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NPO法人の活動における広報の課題解決

[2024年3月7日]

ID:57818

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「ユース活動支援助成金」事業報告(特定非営利活動法人だっぴ 戸高はる奈)

女性の写真


NPO法人だっぴの活動について

NPO法人だっぴでは中高生を対象とした多世代の対話型ワークショップ「中高生だっぴ」の開催などを通して、若者と地域が繋がり、創造性や協働性を高められる環境を作っています。先生方の思いや協力してくださる地域の方、大学生の力によって、岡山県内の各地で開催しており、中高生がさまざまな大人と出会い、自分の未来を考える機会を届けてきました。

話し合いの写真1


話し合いの写真2


経験則で行っていた広報を見直したい

その中で中高生と大人の繋ぎ役となる大学生キャストの存在は、中高生にとって話しやすい場をつくるために大きな役割を担っています。また、「中高生だっぴ」は中高生に多様な考えに触れる機会を提供するだけでなく、大学生にとっても自らが自発的に自己実現できる活動の場にもなっています。

しかし、コロナ禍で学外での活動に出向く機会が制限されていた影響からか、社会と繋がる機会が大学生に届きにくいという声を耳にします。SNS等を通じてボランティアなどの情報発信を行っているものの、学生の皆さんに活躍の場の一つとして知っていただくための広報面の課題を感じています。これまで経験則で行うことの多かった広報面を改善していくことで、より多くの人に情報が届くようにしたいと考え、令和5年度ユース活動支援助成金を活用して広報戦略に関するオンライン講座を受講しました。

パンフレットの写真

オンライン講座の内容

株式会社宣伝会議が提供しているオンライン講座「広報・マーケティングに役立つ心理学実践講座」(四元 正弘氏)

  • 認知・購買行動に影響する心理の分析 ~心理学×マーケティングのルールをストック~
  • 心理学で広告コミュニケーションを最適化する(1) ~人を振り向かせるメッセージ開発~
  • 心理学で広告コミュニケーションを最適化する(2) ~行動を決める導線づくり~

学びを活動広報に活かす

講座では、購買活動を含むマーケティングにおける広報戦略の例が取り上げられており、情報を受け取る人の心理について一般的な内容を学びました。非営利団体において目的やアプローチの仕方は異なりますが、広報戦略には営利目的のマーケティングと共通する部分があります。

講座を受講し改めて現在の広報内容を見直すと、活動を知ってもらうだけでなく自分ごと化して受け止めてもらうためには、「自分たちが何を提供したいか」ではなく「人は何を求めているか」を問い直す必要があると感じました。人が求めている本当のニーズはどこにあるのか、だっぴの活動に関わることでどんな価値(変化)が得られるかといった点で、届けるメッセージに改善の余地があります。

また、当法人ホームページは改修中で、私は新たな内容の制作に携わっています。法人化10年目となる現在、岡山地域の中で当法人が担う役割を考えると、中高生を取り巻く課題や目指す地域社会の姿をそれぞれの地域に落とし込んで考え、地域のつながりを開拓する仲間を増やしていくことが重点であると考えています。まさに今回の講義を通して学んだ、情報を受け取る人が共感し自分ごと化していく物語性が必要であると考えます。法人の活動を知っていただくだけでなく、地域と繋がりたい若者、若者と地域をつなぐ場をつくる方、そうした繋がりを支援したい企業の方など、それぞれの立場の指針となるようなホームページの作成を目指します。

おわりに

今回の講座を受講することで、日常生活の中で目にする広告やメッセージなどは理論に基づき開発されているものだと気づくことができました。NPO業界の中では経験則で行うことの多い広報面ですが、意図を持って活用することで、地域社会の課題に関心を持つ人が増え、関わる人の行動を後押しするチャンスにもなりうると感じました。

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