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その12【協働は一人ひとりの主体的な関わり】

[2015年5月13日]

ID:40488

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「つながる!協働リレーコラム」では、岡山で活躍するNPO法人の皆さんに、自分たちの活動や経験を通じて、「協働」に関して感じていること・考えていることについてコラムでご紹介いただきます。
※なお、内容は執筆当時のものです。

NPO法人岡山市子どもセンター 代表理事 美咲美佐子さん

プロフィール

岡山市在住。NPO法人岡山市子どもセンターが設立された2001年に専務理事に就任し、2006年より現職。
岡山市芸術祭実行委員会監事の他、岡山県冒険遊び場づくりネットワーク代表、NPO法人子ども劇場岡山県センター常任理事等を務めています。岡山市・NPO協働推進協議会にも参加しています。

岡山市子どもセンター・代表理事の美咲美佐子さん

子どもが豊かに育つ岡山市をつくるために、行政や様々な団体と協働しています。

NPO法人岡山市子どもセンターとは?

NPO法人岡山市子どもセンター(以下、子どもセンター)は、子どもが豊かに育つ社会づくりを目指して、「子どもの育ちを支援する事業」を多岐にわたって展開しています。
主な活動としては、子どもセンターの前身である子ども劇場から46年間継続している舞台芸術鑑賞事業や、2001年の法人化に伴いより公益的な事業として始めた夏休みフリー塾、プレーパーク、キッズフェスティバル等があります。

14年間の活動を通じて

子どもの体験活動の様子

子どもセンターの活動は、子どもから大人まで幅広い年齢のボランティアに支えられており、その数は年間でのべ約3,000名に上ります。例えば、イベントに参加していた小学生が中学生や高校生になってからもボランティアとして参加したり、大学生の時にボランティアとして参加していた人が子どもを連れて参加したりと、14年間活動を継続してきた手ごたえを感じています。

私自身、長年にわたる活動を通じ、社会課題を解決していくために、市民協働を推進する重要性や、市役所の様々な課と市民が同じ卓上で話し合うことの重要性を強く感じていました。そのため、2012年から始まった岡山市・NPO協働推進協議会にも参加し、岡山市とNPO等の協働を推進するために必要な施策や乗り越えるべき課題について議論してきました。

岡山市市民協働推進モデル事業

子どもセンターの活動の中心である「体験活動」は、子どもたちの「生きる力」を育むために非常に大切なことです。しかし、都市化、少子化、電子メディアの普及、地域とのつながりの希薄化といった社会変化や保護者の意識変化等により、子どもたちが体験活動に参加する機会が減ってきているといわれています。
そのような状況を解決するために、子どもセンターでは様々な活動を行ってきました。しかし体験活動を広めていくためには、保護者の意識等の現状をきちんと調査し、課題・目標を設定した上で事業を実施することが必要だと感じるようになりました。子どもセンターに関連する人を対象に調査を行うこともできましたが、結果に偏りが生じてしまう恐れもあり、なかなか取り組めずにいたのです。

そんな状況を打破してくれたのが、「平成25年度岡山市市民協働推進モデル事業」でした。
事業では、こども企画総務課と岡山市立中央公民館と一緒に、2014年1月から3月にかけて「自立する子どもを育むための体験活動調査」を実施しました。
岡山市の住民基本台帳から、小学校1年生から3年生までの児童がいる1000世帯を無作為に抽出しその保護者を対象にしたアンケートと、子どもの体験プログラムを実施している752の団体や施設を対象にしたアンケートを行うというものでした。

まさに協働そのもの

実施にあたっては、こども企画総務課と岡山市立中央公民館の担当の方と一緒に、アンケート項目の検討等に多くの時間と労力をかけることになりました。
各々が多忙で日程調整すら難しい状況の中、なんとか集まって議論するものの結論を出すことができず、会議が夜にまで延びたこともありました。各々が自身の経験や知見をもとに根気よく主体的に話し合い、意識を共有していったその過程は、まさに協働そのものだったと思います。

子どもの体験活動を広げる具体策を考えるために、円卓会議を開催

平成25年度に実施した調査を通じて「親子で体験することが必要である」ということが分かり、平成26年度は幼児親子を対象にした体験活動プログラムと、体験活動を広げるための対策を考え実践する円卓会議を開催しました。

円卓会議の様子1

一人ひとりの主体的な関わりから

円卓会議の様子2

円卓会議には、こども企画総務課や中央公民館はもとより、NPOや企業で体験活動に取り組む約20名の方が参加してくださいました。日頃の活動を通じて、より一層体験活動を広げるために何が必要かを考え、体験活動のプログラムの評価指標づくり、体験活動の意義を発信すること等、具体的な案が出されました。

円卓会議を行って気づいたことは、「それぞれの人が持つ思いの強さ」でした。
当初は円卓会議を2回開催する予定でしたが、議論が白熱し、急遽3回目を開催したほどでした。「子どもにとって体験活動がいかに大切か」日頃から実感している人々が集まることで、様々な刺激を受け新たな視点から現状を見直すことができました。一人ひとりの主体的な関わりから様々な相乗効果が起こり、一つのチームとなっていったように思います。
こんなに多くの方が熱心に意欲的に参加してくださっているので、私たちも「皆さんの思いを形にしていかなければ」と身がひきしまる思いです。

今後は、子どもの体験活動の価値の可視化や親の体験活動の促進等、出された意見を具体化し、実践していきたいと思っています。
行政や他団体との協働には多くの学びがあり、子どもセンターだけでは解決できなかった課題も、解決に近づいていく喜びを感じることができます。子どもが豊かに育つ社会づくりを目指して、今後も行政をはじめ、多くの団体や個人、もちろん子どもたちと協働していきたいと思っています。

のっぷ

次のコラムも楽しみだね!