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その8【思いを共有し、互いの『できる』ことの尊重から】

[2015年2月9日]

ID:40434

「つながる!協働リレーコラム」では、岡山で活躍するNPO法人の皆さんに、自分たちの活動や経験を通じて、「協働」に関して感じていること・考えていることについてコラムでご紹介いただきます。
※なお、内容は執筆当時のものです。

NPO法人輝くママ支援ネットワークぱらまま・理事長の藤井弥生さん

プロフィール

岡山市在住。子どもを出産後、子どもを生んだ女性たち(ママ)が再び社会で職を得て働くことの大変さを経験。育児情報誌の仕事を通じて育児経験が仕事に活かせることを学んだ経験から、ママの社会参画をサポートするために「NPO法人輝くママ支援ネットワークぱらママ」(以下、ぱらママ)を立ち上げました。

NPO法人輝くママ支援ネットワーク・代表の藤井弥生さん

行政や企業、市民団体と協働してママたちの支援に取り組んでいます。今回は平成26年度市民協働推進モデル事業を例に、協働に対する思いをお伝えしたいと思います。

NPO法人輝くママ支援ネットワークぱらママとは?

働きたい女性(ママ)の社会参画を推進するために、コミュニケーションサイトや「女性のための多機能施設『BIOももの花プラザ』」を運営しています。

ぱらママが取り組む平成26年度市民協働推進モデル事業とは?

岡山市が、2014年5月に応募を開始した市民協働推進モデル事業(以下、モデル事業)。
この事業は、岡山市にある社会課題に対して、市の担当課と市民団体が協働することで、個々で取り組むより効果的に課題解決がすすむ事業を公募し、実施する制度のこと。チラシや募集要項を見たとき、正直一体どんな事業なのかイメージが湧きませんでしたが、「とりあえずいってみよう!」という気持ちで説明会に参加しました。

そこでこのモデル事業が、行政が資金を援助するだけで終わるのではなく、また市民団体だけが事業を実施するわけではなく、官民が協働して一緒に事業内容を考えて取り組むことができるものだと分かり、私たちぱらママも応募することにしました。

市の担当課とのマッチング

市民協働推進モデル事業の様子

スタートした市民協働推進モデル事業

市民協働推進モデル事業を申請するためには、事前に協働する担当課を見つけることから始めなければなりませんでした。分からない場合は、ESD市民活動推進センターに相談することもできますが、私たちは以前から面識のあった岡山市女性が輝くまちづくり推進課に直接働きかけを行いました。

女性が輝くまちづくり推進課の方々も、「来てくれると思ってました!」と積極的な姿勢を示してくださり、申請の準備に取りかかりました。幸いなことに、モデル事業の担当者も働きながら子育てをしている方だったので、ママたちをサポートしたいという思いを共有できました。

しかし、DV被害者のサポート等のように緊急を要する課題でもなく、男女共同参画を推進する一般的な啓発事業でもないこともあり、中々行政として取り組めなかった課題だったとのこと。
担当の方も支援の必要性を感じつつ、思いをくすぶらせていたようです。忙しい中でも話し合う時間をつくってくださり、お互いの思いを取り入れながら事業の内容や役割分担、事業の発展性まで内容をつくり上げていくことができました。

「働くママ力向上講座」

セミナーのチラシ

このように思いを共有し動き出したぱらママと女性が輝くまちづくり推進課のモデル事業「働くママ力向上講座」。
現在は、子育てをしながら無理なく働きたいママ20名が受講しています。
モデル事業に取り組むにあたって私たち自身が大切にしたいこと。そして、様々な団体との協働を考えている方々にもぜひ参考にしていただきたいことを2点お伝えしようと思います。

一つひとつの取り組みが、その後のビジョンにどのようにつながっていくか見据えること

セミナーでのビジネスマナー講習

セミナーでビジネスマナーを身につけました

世の中には様々な助成事業があり、ほとんどが年度ごと申請して助成を受けるものです。そのため助成を受けることができなかったら、活動できなくなってしまうような単発な取り組みになってしまうことがあります。
様々な事業を展開することももちろん大切なことかもしれませんが、事業を取り組むにあたって一つひとつの取り組みが、その後のビジョンにどのようにつながっていくか見据えて取り組むことが大切だと思います。モデル事業にいたっては、「税金を使っているので、市民にとって有意義な事業を実施する」という思いを念頭に取り組んでいます。

私たちも、「数年後にママを○名社会に送りだしたい」というビジョンを掲げ、初年度である今年は、ママの働くことに対する意識づくりに取り組んでいます。年度末には、さんかく岡山等での実践も予定しています。今後は行政の協力を得ながらママのはじめの一歩を応援する場を広げたり、セミナーのバリエーションを増やしママたちの個性や専門的な技術を伸ばせる場をつくったりしていきたいと考えています。
また、女性が輝くまちづくり推進課の担当の方も2名体制で取り組んでいただいており、異動等があった場合にも、事業を継続できるような体制をとっていただいてます。このように事業を一緒に継続できるような工夫から、安心感と信頼感をお互いに育むことができていると思います。

お互いの軸をぶらさないこと

参加者が語り合いう様子

ママたちは未来を語り合いました

協働して事業に取り組んだり、助成事業に申請したりするときに、各々が取り組んできた思いや活動の軸がぶれてしまうと、最初はよくても少しずつ方向性を見失ってしまうことがあると思います。
そのため協働して取り組む事業をゼロから考えるのではなく、活動の軸や思いを尊重した上で、それぞれができることを組み合わせて事業をつくり上げると、役割分担や活かせる専門性もおのずと明確になっていくことでしょう。

今回の市民協働推進モデル事業でも、女性全体ではなく「働きたいという思いを持つママへの支援を行いたい」というぱらママの思いや活動の軸を、行政も共感・尊重してサポートを行っていただいています。

色々とお伝えいたしましたが、協働を進めていくためには、まずは様々な人が集まる勉強会やワークショップに参加してネットワークを広げていくことをおすすめします。そうしていくとおのずと同じ思いを持って協働できるような人と出会うことになるのではないでしょうか。もしかしたら、ちょっとした好奇心と勇気から始まるのかもしれませんね。

のっぷ

次回は、NPO法人杜の家で活動する大森さんのコラムだよ!お楽しみに!