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その23【「視点を変えて!」柔軟に協働に取り組む】

[2017年1月24日]

ID:40585

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「つながる!協働リレーコラム」では、岡山で活躍するNPO法人の皆さんに、自分たちの活動や経験を通じて、「協働」に関して感じていること・考えていることについてコラムでご紹介いただきます。

※なお、内容は執筆当時のものです。

株式会社えくぼ代表取締役、岡山県学童保育連絡協議会会長、NPO法人フードバンク岡山理事長 糸山 智栄

糸山さん

プロフィール

1964年赤磐市生まれ。大学時代に出会った、子どもが豊かに育っていく環境を整える活動をしている「子ども劇場」に大学卒業後専従事務局員として就職。そのまま、学童保育、男女共同参画、女性支援、フードバンクなどの隙間の市民活動に熱心に取り組む。その後、退職してホームヘルパー資格を取得し登録ヘルパーに。2005年NPO法人による訪問介護事業所を開始、2012年株式会社に変更し、現在、株式会社えくぼ代表取締役。同時に、岡山県学童保育連絡協議会会長、NPO法人フードバンク岡山理事長、NPO法人オレンジハート理事長、岡山県中小企業家同友会理事(女性部長)を務める。

いろんな活動をやっているけれど…

今この瞬間に一番、社会的に注目されるのはNPO法人フードバンク岡山の代表としての私だと思います。「いろんな活動をやっていて、たいへんでしょう。」と声をかけていただきますが、実は、同じようなことを対象を変えてやっているのです。もっとも、一緒にやってくれているそれぞれの会のメンバーさんたちの柔軟性とスキルがあってこその活動です。
子ども劇場でやってきた「市民団体の事務局実務」を岡山県学童保育連絡協議会でそのまま使ったら、うまくいった。地元の地域運営委員会方式の学童クラブに保護者として関わっていたので、それをそのまま、訪問介護に当てはめれば、「利用料と公費で、働く人の給与を確保する」。それならと、「訪問介護で起業」に至りました。
また、学童保育だけでは抱えきれない子どもや保護者さんを支援するために「NPO法人オレンジハート」を、これまでの活動の中で「食」に関わる課題にたくさん出会い、そのネットワークを活かしていけばできるのではないかと考え、「NPO法人フードバンク岡山」をスタートさせました。当初NPO法人でスタートした訪問介護事業は女性支援の活動と切り分けることで、株式会社化しました。

低炭素杯2016

低炭素杯2016のファイナリスト(38/1996団体)としてプレゼン後発表を待つ。「審査委員特別賞」を受賞!

いろんな活動をやっているからこそ

株式会社の代表取締役になったことで、中小企業家同友会に入会し、企業経営者とのつながりができました。フードバンクを支援してくれる企業を探そうと同友会の環境委員会に所属したところ、環境委員会では中小企業の技術を活用した「環境ビジネス」等について学びあう勉強会をもっており、得た学びを地域と協働して実践しようと「学童プレハブ-6度作戦」が実現しました。
学童保育は、私が現役保護者として関わっていたころには、トイレがなかったり、施設がなくてギューギュー詰めだったりでしたが、今では環境整備が進んでいます。それでも、まだまだプレハブ施設で実施しているところがあり、夏は非常に暑く冬は非常に寒い。「そんな環境で子どもが過ごし、指導員さんが働いているの?」と、経営者の方のから指摘をいただき刺激になりました。当事者は完全にそのあたりの感覚がマヒしていたところでの投げかけだったからです。
この試みは、一般社団法人地球温暖化防止全国ネットの、多様な団体が地球温暖化防止に挑む多彩な取り組みの表彰制度「低炭素杯2016」の全国大会でプレゼンし、当初予定されていなかった「審査員特別賞」を受賞しました。また、倉敷市では施策に活かされ、「学童保育の施設」の質について大きな問題提起をすることができました。

「切り口を変える!」「視点を変える!」

私は、行政の縦割りは持ち味で、「多様性」を活かすことにもなると思っています。これは「先駆的で意味がある!」とか「さらに将来を見通して、これ!」と思うことは、「公平平等」「過去の実績」が命である行政、特に実際の担当課は正面から取り組みにくいものなのです。

そこで、切り口を変える!視点を変える!

フードバンクだったら、「生活困窮者支援」が難しければ、「環境」「廃棄物処理」「食育」「高齢者の生きがい」とかのいろいろなアイディアが生まれ、協働先も広がります。実績が生まれれば、担当課も取り組みやすくなる。「公平平等」のハードルを越えるためには「モデルケース」として実施し、実施しつつ、次年度のモデルを実行してくれる現場や部署を探し、巻き込んでいく。そんなおおらかな作戦も持っているといいですね。
行政で残念なのは、単年度決算であること。1年目のきっかけを補助事業や協働事業として開始できた後、何年かかけて実現したことがたくさんあるのです。感謝の言葉を伝えたくても伝える先がない。市長さんや県知事さんに伝えたらいいですかね。

今、この瞬間に

理学療法士のミーティング

作業療法士チームによる学童保育夏休みコンサル、子どもの様子を観察した後の指導員と作業療法士のミーティング

今は、「学童保育と作業療法士と連携をして、発達障害の子どもたちを保育する指導員さんをサポートする」という事業にまいしん中です。別のテーマで補助金申請したかったのを岡山市の窓口で相談したら、その時点からでも間に合うものを教えてくださり、結局、テーマを変えて採用され、全国に岡山旋風を巻き起こしております。これも視点を変えたからできたこと。今後の展開をご期待ください。

のっぷ

次はどんな団体に協働のバトンがつながるのかな?お楽しみに!