圧縮を図りました。約20億円が削減されました。
 それから、2つ目でありますが、大規模事業などの進度を調整させていただきました。先ほど発表をいたしました、桃太郎線LRT化の検討の中断などもその一つであります。
 3点目は、有利な財源の活用であります。この3点目が、この予算を最終的に編成する上で非常に大きなものになったと思います。合併推進債の適用の延長が国において認められたということが大きな材料になりました。
 1つには、岡山芸術創造劇場なのでありますが、延長に合わせて予算を平準化することができ、令和3年度の予算計上額を大幅に抑制いたしました。また、新庁舎整備も先日この場でお話し申し上げましたが、イニシャルコストとして120億円の一般財源を要すると、全体は289億円ですけども、一般財源として120億円必要としていたものを34億円に縮小することができました。計86億円の圧縮が可能になったわけであります。したがって、令和3年度予算からこの成果が利いてきており、90億円の基金があったわけでありますが、そのうち3億円を活用することも可能になったわけであります。この3点を動かして、我々としては収支不足を圧縮することに努めた結果、財源調整のための基金取り崩しは昨年度と同額の70億円に抑え、そして庁舎整備基金の取り崩しと合わせて、73億円にとどめることができました。

 「令和3年度当初予算(案)のポイント」の2ページをご覧いただきたいと思います。
 上の基金のところに取崩額というのがあります。平成31年、令和2年と70億円にしております。令和3年も70億円であります。庁舎整備基金90億円からこちらのほうに3億円を持ってくることができたので、全体の取崩額は73億円になっております。ということで、令和2年と令和3年の基金残高は、ほぼ同額を確保することができたわけであります。後でコロナウイルスの感染症対策のところでも申し上げますが、こういうふうに基金を持っていく、たしか35億円ぐらいの一般財源を令和2年度に新型コロナウイルス対策へ投入したところでありますけれども、我々としては、相当弱っている経済等々に対しての対策をこういう基金を持つことで柔軟に対応できるようにさせていただくということであります。
 したがって、こうした工夫を得て、新年度予算が新型コロナへの対策をしっかり行うことで、市民生活や地域経済の未来を守り、そして岡山市の目指すべき将来の都市像に向けた様々な重点施策を着実に実施することで、未来を拓く予算となっております。
 予算の規模でありますが、1ページ目にありますように3,441億円、8億円の増、率にして0.2%の増であります。過去最高額の一般会計予算額となっております。特会、事業会計を合わせると6,132億円、1.6%の増であります。
 歳出のところで特に、普通建設事業費の減額が出ておりますけれども、これは私立保育園建設費補助金21億円の減や、北長瀬みずほ住座完成に伴う7億円の減、そして2月補正予算へ前倒し予定の道路整備事業など、約25億円によるものであります。
 次に、市債残高でありますが、これが2ページ目の下であります。全体が伸びておりますけれども、臨時財政対策債は全額国による補填があるものでありますので、通常債をベースに見ていただけばと思います。いわゆる通常債の借入額は265億円ということになっております。前年度274億円と比べ9億円の減少であります。主な要因としては、先ほどの普通建設事業費の減ということと、岡山芸術創造劇場の予算の平準化が図られたということが大きな要素となっております。
 なお、小さな字で分かりづらいかもしれませんが、市債残高の下の右の2つ目マルのところでありますが、この市債借入れにおいても、合併推進債などのできるだけ交付税算入率が高い有利な市債を活用することによって、交付税算入がない市債と比較して68億円の一般財源縮減を図るなど、将来の財政負担を抑制しているところであります。
 ちょっと分かりづらいかもしれないですけど、例えば合併推進債の、これは一つの例としていくと、全体が100あるとしますね。100の事業のうち90、90%がこれは起債対象にはなるんです。この起債対象、ただ起債額はある程度膨らむんですが、そのうち半分が国から補填されるというようなことで、非常に有利な形になっています。もちろん通常の起債には国からの補填がないものもあるし、物によっては何%というふうに決められているんですが、合併推進債自体が非常にその点有利な形になっているということであります。
 今後も公共施設等の老朽化対策や再整備などにより、借入金の増加が見込まれてまいります。引き続き有利な財源、これは合併推進債だけではありません。様々な起債があるわけであります。そういったものを活用しながら借入額をコントロールしていきたいと思います。
 全体として、岡山市の財政状況というのはどうなのかというのが気になるところでありますが、市債残高の下の「参考」というところを見てください。ここに書いていますように、主な財政指標では、政令市中おおむね上位を維持しているところであります。
 今ざっと申し上げた点が、今回の予算を編成する上で最も気にしながら、イメージを持ちながらやったところであります。全体としては、持続可能な財政運営の健全性に配慮できた予算になったのではないかなと思います。
 続きまして、主な施策・事業を説明いたします。
 まずは、令和3年度における新型コロナウイルス感染症対策についてですが、市内の感染状況を踏まえながら、感染拡大防止や新しい生活様式への取り組みに切れ目なく注力しつつ、地域経済や市民生活への支援などに必要な予算として、約16億円を編成しております。また、国の第3次補正に呼応して、令和2年度2月補正予算へ前倒す事業として、従来からのPCR検査態勢の継続、児童福祉施設等の感染拡大防止対策など12億円を予定しております。さらに、令和2年度2月補正予算では、それ以外にワクチン接種、上記関連経費など約50億円の追加予算を策定しており、合わせて78億円の予算を予定しているところであります。
 
 そちら(別冊資料2ページ)を見ていただきたいと思うんですが、令和2年度新型コロナウイルス関連予算と財源ということでありますが、全体は862.9億円、そのうち単独分として106.7億円が支出されています。交付金を除いても34.5億円、これが一般財源の額になるわけですけど。令和3年度は、どのような状況になってくるか分かりませんけれども、実は国の3次補正によって、我々は交付金23億円をいただいております。23億円というのは、これからもこのコロナ対策に使える予算であります。
 それで、23億円と、先ほど言った財政調整基金などを駆使しながら、あと繰越金なども出てくると思います。そういったものを駆使しながら、これからのコロナ対策、経済対策等々に活用していきたいと思っているところであります。
 次に、「未来を拓く」ということでありますが、街を楽しむ分野について、全体像を説明させていただきたいと思います。回遊性が高く居心地のよい、歩いて楽しめるまちづくりを進めていくため、県庁通り1車線化、西川の歩行者天国、路面電車の岡山駅前広場乗り入れなどに取り組んでおります。まちなかに多様な魅力やにぎわいが広がったと実感しているところであります。
 こうした中、令和5年夏頃開館に向けた岡山芸術創造劇場の整備が進み、プレ事業では表町商店街や市民と協働した場が展開され、民間の参画したにぎわいづくりの動きが活発化してきております。また、旭川を活用した民間による様々なにぎわいも興ってきているところであります。こうした幅広いにぎわいや魅力を面的に広げていきたいと考えており、特に歴史文化資源が集積する旧城下町エリアや、商店街や旭川河畔も踏まえながら、にぎわいを高めていきたいと思います。
 
 個別の事業(別冊資料3ページ)に入りますが、ちょっとその前に。今回、少し新しい言葉としてこの「旭川河畔のにぎわい」という言葉を用意させていただきました。岡山城、後楽園、そしてこういう後楽館跡地も含めながら、岡山城周辺も大きく動いてきています。そして、鶴見橋の西側の整備も、国土交通省を中心として動いてきているということとともに、劇場の整備、そして民間による様々なクルーズの動き等々があり、ここの旭川河畔と、今まではこの歴史ゾーンと言っていましたけども、もう少し広くこれを捉えたほうがいいのではないかというような意見があり、旭川河畔のにぎわい、旭川河畔整備構想といったものを考えていくべきではないかということが部内で議論され、こういう表現をさせていただいたところであります。
 岡山芸術創造劇場ですが、現在、本格的に建築工事が開始され、徐々にその姿が地上に現れているところであります。令和3年度には、公益財団法人岡山文化芸術創造を中心として、開館記念事業等の企画を行うとともに、プレ事業として演劇等の公演や、旭川河畔を含む旧城下町エリアのまちづくりもテーマにした地域連携イベントなどを展開しながら、劇場の誕生を市内外に向けて積極的に発信し、開館に向けたわくわく感を高めていきたいと思います。県庁通りの1車線化については、市役所筋から西川緑道公園筋までの区間がこの3月末に完成いたします。引き続き、柳川筋までの区間の整備を行い、来年度末には、予定している区間の全てが完成する予定であります。居心地のいい憩いに満ちた空間を創出したいと思います。
 また、路面電車の乗り入れを含めた岡山駅前広場整備ですけれども、路面電車の岡山駅前広場乗り入れについては、これまで詳細設計を進めてきたところであり、来年度からは駅前広場の本格的な工事を実施したいと考えております。
 次に、高齢者・障害者の運賃割引事業であります。
 これは3年間、バスの事業者の皆さんと議論してきたところでありますが、運賃割引については全社やりましょうということになりました。具体的には来年度の10月をめどに高齢者・障害者を対象として、路線バス、路面電車の運賃を半額とする割引を全額市の負担で実施いたします。

説明する大森雅夫岡山市長

 次に、岡山城の魅力アップと周辺エリアの賑わい創出(別冊資料の4ページ)であります。
 岡山城では、来年度から天守閣等の大規模改修を行い、魅力を高めていきます。さらに門や櫓、石垣の復元等により、史跡としての価値も高めてまいります。
 全面的なリニューアルを行うわけですが、特に展示については、磯田道史さんに監修をしていただき、今準備を進めています。岡山の歴史を分かりやすく、また宇喜多秀家公、池田光政公、綱政公など、城主等の思いや息遣いが伝わる展示としたいと思います。
 また、これまでも夜間の利活用として貸し出しを行ってきたところでありますが、少し狭いという意見がありました。このスペースを拡大するなど、より使いやすく改修いたします。
 この6月から天守閣は休館といたします。令和4年11月のリニューアルオープンを目指しているところであります。さらに、国指定の史跡として、文化財としての価値を高める事業にも着手します。今年度整備を行っている供腰掛の整備に加え、来年度から岡山城本丸の正面の入り口に当たる内下馬門、太鼓櫓を江戸時代の姿に復元するための調査に着手します。これまで岡山城で行ってきた事業としては、再建後最大規模の復元となり、完成後は岡山城の印象は大きく変わるものと考えております。岡山城下の段の西側にある石垣の修理や復元も行います。明治以降に埋められてしまっている内石垣の復元や、石垣上の櫓や塀を整備してまいります。
 先ほど言った周辺エリアの話でありますが、旭川右岸の出石地区において現在施工中の堤防拡幅工事が、本年夏頃までには完了する見込みであることから、工事完了後、堤防上の空間を活用した賑わい創出と、回遊性向上に向けた取り組みについて、社会実験を行います。今年度より石山公園に仮設のオープンカフェを設置していますが、引き続き地元や商工会議所等と連携し、このエリアの魅力向上や賑わい創出に資する、民間主体の様々な取り組みを進めていきたいと思います。
 さくらみちについては、桜の植え替えにより桜並木の保全を図っていきます。

 周辺エリア(別冊資料5ページ)でありますが、地域振興基金が35億円あったわけですが、これを平成30年度から活用し、コミュニティビジネスを中心としたこの未来づくり推進事業というのを実施してきました。9件のプロジェクトがあり、特産品とか空き家とか、こういうことに活用した事業が始まっているところであります。しかしながら、コミュニティビジネスだけでは十分ではないのではないかというご指摘もあり、私も、やはりこの活用が十分に進んでいっているとまでは言えないと思っておりまして、新年度から、この活用対象を経済・産業の振興、地域の歴史・文化の継承、生活機能サービスの維持・向上に資する3分野に拡大し、毎年約3億5,000万円を上限に取り崩していき、全庁的な検討のもと、様々な施策を追加的に検討していきたいというように思います。
 具体的な事業は下に書いてあるとおりでありますが、この中で1つだけちょっと言及させていただきたいのは、生活機能サービスの維持・向上であります。これは犬島もありますけど、この生活交通の維持、先ほど来説明してきたところと連動しているんですが、中心部の活性化は大分なされてまいりました。しかし、この中心部を利用するというのは、中心部に住んでいる人だけじゃない。当然ながら、様々な人に活用していただく、これが重要であり、先ほど申し上げた、例えば周辺部とを結ぶバスの高齢者・障害者の割引も、(中心部へ)来やすくするという面でそう。使いやすくするということがあるわけであります。もう一つには、周辺部に住んでいる人たちも、気軽に商店や診療所に行けるような、こういうものを作っていかなければならない。やはり生活交通で地元負担に悩んでおられる人が多いということで、今回地元負担の軽減を図らせていただく。これも、基金を使ってさせていただくということを言わせていただきました。

 次に、日本遺産活用推進事業(別冊資料6ページ)であります。
 造山古墳群内にある千足古墳の整備を引き続き行う。石室につながる見学通路も整備します。行かれた人はお分かりだと思いますが、石室が間近で見えると随分ぞくっと感じられると思いますので、ぜひ行っていただきたいと思います。
 また、ビジターセンターの活用、そして令和4年度に開催されるデスティネーションキャンペーンを見据えた古代吉備の遺産群や、その周辺の足守地区を結ぶ周遊バスの催行、また水攻めで有名な高松城址の歴史的価値を可視化するVR映像を制作するということであります。
 今回、また人事のときにも申し上げたいと思うんですけれども、1つ注視したのが文化財と観光の融合であります。もちろん観光は様々な側面があるわけでありますけども、何度か申し上げたことがありますけど、観光はどういう意味かというと、光を観る、その光とは何かというと、これは中国の四書五経の中の易経に書かれてあるものなんですけども、光とは文化、風俗のことであります。やはり岡山の歴史を伝えていく、岡山の文化を伝えていく、こういったことが非常に重要なわけでありまして、私は文化財と観光を融合していく、そういうことが重要だろうと整理しているところであります。

  次に、待機児童対策(別冊資料7ページ)であります。
 待機児童は着実に減少をしてきております。こういう数字です。ちなみに昨年の10月は157人まで下がってきました。ただ、保育士不足がまだ問題になっております。こうした状況から、令和3年度の予算ではここに書いてあるような確保策を継続いたします。
 今回の予算というのは、これは担当から話があったんです。特に園長会で話があったということなんですけれども、こういう4点を継続する。令和4年4月に待機児童ゼロを目指しているわけでありますけども、単純に令和3年度は継続するとなると、令和4年度がどうなるか分からない。したがって、令和4年度に入っても保育士に入ってもらうためには、令和4年度も継続するということのメッセージが必要だという話があり、我々としてもそうだというように思い、令和4年度もこれを継続するということをここに申し上げたいと思います。

 次に、子どもの貧困対策(別冊資料8ページ)であります。
 この新型コロナウイルスは様々な影響を与えていますが、やはり貧困という問題をよりクローズアップさせたということは間違いないだろうと思います。新型コロナウイルスの影響により収入が減少し、寄り添いサポートセンターへの相談や、生活福祉資金の特例貸付けを受ける世帯は大幅に増加しております。もともと生活基盤が弱い困窮世帯に、コロナの影響でより厳しい状態になっていることが想定されるため、次の3点について支援の拡充を行っていきたいと思います。
 まず1点目、支援団体への支援でありますが、困難な状況において、社会全体で支えていくことができるよう、コロナ禍で課題解決に取り組む市民団体への助成金交付を継続する。また、岡山市の社協が実施する子どもの居場所づくりや、親子応援メールが必要な支援につなげる仕組みとして重要であります。そこで、市社会福祉協議会に地域で子どもの貧困を支援する仕組みづくりを推進する調整担当を配置できるよう支援します。
 2点目、保護者、家庭への支援であります。
 ひとり親家庭、とりわけ母子家庭は非正規雇用の割合が高く、コロナに係る失業、休業等の生活への影響は大きいところであります。そこで、非正規で働く女性を対象としたセミナー、相談会を新たに開催し、安定雇用を促進していきたいと思います。
 母子世帯の子どもで養育費を受け取っていない割合は約70%に上ります。離婚時の公正証書等の作成に係る経費を補助し、養育費の履行確保を支援することで、子どもの将来にわたる生活を確保していきたい。併せて、食料品や生活用品などの生活支援について、こども食堂やフードドライブ、コミュニティフリッジ等の食材提供など、緊急的な活動への支援を継続していきます。
 3点目、最後ですが、子ども自身への支援であります。
 困窮世帯の子どもたち、学習の格差が広がることが懸念されます。そこで、ひとり親家庭、生活困窮家庭を対象に、これまで集合型で実施していた学習支援に加え、家庭への訪問やタブレットを使った遠隔での支援を実施し、コロナ禍でも学びの支援が行き届くように強化していきたいと思います。

 次に、教育の問題(別冊資料9ページ)であります。
 現行の総合教育会議で決めた大綱でありますが、学力においては基本的に一言で言うと全国並みにはしなければいけない。この前提としては、全国に比較して、子どもたちの学力が相当劣っていたということがあります。これは、子どもたちが一つ一つ物事を考え、自分たちで判断をし、自分たちの将来、未来をつかんでいくということになかなかならないのではないかということで、まずは全国平均にしていこうというところに焦点を当てました。そういう面では、令和元年のこの指標を見ていただきますと、おおむね全国平均には到達したところであります。
 現在、これからの5年間、どういう子どもたちを育てていくのかという方針を総合教育会議で議論をしているところであります。ただ、ここで見ていただきますと、中学校の英語だけがやはり全国に比べて劣っております。読むこともそうなんですが、特にリスニングがよくないんです。新型コロナウイルスの関係もありますが、グローバル化自体はこれからも避けることができないわけであります。そういう面で、リスニング用、またこれもスピーキングにもつながってきますので、そこの対策をきちっとやっていこうというのが今回であります。
 全ての小・中学校で、学習者用の英語デジタル教科書を導入し、子どもたちが主体的に英語の発音を繰り返し聴いたり、練習したりできるようにして英語力のアップを図っていただきたいというように思います。私も聞きましたが、こういうのが自分の中学校時代に聴けていたら、もう少し発音がよくなっていたんじゃないかという感じがいたしました。

 次に、産業振興(別冊資料10ページ)であります。
 創業・起業の裾野を拡げるため、令和元年8月に開設した「ももたろう・スタートアップカフェ」を拠点として、市内外の多様な人々の創業・企業を引き続き支援します。創業に必要な資金調達のための新たな支援として、独創的なビジネスアイデアの事業化の初期費用への補助や、クラウドファンディングに係る手数料の補助を実施いたします。
 また、中小企業支援として、人手不足の深刻化やデジタル技術の進展への対応を支援するIoTやAI等の先端技術導入支援事業について、技術導入前の事前検証等の支援を行っていますが、来年度はさらに、事前検証等で導入効果が立証された設備への導入支援を行っていきます。
 また、企業誘致については、今年度からITデジタルコンテンツ産業等推進事業補助金を設けていますが、この分野のさらなる企業誘致を進めていきたい。また、立地へのインセンティブを高めるため、企業立地促進奨励金において、機械設備投資など補助対象を拡充するとともに、本社・中四国支店等立地推進事業補助金において、市内本社企業に対する補助対象を拡充いたします。加えて、サテライトオフィスの設置支援として、IT、デジタルコンテンツ分野の事業所や、本社機能の一部を有する事業所の設置に対する支援内容を拡充いたします。

 地球温暖化対策(別冊資料11ページ)であります。
 2月2日、2050年二酸化炭素排出実質ゼロ宣言を行いました。岡山連携中枢都市圏の7市5町と共同で行ったわけであります。従来行っている啓発事業や補助事業に加え、令和3年度はゼロカーボンの実現に向けて、産官学や岡山連携中枢都市圏の市町による研究会を設置いたします。新たな取り組みについての調査研究を行っていきます。また、再生可能エネルギーの有効活用に向け、固定価格買取制度が終了した住宅の太陽光発電設備に対し、蓄電池の設置補助を新設するなど、補助事業を充実します。脱炭素を見据えた取り組みとしては、今後新庁舎のZEB Ready化や新庁舎等の公共施設に、可燃ごみ広域処理施設等で発電した電力を送り使用するほか、プラスチックの分別回収、リサイクルの準備を進めます。
 デジタル化(別冊資料12ページ)でありますが、まずこの取り組みについては、市民サービスの向上を目指し、区役所等の窓口のスマート化やキャッシュレス決済を推進します。これにより窓口の混雑が緩和されるとともに、窓口に来なくてもサービスが利用できるようになることが期待できます。
 地域社会のデジタル化支援では、GIGAスクール構想の円滑な実現を図るため、児童・生徒の情報活用能力を育成するための人材配置を行います。また、高齢でスマホの操作などに不安を感じている人などを対象に、今年好評であった公民館での講座を引き続き実施いたします。

 次は、ポジティブヘルスオカヤマ(別冊資料13ページ)であります。
 令和2年度は、一昨年のG20岡山保健大臣会合開催のレガシーとして策定した「ポジティブヘルスオカヤマ」の実現に向け、具体的な取り組みに着手する初年度として、様々な事業を本格的にスタートさせたところでありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、事業の縮小を余儀なくされております。フレイル健康チェックでは、今年度の参加目標5,000人に対し、昨年12月末現在で2,456人とおおよそ半数の参加にとどまっております。
 現在、3密回避等の感染防止対策を講じながら、可能なことに取り組む中で、それまで萎縮感のあったウォーキング等の健康活動も再開されはじめております。また、現在ワクチン接種という新たな局面へ動き出しているところであり、接種が進めば新型コロナに対する不安感も少しずつ緩和していくのではないかと思います。新年度は可能なものから取り組みを進めていきたいと思います。
 新たな取り組みですが、一つご紹介いたします。
 岡山市の障害者相談支援の司令塔となる、岡山市障害者基幹相談支援センターを新たに設置いたします。私も関係者からお話を聞きましたが、早急につくってほしいということをおっしゃっていました。内容を聞いて、本当にそのとおりだと思ったところであります。経験豊富な相談支援専門員を配置し、医療的ケアや高度障害など医療連携が必要なケースについて、より専門性の高い相談支援体制を実現するとともに、市内の相談支援事業者へ研修や助言、指導を行っていきます。

 各論は最後です。
 下水道、河川等(別冊資料14ページ)でありますが、岡山市は広大なゼロメーター地帯が広がる岡山平野に位置し、度々浸水被害を受けております。特に平成30年7月豪雨では、7,000棟を超える家屋被害が発生しました。この豪雨被害を受けて、岡山市浸水対策基本計画を見直し、甚大な浸水被害を被った今保、横井、津島を浸水対策の重点地区に追加し、対策を前倒しし、実施いたします。北区今保地区については、令和5年の梅雨時期までの供用開始を目指して、令和3年度より本格的に今保・白石ポンプ場の2か所のポンプ場の工事を進めてまいります。また、北区横井、津島地区については、既存水路の流下能力等の調査を行い、今後ポンプ施設の設置や能力向上など効果的な対策を検討いたします。

 最後に、予算案のポイントの資料の最後、6ページでありますが、市長査定項目を見てください。12項目ございます。
 先ほど説明いたしました各分野の事業を中心に現在直面する課題を踏まえ、ぎりぎりまで議論を重ねた結果、この機を捉えて行うべきものと判断いたしました。
 実は、私8回目のこの市長査定、予算でありますけれども、職員は、最初に比べると非常にポジティブにものを動かしていただいているような気がします。様々な要求の中で、そういう職員のやる気というか、それを如実に感じ取ったものであります。
 その中で3つ上げるとすれば、一つはやはり3年間の紆余曲折がございましたけれども、バス事業者等々と議論した公共交通の高齢者、障害者の運賃割引であります。
 もう一つは、やっぱり周辺地域をどうするか、これは2回目の選挙のときに多くの人からご指摘のあった点でありますが、コミュニティビジネスをやっているだけでは十分ではないということで、年間3.5億円を上限として活用していこうという周辺エリアの活性化対策であります。
 3点目でありますが、CO2の排出実質ゼロ宣言を踏まえた調査研究を行うということであります。実は、これはある会派と議論をしていたときに出てきた話でありまして、それと共に連携中枢都市圏の各市長さん、町長さんと話している中で、我々がリーダーシップを取っていかなければいけない、それぞれがもちろん、それぞれの施策を考えていっていただくわけですけども、そういう市長さん、町長さんと一緒になって新しい何かの取り組みを考えていかなければならない、そこには産業界、そして有識者も一緒になってやっていく、こういうベストなる研究会が必要だと認識しまして、これを新たに入れさせていただいたということであります。
 これで予算の説明は終わります。

  あと一点、福島県沖の地震がございました。震度6強までの地震であったというように聞いております。被害を受けられた皆さんに対して、本当にお見舞いを申し上げたいと思います。現在、危機管理等に確認をしたところ、まだ指定都市市長会とか、そういったところから我々への救援要請は出てきておりません。今後の状況に応じて、我々としても前向きに常に対応していきたいというように思っております。以上です。

質疑応答

質疑応答に応対する大森雅夫岡山市長

○記者
 すみません、ちょっと冒頭のお話と少し重複する部分があって恐縮なんですけれども、今回の予算、一言で言うとどういう予算に仕上がったとお感じでしょうか。

○市長
 今まではこの予算名を積極的な名前にしていたんですけども、今回担当の局とも話をして、我々の今回の予算はやっぱりポジティブな面もあるけど、やはり未来を守っていく、こういう意味もあるのではないかっていうように感じ、「未来を守り・拓く予算」というようにネーミングをしたということであります。
 したがって、56億円の税収減は非常に大きい、社会保障費が必ず上がっていく、こういう中で、財政運営をどうしていくかというのが一番気を遣った予算であります。そういう意味ではシーリングも効きましたし、大規模事業の進度調整は、単年度はなかなかそれほど効くものではないですけど、ただ、これ将来的な不安というのは、ある面一部は払拭されています。
 3点目が、何といっても合併推進債が大きかったですね。先ほど言いましたけど、庁舎はイニシャルコスト289億円のうち120億円を、一般財源のところを34億円にとどめられたということであります。劇場も同じように、はっきりと総額は出ておりませんから何とも言えないんですけども、今回76億円を上げている。これをもし全額上げるとすると倍ぐらいにはなってくると、それが平準化で収められた。これが大きくて、基金をそこそこ確保することができた。こうなったときに、この未来を守るというのが余裕を持ってできる、こういう懐の深さを持った予算だろうと思います。そういう面で、今回本当に総務省には感謝です。以上です。

○記者
 市税の減収等、予算措置のご苦労があったかと思うんですけども、最終的に仕上がったこの予算、市長の目から見て評価というのはいかがでしょうか。

○市長
 もうこれしかないと言えるような予算だろうと思います。
 先ほども言いましたように、各職員は非常に積極的でありました。子どもの貧困なども、こういうことをやっていかなければいけないということをどしどし言っていただいて、ある面守るというところも、この先ほどの財源の話だけではなくて、様々なことからできたと思いますし、それから街なかを楽しむ、それから周辺の地域、そういったものの活性化もできたのではないかなというように思います。待機児童も、あと一踏ん張りのところまで来ましたし、充実した予算編成過程だったと思います。 

○記者
 ちょっと各論になるんですけれども、3年間の議論等もありました、高齢者、障害者の割引事業が始まります。再編も含めた公共交通への思いというのを改めて教えてください。

○市長
 まずは、避けて通れないものというのは高齢化であります。そして、人口減少もそのとおりであります。それらを踏まえて考えると、今までのように、全て自家用車で対応するというのは非常に難しいし、かつ自家用車で対応するということ自体が、人生においての楽しみというのを、自家用車自体に効用はもちろんあるんですが、一部捨てているというところもあるんだろうと思うんですね。そういう面で、街なかと周辺部を結ぶこの公共交通は、これからいっそう大切になってくると思います。そういう面で、3年間ずっとやってきたのはよかったと思います。
 最終的に、特にこの割引は、全事業者了解のもとで動くということになりました。適正化も、一部の企業は参加しませんけども、全体としては動かすことになってまいります。一定の安定は図られるのではないかなと思っています。路線の再編についても、事業者側から話があれば、積極的にリーダーシップを取っていきたいと思います。

○記者
 冒頭で2期の集大成の予算というふうにおっしゃいましたけども、かなり困難な状況下での予算編成になったと思います。市長の大変だったところ、それからどういった気持ちでこの予算編成に臨まれたのかという点をお伺いいたします。

質疑応答中の大森雅夫岡山市長

○市長
 「未来を守り・拓く予算」というところで、従来の7年間というのは、どちらかというと行け行けの要素が強かったと思うんですが、やはり今回は新型コロナウイルス対応を常に頭に置かなければならなかった。もちろん2月補正も、ワクチンほか相当額を予定しているところでありますけども、令和3年度に一体どういう状況になるかというのがよく分からないんですね。したがって、一定の余裕は持っておかなければならないわけで、そういう前提に立って、今回の予算編成をしたという意味で、一番頭の中に引っかかっていたということであります。シーリングでも20億円浮かせることができましたし、将来的な問題も、先ほどの大規模事業の進度調整でやることもできましたし、繰り返しになりますけど、合併推進債の影響も大きかったと思います。そういう面では、当初言っていた未来を守るという要素も十分できたのではないかと思います。
 あとは街なかですが、多くの再開発事業が動いています。それと併せて、駅前の乗り入れも本格的に動き出しますし、様々な旭川河畔の整備と申し上げましたけども、そういうものが動いている、こういう中で周辺部との連結、周辺部の活性化、いろんなものができたのではないかと思っています。
 それから、地球温暖化に関しても、都市圏全体のリーダーシップは取れているのではないかと思っていて、氷河が崩れて相当数の人が亡くなったというような報道もなされていますが、やはり温暖化による影響が大きいと思います。我々としても地球の一員としてやるべきことはやっていくという姿勢も示せたのではないかなと思っています。

○記者
 シーリング3%とありまして、20億円の圧縮予算を取られて、それからLRTを中断されるといったところもあります。そういう事業の取捨選択というのは、どういった観点で選択をされていったのでしょうか。

○市長
 シーリングは全体に経常経費、我慢するものは我慢ということであります。
 LRTに関していくと、これは我々の事情だけではありません。JR西日本が、経営が非常に厳しいという報道の中で、JR西日本側と相談をしながらやらせていただいた。これはもちろん、我々の財政状況も影響しているわけでありますが、ただあくまで中断でありますので、今後毎年、お互いが話し合って再開を議論していこうというふうになっていますから、結果的に予算にはプラスにはなっていますけれども、それは我々としては、やる前提で、その経費も頭の中に置きながら、これからも予算編成していかなければならないと思っています。

○記者
 最後に1点、「未来を守り・拓く予算」というふうな総合的なテーマはついているんですけども、市長自ら、この予算をもし仮に端的に命名するとすれば、何予算というふうに名づけられますか。

○市長
 それは難しいんだけど。
 この予算は何なんだろうということを関係3局、4局で、みんななかなかいい知恵がなくて、今までだったら飛躍していこうじゃないかとか、雄飛していこうじゃないかといった話になるんですけど、今回はちょっと違うぞという話で、政策局のある課長さんから、「未来を守り・拓く予算」だと言って、ここでみんながシーンとなったということなんです。だから、私としてこれを改めて命名するというのは無理ですね。

質疑応答に対応する大森雅夫岡山市長

○記者
 新型コロナ対策ですけども、特にどういったところに力を入れて、重点を置いて編成されましたでしょうか。

○市長
 今回は感染対策等々が中心ですが、実は今まで交付金を除いても、一般会計で35億円ぐらいの予算を出しました。合わせると100億円を超える単独分をやったわけですね。そういう面では、売上げが減少した中小企業等に20万円、10万円の給付をさせていただきました。これは非常に喜ばれたところであります。それから、12月、1月の消費喚起策では、12億円の予算に対して27億8,000万円の還元額になり、全体で147億円の効果があり、それなりに私は国の政策もありますけども、させていただいたとは思っています。
ただ、私のところにもまだ、今の惨状を訴えてこられる人は大勢おられます。そういう面で、この前も申し上げましたけど、やはり何らかの経済対策は必要だろうと思っております。できるだけ本当に早い時期にやっていかなければならないと思うんですが、それら経済界の声などを聴きながら、対応を考えていきたいと思います。

○記者
 新型コロナ対策に関してなんですけど、当初予算では15億円、そのうちの感染拡大防止ということで5億7,000万円を計上されています。また、ワクチン接種として、2月補正のほうで50億円を予定とありますし、大きな予算になります。そんな中で、昨日承認されましたので、新型コロナのワクチン接種というのが切り札というふうに言われておりますが、市長、それを受けてどのように今受け止めて、岡山市ではどのようなスケジュール感でされているか、分かる範囲で教えてください。

○市長
 ワクチンについては非常に期待しています。ただ、ほぼ毎日に近いぐらい情報交換はしているんですが、供給体制そのもの、供給スケジュールとかは、我々のところには来ていないと聞いております。3月にはもちろん、接種券を高齢者の人に送っていくというのは申し上げたとおりでありまして、4月からは具体的にワクチン接種に入っていく、そういう大きな前提の下で、詰めを行っているところであります。
 病院、診療所、そういったところを中心として、ただ集団接種会場もやはり必要だろうということで会場の手配、そしてお医者さん、看護師さん、そういった医療関係等の手配、調整を今行っているところであります。
 また、他の市町村との関係もどういうふうにしていくのが全体としていいのか、そういったことも議論しているというふうには聞いております。

○記者
 また、その中でワクチンに対して未来を守るというところで、未来を拓くというところで、産業とか観光振興にも新規事業が増えて、ある意味本当に先ほど市長が行け行けではないというふうにおっしゃったんですけど、これまでに比べて。ただ、やはり姿勢としては前向きな姿勢というのが非常に見える予算だと思うんですけど、同じような質問になってしまいますけれども、どのように一歩進むようなイメージでつくられたんでしょうか。

○市長
 今の質問をまずはありがとうございます。そういう要素を出しているつもりであります。観光に関しても、岡山城は完全なリニューアルになってきますから、そしてその一帯を含めた旭川河畔、これも観光には非常にプラスに働くと思います。文化財との融合もそうだと思いますし、やはりやれることはどんどんやっていく。財源を考えながらでありますけども、その姿勢は全く変わっていないつもりであります。
 私、結構重要なのはバランスだと思うんですね。この自治体の長として、やっぱりある程度長期にこういうふうにやらせていただいているときには、全ての市民の人々が、市政に対して一定の評価をしていただくように、表現がいいかどうか分かんないですけども、そういうものが私は自治体の市政なんじゃないかなというように思っております。今日はあまり皆さんの質問にはなってないですけども、障害者の問題もそうでありますし、福祉の関係もそうであり、子育てもそうであり、そういった全体の中で、それぞれの立場の人が少しでもよくなっていく、こういったことを考えてやらせていただいたところであります。ポジティブな面は全く忘れているわけではありません。

○記者
 観光と福祉だけではなくて、スタートアップ事業であったりeスポーツの産業であったり、新規事業への動きも非常に感じられるんですけど、そのあたりどうですか。

○市長
 eスポーツもどんどん伸びていますね。そういう新しい分野は取り入れていくべきだと思いますし、企業誘致も同じで、IoTの関係だとか、ああいうのも積極的にできるものはやっていけばいい。まだ発表できていませんけど、令和2年度の企業誘致は、今までと比べると若干落ちてきています。それはやむを得ないですね、物事が動いていませんから。ただ、今まで中四国の総支社や本社をつくるときの助成金をやった効果も大きく出ていますし、やはり産業というのは、我々が飯を食うというのは、古代からのベースとなるものでありますから、そこについても前を向いて動いていきたいと思っています。

○記者
 岡山城について数点教えてください。
 まず、岡山城の魅力アップの中で、内下馬門と太鼓櫓の復元をされるということで、まずここの内下馬門や太鼓櫓というところに着目した理由であるとか、先ほど観光や文化財の融合であるとかっていう話もありましたが、このたびの整備についてと、いつ頃の完成を想定されているのかを教えてください。

○市長
 文化財の関係のスケジュールは分かりませんから、後で担当に聞いていただきたいと思いますが、どういう考え方でやったかということを申し上げたいと思います。
 まず、岡山城は、耐震改修をやっていかなければいけないというのがベースにある。しかし、単純に耐震だけすればいいのではないかという話にはならない。したがって、先ほど申し上げましたけども、宇喜多秀家公のときにできているわけですね。それから、日本3大名君の一人という光政公もおられ、1700年のときにいた綱政公もおられると、こういう有名人がいるわけですよ。こういう人々の息遣いは、今の岡山城では何かちょっと分からないかと。これを、岡山の文化を今まで培ってきてくれた君主たちが、どういう思いでこの岡山城にいたのかというのを分かるようにしてほしいというのを実は先生にお願いしている、これが1つ。
 もう一つは、ユニークベニューとして、岡山城は結構評判がよかったんですけど、何せ狭いということで、もうちょっと人が入れるように、ゆったりと会食できるようにと、そういったことも入れていく。だから、これはこの今年の6月に工事を始めて、来年の11月ぐらいにはオープンする。
 もう一つ、一方で供腰掛みたいな、ああいう休憩所みたいな、この文化財もいろんなことをやってくれている。だけど、そこの連携というのはあまり取れていない。一言で言うと一緒にやろうと。それをどうやって世の中に発信していくのかということをやっていけばいいのではないかということで、文化財のと具体的な融合は、少し人事のところで申し上げたいと思いますけれども、一体化するようなやり方を考えていこうと思って、先ほど石垣の話だとか、櫓の話を申し上げたところであります。だから、スケジュールが完全に一致することはないと思いますが、特に文化財のほうは文化庁の予算という制約がありますので、一致することはないと思いますが、できるだけ一体化して表に出していこうということを考えています。

○記者
 今回復元される内下馬門も、ここはやはり岡山城の正面の入り口というふうに、どういった意味でここの門について復元ということを考えられたのか。

○市長
 後で文化財課に聞いてもらったほうがいいですね。我々もそんなことをやるなら、全体で観光資源としてやろうと言っているところであるので、多分あそこの供腰掛のあの施設と連動している話だと思いますが。

○記者
 やはりこれも文化財と観光の融合というような……。

○市長
 そうです。造山古墳も同じです。今、発掘をやっているでしょう。発掘をやっているのは文化財だけでやっている。それはおかしいではないかと。あの発掘を見るだけで全然違いますよ。日本語の観光というのは何かサイトシーイングみたいになってしまっているからよくないんだけど、昔の文化を知っていくという面で本当にすばらしいものですから、そういったものを味わってもらう。それを観光としてやっていくということではないかなと思っています。

○記者
 中心部のまちづくりについてなんですが、市長就任以来かなり力を入れてきた分野で、任期最後の年に一つの節目だと思うんですが、ここまでの中心市街地の感触と、あと先ほどバランスが重要だという話があると思うんですが、その中で中心部と地域をどうバランスを取るか、それについてどういうイメージを持っておられるか教えてください。

○市長
 中心部の様々な活性化に関しては、一つ一つの事業、相当苦労しました。1車線化も今は完全に軌道に乗っていますが、そこも様々な議論があったことは事実であります。劇場も同じですし、乗り入れも同じであります。しかしながら、ご理解も得て、最終的にはこういうふうに動いていくということで、これは多くの人に楽しんでもらえるものになっているのではないかなと思っています。
 先ほども申し上げたように、誰が楽しむのかというところが重要でして、もちろん中心部に住んでおられる人も楽しむことは間違いないんですけども、やはり多くの人、それはもちろん観光で来られた人もそうでありますけども、それだけではなくて、岡山に通勤、通学で来られている人、それから周辺部にお住いの人、特に周辺部の人は、今申し上げたようにだんだんと高齢化しております。そういう中で、公共交通などを使いながら、よく来ていただくようなそういうものを考えていっているところであります。ちなみに、劇場は岡山市にお住いの人と岡山市外の人も、利用料金は全く同じにしておりますし、この前も都市圏の会議では、どしどし使ってほしいという話を申し上げました。そういうことで、私が就任したときに、中心部は、例えば表町の商店街でも、ピークに比べると8%ぐらいしか人が出てない。この状況というのは変えていかなければいけないと思ったというのは、徐々にではありますけれども、動いているのかなと。今言った、公共交通で周辺部との関係もある程度できると思いますし、ただやはり周辺部は難しい。これは日本の縮図だろうと思います。ただ、岡山市の周辺部は、もっともっとこれだけの人口が背後にあるわけですから、もっと動く、動き得る。そこを今回の地域振興基金などを活用しながら、少してこ入れさせていただく。バランスとしては、そこそこ取れているのではないかと思っています。

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