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令和2年2月17日市長記者会見

[2020年2月19日]

ID:20847

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令和2年2月17日市長記者会見議題

  • 令和2年度当初予算(案)について

令和2年2月17日市長記者会見資料

市長記者会見動画

令和2年度当初予算(案)について

 皆さん、おはようございます
 それでは、今日は令和2年度の当初予算(案)の大要を申し上げたいと思います。
 来年度は、市長2期目の折り返しの年であります。それと同時に「第六次総合計画長期構想」に基づく都市づくりの方向を示す「前期中期計画」の最終年度でもあります。
 長期構想でお示しした都市づくりの基本目標「未来へ躍動する桃太郎のまち岡山」実現のため、「都市の躍動感を創出する」「住みやすさに磨きをかける」「市民と行政がともに変えていく」という3つのコンセプトに沿って重点施策を着実に推進してきたところであります。
 そして、喫緊の課題への対応に全力で取り組みながら、長年の懸案にも道筋をつけて、軌道に乗せるところまで来ており、この流れと勢いをこれからの岡山に波及させていかなければならないと思っております。
 新年度予算はこうした認識のもと、財政の健全性を堅持した上で、「街を楽しむ」「子育て・教育」「ポジティブ・ヘルス・オカヤマ」「災害に強いまちづくり」の各分野、さらには「産業・地域の振興」や「SDGsの推進」など、これまで築いてきた成果を礎とし、未来に向けてさらなる高みへ飛躍するための予算として編成いたしました。

予算案について会見する大森市長の様子

 したがって、この予算のポイントに書かせていただいていますように、「未来への躍動予算」、このようにネーミングをさせていただきました。
 資料「令和2年度当初予算(案)のポイント」の1ページに出ておりますけれども、予算の規模については一般会計で3,433億円。対前年度比で122億円、率にして3.7%の増となっております。過去最高額の一般会計予算額となっております。
 特別会計と事業会計を合わせた予算総額は6,034億円で、対前年度比133億円、2.3%の増となっております。
 1ページの下をごらんいただきたいと思いますが、歳入ではまず地方譲与税・交付金が36億円増加しております。これは消費税率改定によって地方消費税交付金が35億円増収となったものでございます。歳入の増減、その他の項目については、いずれも歳出の事業費増などに伴うもので、要因としては、(2)(歳入・歳出予算の主なもの)に書いてあるとおりであります。なお、77億円の増となっている市債については、後ほど説明をさせていただきます。
 歳出の増について一番大きな伸びとなっているものは、107億円の増となっていますように普通建設事業であります。これは、書いていますように岡山芸術創造劇場(仮称)や岡山北斎場の整備事業が本格化したことによるもので、合併推進債など有利な財源の活用により、将来への財政負担を抑制しながら着実に進めていくこととしております。
 2ページ、3ページが主な施策・事業でありますが、これは後ほど説明させていただきます。
 5ページをごらんください。
 起債残高、市債残高でありますが、予算の編成にあたりまして、今年も基金の取り崩しと起債で財源不足を補うことになります。財源調整のための基金については、いくつかの対策を、いわゆる喫緊の課題への対応のため70億円を取り崩しました。昨年と同じであります。この70億円については、2月補正予算における土地売却などの収入増や歳出不用額及び来年度の決算剰余金などにより積み戻しを図っていきます。
 財政構造を見ていく上でわかりやすいのは、基金残高、我々で言う預金なんですけれども、できれば前年度同期と同水準を保っていかなければならないと思っております。令和2年度の基金は、3基金及び庁舎整備基金を合わせて370億円となっており、昨年度比で42億円の増となっております。ただ、平成30年7月豪雨災害に伴う取り崩しを昨年3月に積み戻した26億円がありますので、通年ベースで言うと16億円の増となっております。
 これはちょっとわかりにくいと思うんですけど、平成30年7月には豪雨災害がありました。豪雨災害があって補正予算でいろいろと支出をしています。その支出をすれば、これは特別交付税等々で後から返ってきます。その返ってくるのが通常ベースに比べて、昨年の3月末では26億円の増になっている。したがって、この昨年の平成31年度予算のときには、その26億円の増というのがわかってないわけでありますから、これは例年ベースとは違う。だから、それは別にして考えていかないといけないということであります。しかしながら、その26億円を外して考えても16億円の増ということで、この基金ベースで見たときも安定的に推移しているということが言えると思います。
 今のは預金のほうですが、今度は借金のほうが一つ大きな問題になります。これが市債残高であります。交付税原資の不足による臨時財政対策債というのがあります。これは全てが後で国から戻ってくる額であります。政令市は多めに市中での受け入れがしやすいんで、今、臨時財政対策債を多めに発行しているところでありますが、それは100%返ってきますので、それを除いて議論しなければなりません。
 通常債でありますが、274億円で前年度172億円に比べて102億円増となっております。この要因でありますが、岡山芸術創造劇場(仮称)建設の佳境に入ってまいりました。富吉の岡山北斎場も同じでありまして、近々の課題への対応を着実に進めていかなければならない。令和3年度までの期限となっている合併推進債がありますので、その有利な財源を最大限活用するということで、令和3年度までに当該事業を基本的には終えていきたいと思っておりまして、借入金は増加しておりますが、できるだけ交付税算入率が高い有利な起債を活用することにより、交付税算入がない市債と比較して、将来の財政負担を相当抑制しているところであります。
 ここはわかりにくいと思うので、資料をつけさせていただいておりますが、この5ページの右下を見てください。この交付税算入率で過去10年っていうのが、これは合併特例債、推進債を活用しているのではあるんですけれども、合併特例債なんていうのは上限がありますから、なかなか全部使えないということで、それらをうまく使っていった10年平均で交付税算入率は31.9%、それに対して令和2年度は41.6%ということで、交付税の算入率が非常に高くなっている。この令和2年度の合併特例債、合併推進債を活用したものをその当該案件に関して交付税算入なしということで借り入れたとすれば、令和2年度になると17.3%、要は17.3%の交付税算入率が41.6%になってきている。通常、合併特例債、合併推進債を使っている過去10年に比べても、10%特例債がというか有利な交付税算入率が上がっているということであります。一つの試算では67億円の一般財源縮減が図れたというようなことにもなっているところであります。
 今後も、公共施設等の老朽化対策や再整備などにより借入金の増加が見込まれることから、引き続き有利な財源を活用しながら借入額をコントロールしていかなければならないと思っています。
 5ページの右下に出ておりますけども、市の財政の現状を示す数字として典型的に挙げられているのがこの3つの数字でありますけれども、将来負担比率、実質公債費比率、経常収支比率とも政令市の中では上位を維持しているということが言えていると思います。私としては、総じて健全性を確保しながら、安定した予算編成ができたと思っております。今後とも将来世代に負担を先送りしないよう中・長期的な展望に立ち、財政運営の健全性を確保した上で岡山市の持続的な発展と市民生活の充実に資する取り組みを着実かつ積極的に進めていきたいと思います。
 では、今日はパネルを用意させていただいている点について、各論に入っていきたいと思います。

街を楽しむ

街なかの整備について会見する大森市長の様子

 これがいわゆる街なかの様々な整備であります。県庁通りの1車線化、令和2年度内には完成するとか、我々が、私が就任当初から申し上げていたこの回遊性が高く居心地のよい、歩いて楽しめる街づくりっていうのが次第に見えてきたという感じがしているところであります。各論についていくつかの点は後で申し上げたいと思います。
 なお、事前に、予算を編成する際に議会ともお話をさせていただいています。いろんな話を伺っているところでありますが、一部議員から街なかと周辺部の対立構造になっていると感じている人がいる、自分がそうではないんだけれど、という注釈をつけながらではありますが、この街なかの整備がそういう対立構造ではないという、そういったことを十分説明してほしいという話がありました。
 岡山市自体、昼間の人口っていうのが夜間人口に比べて1.03ということで、岡山市に流入してくる人が非常に多い都市であります。この中でのいわゆる中心都市的な役割を果たしている。当然ながらこの街なかというのは、岡山市内の周辺部からも大勢来ております。多分、マスコミの皆さん、メディアの皆さんもそういう人が多いのではないかと思いますが、そういった人々が市内、街なかに来て楽しんでいく、当然ながらここに住んでおられる人もそうですが、公共交通、路面電車の整備、駅への乗り入れなどは周辺部の人ないしは市外の人に、利便性を享受していただく、そういうものになっていくのではないかなと思っております。バスの整備等々もそれに通じていくところがございます。
 では、いくつか申し上げたいと思いますが、まずは先ほど少し申し上げました県庁通りの1車線化であります。令和2年度には市役所筋から西川緑道公園筋までの区間を完成させるとともに、西川緑道公園筋から柳川筋までについても一部工事に着手する予定であります。詳細は、以前お話ししたとおりであります。
 それから、岡山芸術創造劇場(仮称)でありますけれども、土曜日ですか、今年のプレ事業で「歩むなら」という、山崎監督がつくられた映画の試写会に行ってまいりました。表町などを題材にしたおもしろい映画だったと思いますが、劇場の令和4年秋の開業に向けて、さまざまな盛り上げをやっていかなければならないと思っております。令和2年度には市民参加型のダンス公演や市民団体との協働事業なども実施し、開館に向けた機運を高めていきたいと思います。
 次に、岡山城の魅力アップですが、実は令和3年度には耐震補強工事、バリアフリー化などを含む大規模改修がございます。1年間利用の制限がございますが、逆に我々はこういう一つの動きをチャンスとして捉えるべきだろうと思っております。
 一つは、やはり歴史性というものを高めていく。幸いなことに岡山には今、歴史学者として売れっ子の磯田道史さんがおられます。彼に今監修を依頼し、岡山固有の歴史や魅力をわかりやすく伝えていくというようなことを考えているところであります。また、夜間利用も非常に好評であります。多目的な活用に対応するよう計画をしているところであります。
 あわせて今、皆さん、行かれた人は多いと思うんですけれども、発掘調査でも既に遺構が確認されている「供腰掛(とものこしかけ)」の位置に、「供腰掛風休憩所」の整備を始めており、令和2年度中には完成する。これはお侍さんが登城する、その供の人間がそこで休むというそういう場所でありますが、さらに同じく供腰掛が今整備されているところのすぐ近くにあります中区役所地域整備課維持管理センターについても、既存施設への移転を計画しており、その場所も城の利用とあわせて対応できるようにしていきたいというように思っております。歴史性とともに市民の憩いの場として親しんでもらいたいなと思っております。
 次に、路面電車の岡山駅前広場乗り入れであります。これは前回の会見で申し上げたのでここでは大きく触れませんが、令和2年度は引き続き交差点改良に必要な用地買収等を行うとともに、駅前広場の一部工事等に着手したいと考えております。
 次に、路面電車のネットワーク化でありますが、令和2年度は計画に短期と位置づけました大雲寺前電停から岡山芸術創造劇場(仮称)を経由して西大寺町電停までの区間について、都市計画法の手続のために必要な測量や、交差点の予備設計等を実施したいと考えております。
 それから、地域公共交通網形成計画であります。今年度策定中の地域公共交通網形成計画を年度内に取りまとめ、令和2年度はバス路線の再編や、高齢者、障害者を対象とした運賃割引などの具体的な施策を早期実現に向けて、引き続き関係者の皆さまと具体的な協議を進めていきたいと思います。
 次にLRT化であります。早期の事業化を目指し、現在3者で連携して取りまとめている基本計画や併用軌道区間を想定している備前三門駅周辺の測量設計等を踏まえ、併用軌道区間の都市計画手続に必要な準備、駅前広場アクセス道路の設計等を実施したいと思っております。

子ども・子育て支援の充実

 次に、資料2に行かせていただきたいと思います。
 今回のポイントですけれども、昨年10月、幼児教育・保育の無償化が実施されました。希望する誰もが安心して喜びを感じながら子どもを産み育てることができる環境づくりを進めるため、子ども・子育て支援の充実を図っていきます。
 特に今回は、今まで重点的な対策として取り組んできました待機児童対策に加えて、各種の子育て世代への意識調査で特にニーズの高い経済的負担、教育費の負担の軽減に着目した施策を展開したいというように思っております。子どもの貧困や児童虐待、教育における課題などの解決のため、新たな経済的な支援策を始め、子どもや保護者に寄り添った支援を行います。
 今まで市が独自で保育料、授業料を軽減していた額が約15億円ありました。この15億円について、私は議会で子育て環境に全て充当したいと申し上げていたところであります。したがって、今回の市長査定で最も議論になったのはこの点であります。15億円をどういうふうに使っていくかということでありますが、今回15億円を上回る18億円の予算を3つの分野に重点配分していく。待機児童対策、そして困難を抱える子どもと保護者への支援、教育における子どもの健全育成支援、この3点であります。個別にはこちらでお話しします。

令和2年度の保育士確保対策

保育士確保対策について会見する大森市長の様子

 保育士の話も、これまでの会見で細かくご説明申し上げていましたが、受け皿はニーズを上回る形になりました。今最も困っている要因は、保育士の不足であります。現時点では120人程度の保育士が不足していると考えております。今後3年間、今の計画では毎年125人ずつの保育士が必要であり、合わせると約500人の保育士が必要となります。こうした状況から、令和2年度予算では平成29年度から3年間行ってきた民間保育士の2%賃金上乗せを3%に拡充した上で実施することにいたしました。保育士の直接的な支援となる保育士の奨学金返済支援と宿舎借り上げ支援についても引き続き行う予定であります。
 資料2-2をごらんいただければと思いますけども、そのほか、布団の上げおろしや配膳などを行う保育支援者の配置助成、特認登録施設への助成などについても3年程度実施する予定であります。
 潜在保育士の掘り起こしについては、先月私からダイレクトメールを約500人に送りました。先日、2月14日でありますが、岡山市内の保育士養成校の先生方と保育士の確保について情報交換を行ったところであります。情報交換を行うと、事前に思っていた以上に、保育士さんというのは地元志向が非常に強いということを口をそろえておっしゃったっていうことが印象的だったのと、あと処遇改善っていう話もありましたけど、離職を防止するためには園内の人間関係をどうするかというのが大きな課題と、これも多くの人が口をそろえていたというのが印象的であり、どういうふうにこれから手を打っていくのか、内部でも相談しながらやっていきたいと思います。引き続き、保育士確保に全力で取り組みます。

子どもの貧困対策~生活困窮家庭の教育費負担の軽減~

 次に、子どもの貧困対策でありますが、今回の目玉の一つでありますけれども、生活困窮世帯の教育費負担の軽減を図るため、高校生への給付型奨学金を創設するとともに、就学援助費の拡充を図ります。
 2-3を見ながら聞いてください。
 一つに、大きな考え方として今回貫いたのは、貧困を連鎖させないということであります。子どもたちが家庭の経済状況に左右されることなく安心して教育を受け、将来の選択の幅を広げることが重要だということであります。
 現在行っているのは、貸与型の奨学金とか、またひとり親家庭等への修学資金の貸し付けなどでございますが、学校卒業後の奨学金返済が重荷となっていることが社会問題となっております。したがって岡山市では、今回子どもたちが経済的なことを理由に進学や卒業を諦めることなく、安心して学校に通えるよう支援したいとの思いから、成績要件での選考や人数制限を設けることはせず、意志ある全ての高校生を対象とした給付型奨学金制度を創設したいと考えております。この成績要件での選考を行わないということと、人数制限を設けないというのが大きなポイントでございます。
 新制度では、生活保護受給世帯を除く市民税非課税世帯の高校生を対象に年額6万円、通信制高校の場合は年額3万7,000円を給付することにしております。対象人員は、今計算しますと約2,200人になるのではないかと思っております。
 なお、給付型奨学金の創設に伴って、今まで行っていた貸与型の奨学金については令和2年度で募集を終了させていただきます。
 次に、右側にあります就学援助制度の拡充であります。公立小・中学校に通うひとり親世帯や低所得世帯等の児童・生徒に対して、学習に必要な学用品や学校給食費等の一部を援助する就学援助制度について、これまで半額支給だった学校給食費を全額支給するということであります。岡山市の将来を担う子どもたちが、安心して学校に通い、教育を受けられるようにしていきたいと思っております。

教育における子どもの健全育成支援

 最後は、教育の問題でありますが、教育における子どもの健全育成支援については、今、具体的な目標を設定しながらその達成に向けて取り組んでいるところでありますが、不登校の問題や暴力行為などについては全国より高い状況が続いており、支援が必要な児童・生徒も増加していると認識してとおります。したがって、一人一人の課題に応じた支援として、習熟度別サポーターや岡山っ子スタートサポーター、特別支援教育支援員、不登校児童生徒支援員、スクールカウンセラーを配置することで、子どもの自己肯定感を高める支援につなげていきたいと思います。また、南部適応指導教室の新築整備もございます。

健康寿命延伸と生涯活躍のまちづくり推進 PHO元年

 次に、資料3をごらんいただきたいと思います。
 昨年10月のG20、岡山保健大臣会合開催のレガシーであります「ポジティブ・ヘルス・オカヤマ」の実現に向けて、岡山市としても取り組みを進めていきます。
 この「ポジティブ・ヘルス・オカヤマ」については、約10年後である2030年を目標年次としており、令和2年度はそのスタートでございます。一つには、大きなものとしてはSIBを使ったケンコー大作戦などもございます。中身についてはこの資料を参考にしていただければと思います。

自主防災組織等育成事業(結成助成金)

 次に、資料4を出してください。
 防災でありますけれども、自主防災組織は令和元年度中の組織率100%を目指して、連合町内会総会を初め、さまざまな機会を捉えて結成を呼びかけておりました。結果、今年度中どうなのかということでありますが、右下のグラフを見ていただきたいと思いますが、30年度までに結成していたのは569で、元年度に結成したのは347、あと154が見込まれているということで、これは足し算していませんが、足し算すると1,070という数字になります。連合町内会も96のうち80で結成見込みとなりました。残る町内会に対しても共助の必要性を訴え、いざというときの対応ができるようにしていただきたいと考えております。特に、これからハザードマップができますので、ハザードマップをごらんいただき、危険箇所などを再認識していただくとともに、こういう自主防災組織の結成に向けて動いていただきたいと考えております。

新たな雇用と活力を生む戦略的な産業振興

産業振興について会見する大森市長の様子

 次に資料5をごらんください。
 昨年は8月にももたろう・スタートアップカフェを拠点として創業、起業に向けた支援をしてまいりました。それをまた引き続き支援するっていうのが一番左であります。
 次に出てきているのが、中小企業、人手不足の深刻化とデジタル技術の進展という2つの大きな変化に直面しているということで、IoT、AI、ロボット等の先端技術の活用について新たに支援することにいたしました。
 また、事業承継支援でありますが、国もいくつかのことは考えていただいているんですけれども、我々としては市内企業間とか、または従業員への事業承継、こういったことが重要なんじゃないかなと、市内の事業者にとって必要だという声が非常に強かったもので、それらについての支援措置を新規でやらせていただいております。
 最後の一番右ですけれども、今まで都市型サービス産業推進事業補助金という名前でございましたけども、IT・デジタルコンテンツ産業等推進事業補助金と名称変更し、誘致対象を明確化すると。具体的には、コールセンターにかえてデジタルコンテンツ産業を新たに加えると。これは、インターネット付随サービス、アニメーション制作作業、それからデザイン業等でございます。こういった産業が新たに誘致されることで、働く場の創出もできてくるんではないかなと思っております。

SDGsの達成に向けた取組

 最後の資料6であります。
 昨年12月、国連総会でユネスコが提唱する「ESD for 2030」が採択されました。SDGs達成のためには、ESDが必要不可欠な要素であります。重要な鍵だと記されております。持続可能な社会を実現していくというところから、SDGsの観点は重要と考えております。
 岡山市で早くから取り組んでいるESDを生かして、持続可能なまちづくりを推進していきたいと思っております。その取り組みの中で非常に好評な、好評っていう言い方がいいかどうかわかりませんが、代表的な取り組みとしてはESDの岡山アワードがあります。この事業は、海外の優良事例から我々も学ぶということとともに、海外で行っているESD、SDGsの取り組みを促進する、そういう役割でもございます。我々としては、世界とつながるという面もございますし、来年度も実施をしたいというように思っております。SDGs未来都市岡山として、持続可能なまちづくりにつながるさまざまな事業を実施し、SDGsの達成に貢献していきたいと思います。

市長査定項目

 最後でありますが、資料は戻っていただきまして、今回の予算の形成過程の議論でありますが、市長査定項目をごらんいただきたいと思います。
 今回の議論はこのパネルに出ていますけれども、緑のボリュームアップや芸術劇場の市民団体との協働事業、こういう街のにぎわいが目で見える形で動き出すっていうことをまずどうやって図っていこうかという議論が一つと、それから先ほど申し上げた15億円のその使い道、どうやって子どもの健全な育成、子育てに充当していくかっていうのが主な議論であったというように思います。
 それから、下から2番目ですけども、地域の未来づくり推進事業ということでありますが、これが35億円を使って周辺地域の振興を図っていこうということでありましたが、ある程度の動きは出ているものの、そこまで活発化しているわけでもないということがありまして、先ほど言いました、「ももスタ」などを利用して、地域の人とともにそれ以外の市内の他の地域におられる人、場合によっては市外の人の未来推進事業への参画を打ち出していこうじゃないかというようなことを考えて、市長査定とさせていただきました。
 私からは以上です。

質疑応答

  • 記者
     2点お伺いしたいんですけども、まず1点、まちづくりに関してですけども、路面電車の着工や、新市民会館についても、これも大分近づきまして、事業の姿が大分見えてきたんですけども、まちづくりの今年度、今どういう段階に来ているというふうなご認識でしょうか。
  • 市長
     姿が見えつつある、こういう時期には来ているんじゃないかと思っています。
  • 記者
     あらゆる政策が本格化しているということでしょうか。
  • 市長
     そうですね。もう既にホコテンなどは動いていますし、岡山芸術交流も2回実施されたと、そういうのもありますが、先ほど言った乗り入れの話は、来年度、具体的な事業に入っていく、県庁通りの1車線化も来年度には一応完成する、芸術劇場も大分ものが見えてきた、岡山城も動きが本格化してきている。そういうようなことを考えてみると、私が申し上げた街なかを楽しんでいく、こういったものの姿がだいぶ見えつつあると思っています。
  • 記者
     あともう一点、待機児童に関してですけども、今回拡充され予算も充当しているんですけども、ここで新規施策という部分では今回、保育士確保策という部分ではないんですけども、改めて新たな手を打つのは難しかったのでしょうか。
  • 市長
     ハードとソフトの両方の対策をとっていかなきゃいかん。ハード面は需要より供給が上回ってきているということで、私は一定の成果はあったんだろうと。それに伴って、保育士が不足しているというのが、より目立ってきているところであります。本来であれば、2%の処遇改善というのは今年度で終わるんですけども、それをもうさらに1%増やして処遇の改善をさせていただくと。保育士養成校との議論の中でも、やはり処遇の問題は一つあるということで、これはプラスに私は作用するんじゃないかと思っております。今後3年間で500人の増ということでありますが、今までも毎年保育士は増えていることは増えてんですね。だから、こういう今回やったような措置を通じて、私は保育士の確保ができていくということを期待したいと思っています。
  • 記者
     今の待機児童、保育士の確保策についてお伺いしたいんですけれども、事業者からは、学生の養成は市内でも足りているんだけれども、周辺の都市に出ていってしまうというような声も聞かれるんですが、今回3%に引き上げたということで、他都市との差別化とか、流出を防ぐとか、そういったところでどういう期待があるかというのをお話しいただけますでしょうか。
  • 市長
     処遇改善の点では、他都市との差別化はできていると思うんですね。実はこの前、岡山都市圏の会議で、岡山市さん、あまりやらないでよ、いう話があって、なかなか小さな都市ではついていけないという話もあったんです。
     政令市が処遇改善を上げていくということは、他都市への影響が出てくるので、やりたくはないんですが、でも背に腹はかえられんということで、今回もやらせていただきました。
     毎年、保育士の数は150人以上増えているんですよ。私は、ある程度はいくと思うんですけど、ただ、処遇がよければ、すぐにその都市に行くっていうことではないというのも、この前の会議で養成校の皆さんからお話を受けて、わかりました。学校は岡山市に来ても、それから卒業すると実家にあるところへ帰ろうという人が本当に多いようであります。
     それから、先ほど言ったように、なかなか人間関係も難しいところがあって、離職する人も多いっていう話もありますから、一朝一夕にはいかないかもしれませんけど、これからは保育士の確保っていうところに重点を置きながらやっていきたいと思います。
  • 記者
     1点だけ確認させてください。市長査定についてです。
     冒頭、2期目の折り返しというお話がありました。そういう中で、項目の選定ですとか、金額面、その点についての自己評価を教えてください。
  • 市長
     まず、市長査定っていうのは何なのかって言うと、今までの方針に従って各局は本当によく要求をしていただいていると思います。したがってまず第1に、この市長査定に出てきているものが市の重点の柱だということではない。例えばこの「街を楽しむ」で言えば、路面電車の乗り入れだとか、延伸だとか、LRTだとか、重点的に議論してきたものはその中には載せていない。これは予算要求で十分入ってきている。ただ、ちょっと緑の面がもっともっとやれるんじゃないかという話をして、「街を楽しむ」という事業の一端をプラスにしていったというのが一つである。それから、子ども・子育てのほうは事項要求的なものが多くて、15億円をどういうふうに子どもの子育て関係に充てていくのか、このバランスですよね。バランスと具体の項目の議論が多かったということであります。したがって、市長査定だけを見ずに、まず全体の、今回資料1から6まであったと思いますが、ああいったものが我々の重点だというふうに見ていただければと思います。
  • 記者
     待機児童の件についてなんですが、これまで市長は待機児童をゼロにするという目標を掲げていらっしゃいましたが、これまでにもこういった質問をさせていただいていたんですけども、現状をどのように考えられているかということ。
  • 市長
     容易ではないという表現でずっとやらせていただいていたんです。なぜ容易ではないという表現にとどめていたかというと、保護者の皆さんは、みんな働きたい、ないしは働かざるを得ないということで、子どもを預けたいと思っているわけです。その要求にできるだけ応えなきゃならないということで、潜在保育士に要請文を出したり、コンシェルジュも増やしたりしているところであります。担当にどこまでいったかを聞くと、必ずしも明るい顔ではないんですけども、今一生懸命やっているところであります。厳しいのはわかっていますが、一人でも減らすように。特に今回の場合は認可外も多くの支援が国からなされてきますから、そういう面では認可外もやりやすくなっているという要素もあると思うんですね。そういったことを最大限使ってやっていきたいと。まだ、二次調整の結果が出てきていないので、一次調整の結果はこの前ここでお話ししたとおりでありますから、このあたりで許していただきたいと思います。
  • 記者
     先ほども背に腹はかえられないという言葉が、新たな予算も組まれた中で、待機児童をゼロにするという目標があったと思うんですけども、それは必ずやりますか。
  • 市長
     もちろん。この4月1日の状況がわかるのは、多分5月の下旬だと思います。5月の下旬の状況を見た上で、これから市民の皆さんにどう話をしていくのか、頭の整理をしたいと思います。
  • 記者
     先ほどの企業誘致の件で1つ伺いたいんですけれども、ITとかデジタルコンテンツとかに補助金を出していくということですが、既にこういう業種で、他都市に先行してでありますけれども、都市間競争という意味では勝ち目があるか、あるいはどういうふうに差別化していくか、それが1点。あともう一つ、コールセンターを対象から外した理由をもうちょっと教えてください。
  • 市長
     コールセンターは、雇用の面ではある程度は認められるんですけども、どっちにしてもパート系の人になってきていますし、そういう面で我々としては新しい産業、中四国の総支社とか本社とか、そういった企業に立地していただいて雇用につなげていきたいというように思っています。
     どういう産業をプラスにしていくかっていうのは、若干小出しになっているところもあるんですけれども、我々として、私が就任してからなんですけど、岡山の地政学的なとこからアプローチしていくと、何が最も適切なのかというところで、最初には中四国の総支社とか、そういったところをお願いできればと。後で物流だとかというのも入ってきていっているわけです。その時々の産業動向、そしてさまざまな都市との動き、こういうのを見ながら追加してきているというふうにお考えいただければと思います。

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