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「チュー祭『中学生の祭典』」視察訪問

[2022年8月2日]

ID:41257

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#おかやまJKnote 大学生スタッフ 大西虎ノ進

私たちは令和3年度のユース活動支援助成金に採択されて、2021年10月16、17日に、愛知県名古屋市の「オアシス21」にて開催された「チュー祭『中学生の祭典』」(以降:チュー祭)に視察に赴きました。

チュー祭とは、2015年の「名古屋市生徒会サミット」での考案をきっかけに、名古屋市内の中学校の生徒会と、NPO法人教育支援協会東海の主催で開催された、「名古屋市の中学生が一堂に会して、中学生の手で、今ある様々な課題を解決するための一大イベント」です。

今回は、2022年3月21日に#おかやまJKnoteが開催した、「18サミット」の先進事例として視察、取材することで、参考になる点や改善点を見つけ、私たちのイベントへのフィードバックを図ることを目的に訪問しました。

1日目は会場の視察(開催コンテンツや販売品の確認、当日のステージの様子や体験型ブースへの参加)、2日目は運営団体関係者へのヒアリングを行いました。

当日の様子

会場の写真

当日の会場は5つのブースに分かれており、(1)防災、(2)環境、(3)いじめ撲滅、(4)SNSリテラシー、(5)名古屋もりあげでした。それぞれのテーマに沿った内容を中学生が考え、体験型ブースなどの形で来場者を飽きさせないような創意工夫がされていました。

会場の正面には大きなステージが設置されており、その背景パネルに協賛企業等のロゴを起用することで、会場全体を広告の場として利用していました。

今回は特に目立っていた3つのブースに関して詳細を書いていこうと思います。

まず、防災ブースは防災グッズや過去の記録の展示、避難場所でも新聞紙で作れる器やスリッパを実際に作成できるブースとなっており、中学生たちが調べ、考えた「防災」について聞くことができました。展示物には防災グッズなどのほかに、中学生たちによる手作りの防災Q&Aも設置されており、小さな子どもでも楽しく防災について学ぶことができるようになっていました。

防災と減災についてのチラシ
作成ブースの写真

次に、いじめ撲滅ブースですが、大きく分けて二つのコンテンツがあり、一つは啓発動画の公開、もう一つがトートバッグづくり体験コーナーでした。啓発動画は中学生が作成したビデオで、もしいじめにあったらという想定だけでなく、いじめを目撃したらどうするか、加害者にならないようにするにはどうするべきかなど、中学生の視点から考えた内容となっていました。

トートバッグづくりの様子

トートバッグづくりは、既成の無地のものにいじめ防止啓発イラストを「スロメ式」と呼ばれる刷り方でプリントし、オリジナルのトートバッグを作ることができました。色とりどりのかわいいイラストで、普段使いもできる良いものが手軽にできたので、すごくうれしい気分になりました。

最後に名古屋もりあげブースです。ここは、名古屋市内の有名な飲食店と協力し、「チュー祭弁当」として、名古屋グルメを手軽に味わうことができるようになっていました。

名古屋名物のひつまぶしや手羽先、モツの土手煮など計7種類から好きなように選んで購入し、お弁当箱に詰めることができました。1種類200円ほどで、計6つ入れることができ、1000円ほどでいろいろな名古屋グルメを堪能できるようになっていました。 

名古屋名物弁当の写真
名古屋名物計7種の写真

運営について

上記にもあるように、「名古屋市生徒会サミット」から発展した企画を、NPO法人「教育支援協会東海」の協力により、名古屋市内の中学生が中心となって開催しました。

ブースは、各コンテンツの担当それぞれに分かれて、企画運営をしていました。初期構想段階から開催まで5~6年ほどかかったようで、その間世代交代等で引き継ぎが行われていたとのことです。その内容は中学生の「こんなことがしてみたい」といったような意見が中心で、実際の開催方法、時期、運営方法などは今年度に入ってからの決定だったそうです。

今年度開催した理由は、過去5~6年の中で、中学生たちの意見が洗練されてきたことに加え、開催支援団体側の準備が整ったからでした。

反省・改善点について

ヒアリングをする中で、準備期間、当日ともに反省点、改善点が見えてきました。

まず、準備期間について、このイベントは、中学生が運営していることが大きな趣旨ではあったのですが、そうはいってもやはり中学生(卒業した現高校生・大学生含む)という子どもの力だけでは開催が難しく、予算管理や資金調達などには開催支援団体や地元の教育関係者、企業、行政などが大きく関わっていたそうです。しかし、今後は長いスパンで、2~3年に1回ペースでの開催を目標としており、その中で、予算管理や資金調達等も中学生が中心となっていけるような体制を整えていくとのことでした。

当日については、来場者の導線について改善すべき点がみられました。半屋外という状況で、入場口を通り、各ブースで様々な体験をし、最終的にアンケートに回答して退場するといった会場全体の導線に対する気配りは見られました。特にコロナ禍であるという点も十分に踏まえられており、距離をとるPOPや入場時の検温と消毒が徹底されていました。しかし、会場を仕切るベルトパーテーションを乗り越えて退場したり、会場正面にあるメインステージ前にとどまったり、導線の想定外の行動をとる方が多く見られたため、導線の通し方や入退場の徹底などがより求められると感じました。

#おかやまJKnoteの活動へのフィードバック

以上の視察訪問を踏まえて、#おかやまJKnoteでは、2022年3月21日に18歳成人に向けたイベントである、「第3回 18サミット」をブランチ岡山北長瀬で開催しました。

2022年4月1日から成人年齢が18歳に引き下げられることから、私たち、#おかやまJKnoteの高校生は社会の中で大人との関わりを通じて自分たちで「大人になるとは何か」ということをイベント作りを通して考える「18サミット」を企画しました。

2020年度の第1回から、毎年3月に行っているこのイベントは、コロナ禍による影響で形を変えながら開催してきました。今回で第3回となった18サミットは、6つのコンテンツをステージ発表およびワークショップを行うという形で開催しました。今回の視察を踏まえて我々サポートスタッフが意識したのは、「高校生主体のイベントを行う」という点です。コンテンツに企画から当日の段取りや各所協力いただく方への連絡など、18サミットを開催するにあたって必要な業務を基本高校生にすべて任せ、大人の協力が必要な時だけ手を貸すといった体制をとりました。結果として、イベントとしては多少のトラブルはあったものの、滞りなく進行し、すべての工程をほぼ予定通り終了することができました。

今回の18サミットにおける反省点・改善点としては、主に資金調達がうまくいかなかったため、今後イベントを開催するにあたっての資金繰りのやり方というものをうまく具体化していければより良い活動につなげていけると感じました。

第3回18サミット参加者たちの集合写真

最後に

今後も#おかやまJKnoteは、18歳成人に向けたイベントだけでなく、「自分のやりたいこと」と「社会のニーズ」を結びつけることを目標に活動を行っていきます。興味のある方は毎週木曜日午後5時から定例ミーティングを行っていますので、岡山市北区奉還町商店街内にある常設の事務所「シェア部室」にお越しください。いつでもお待ちしております。