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その14【当たり前のことを当たり前に~思いをカタチに~】

[2015年8月17日]

ID:40516

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「つながる!協働リレーコラム」では、岡山で活躍するNPO法人等の皆さんに、自分たちの活動や経験を通じて、「協働」に関して感じていること・考えていることについてコラムでご紹介いただきます。
※なお、内容は執筆当時のものです。

公益財団法人みんなでつくる財団おかやま 代表理事 石田篤史さん

プロフィール

1977年生まれ。立命館大学理工学部土木工学科卒業後、2000年岡山県庁入庁。公共工事のIT化に関わり、入札情報の開示や、成果物データベースの構築による情報の有効活用(CALS/EC)を推進する等、建設の分野におけるマネジメントを中心に担当しました。
またプライベートでは、2006年から社会参加の機会提供を目的に、「得意分野」で「期間を決めて」プロジェクト制で取り組む「SPOxT(スポット)」を設立。2012年3月に岡山県庁を退職し、同年5月から市民財団担当として、NPO法人岡山NPOセンターに入職。さらに同年9月28日(金曜日)に、市民530名の寄付をもとに「一般財団法人みんなでつくる財団おかやま」を設立し、2014年8月1日(金曜日)に公益財団法人の認定を受けました。
その他、岡山県観光特使、FMくらしき 縁join!!SPOxTパーソナリティ、公益財団法人佐賀未来創造基金顧問、NPO法人岡山NPOセンター理事、NPO法人みんなの集落研究所監事を務めています。

公益財団法人みんなでつくる財団おかやまの石田篤史さん

自分の希望する未来に、できることアクションしましょう!お手伝いします!

協働ってなんだろう?

「協働」という言葉を辞書でひくと≪同じ目的のために、対等の立場で協力して共に働くこと。≫と書かれていました。この言葉を、そのままとらえると協働って生活の中に当たり前にたくさんあるなと思います。

例えば、「重い荷物を運ぶ」時も色々な協働のパターンがあると思います。
大人の男性が二人いる時、一人では重くても二人で一緒に持って運ぶことでスムーズに目的の場所に移動させることができます。
他のケース、小学生の子どもと大人の男性がいたとしたら、一緒に持つのはアンバランスかもしれませんが、台車にのせて大きな荷物を大人が運び、小学生が、通り道で障害になりそうなものをよけたり、階が違えば、エレベーターの扉をあけたり、それぞれの役割を果たすことでスムーズに目的の場所に移動させることができます。

そんな風に、協働って深く考えなくても身近にたくさんあるものだと思います。
荷物を運ぶ時、
目的:どこに運ぶか

役割:できること・方法
が分かりやすく、それぞれができることに力を発揮することも容易にできるのだと思います。まちづくりでは、様々な目的やケースがありますが、協働の定義にある「同じ目的のために」を共有することで、それぞれできること・やることが違っても力を発揮することがしやすくなると思います。

「対等の立場」=「同じ労力」ではない

私は「ワンピース」という海賊のマンガが好きなのですが、その中で主人公たちは、グランドラインという航路を一周することを目的にしています。
最初は、主人公と剣士の二人の旅でした。やっぱり海に出るには航海士がいるなということで、航海士が仲間になり、旅にはコックがいるなということで、料理人が仲間になり、長旅の中では船の修理もいるなということで、船大工が仲間になりと、旅が進む中で仲間が増えていきます。

彼らの目的は「グランドライン制覇」ですが、一人ひとりのモチベーション(動機)は様々です。剣士は、世界一の剣豪になるために、料理人は、色々な魚がいる海を探すために、と個人個人の思いも持っています。しかし、皆「グランドラインを一周する」という共通の目的のために、それぞれができる能力を発揮していきます。そして、今のメンバーだけでできないことがあれば、目的のために必要なメンバーを仲間にしていきます。

私が関わったプロジェクトの中にも、色々な立場の人がそれぞれの役割を果たしながら事業を発展させているものがあります。

安心して生活する環境を守るために、「橋守サポーター」事業

橋守シンポジウムの様子
橋守の現場見学

橋やトンネルといったインフラが老朽化している状況を何とかしようと、建設業のOBの技術者で構成されたNPO(TEC.ECO再生機構)が「橋守サポーター」事業という取り組みを始めました。

最初は自分たちの技術を活かしてできることを始めようと点検マニュアルを作成し体験会を実施する等、団体単独の取り組みでしたが、それがだんだんと大きくなり、工業高校が授業で取り組んだり、その成果を行政が活用したりと広がり、活動を始めて約1年半が経った時に開催したシンポジウムでは、行政、学校関係、市民、建設業界から様々な人が参加して会場も満員になるという盛況ぶりで、土木業界の中で多くの人が知る取り組みに発展しています。またこの取り組みは直接の関わりだけでなく、事業を寄付で支援する形で様々な市民が関わっています。

目的:安心した生活環境を提供していく
問題意識:インフラの老朽化

  • 立場:モチベーション
  • TEC.ECO:技術を活かす
  • 市民:興味・関心
  • 高校生:学びの意欲
  • 行政:インフラの管理者として

一つのNPOだけの取り組みでは、2年間ではここまで活動が広がらなかったかもしれませんが、様々なセクターの人が、それぞれの興味・関心で力を発揮することで大きな事業へと発展していきました。

一人ひとりが当事者。対話と理解で、大きな力を!

協働のイメージ(有るべき未来をつくっていく)

  1. 正しく現状を認識し
  2. 地域の当たり前に(サービス・法律)、他の主体と協働して出来ること、自分たちの組織で出来ること、既に地域にある取り組みを生かして
  3. 目指すべき未来へ

一人ひとり性格が違えばできることも違います。自分が当たり前だと思っていることを相手が知らないこともあります。対話して、お互いのことを理解することで、対等の立場で協力し、それぞれができることをすすめ、そして大きな力になっていくと思います。

自分だけの力を超えて大きな力が発揮され、形となることはとても気持ちのいいものだと思います。岡山の地域にもそんな取り組みがたくさん増えるように、私も自分が地域の当事者であるということをしっかり意識して取り組んでいきたいと思います。
のっぷ

次は、認定NPO法人子どもシェルターモモの西崎宏美さんのコラムだよ!お楽しみに!