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「SCIENTIA」と「NPO法人みらいずworks」の研修視察報告

[2021年9月13日]

ID:38599

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岡山理科大学 竹本竜也

私は将来、理科教員になるために大学で教職課程を履修しており、また、岡山理科大学科学ボランティアセンターとNPO法人だっぴで、大学生ボランティアとして活動をしています。それらの活動を通して、講義では取り扱っていない、理科教育や実践的なキャリア教育などについて考えを深めたいと思っていました。今回、令和2年度岡山ESDプロジェクトユース活動支援助成金に採択され、「SCIENTIA」と「NPO法人みらいずworks」の活動に参加してきました。

SCIENTIA

SCIENTIAは、静岡県藤枝市を中心とした、現職の理科教員やOB、理科教員志望の学生による理科教育サークルです。授業指導案や実験内容を検討する研修会を定期的に開いています。

今回参加したSCIENTIAでは、「磁界」の授業指導案の改善について議論し、ブタンガスを使用した実験観察の紹介や、等速直線運動の説明に使える市販物品の紹介が行われました。他に、質量保存の法則についての実験の紹介資料が配布されました。

静岡大学教育学部附属静岡中学校教諭の高橋さんを中心とした先生方に、研修会の企画・運営方法なども伺いました。研修会での参加者数や結果などを丁寧に報告していくことが、研修を継続させることにつながっていることを知りました。

SCIENTIA活動の様子

NPO法人みらいずworks

NPO法人みらいずworksは、新潟市内でキャリア教育の質の向上を目指し、授業改革・学校改革の支援、子ども・若者を核とした地域の共創などの活動をしています。
今回は、みらいずworksと、新潟市から50kmほど離れた阿賀町の中高生が取り組む『「発酵キッチン」プロジェクト』を視察しました。

『「発酵キッチン」プロジェクト』は、中高生が地元の発酵食材を使ったメニューを考え、阿賀町の観光施設「狐の嫁入り屋敷」で販売するという4か月がかりのプロジェクトです。私が参加した第2回では、中高生主体でメニューの構想を話し合い、実際に食材を購入し、そのメニューを作りました。私はメニュー構想の補助・助言などを行いました。作ったものを「狐の嫁入り屋敷」の女将に評価してもらい、女将から中高生に向けてアドバイスがありました。

翌日は、みらいずworksに直接調査に行き、認定キャリア教育コーディネーターの河合さんに、学校での「探究学習」「キャリア教育」「課題解決型職場体験」の取り組み方などについて伺いました。新潟の学生も自分を出すことが苦手で自己肯定しにくい傾向があり、みらいずworksでも、生徒と教員の関係性を高める場づくりや学生と地域の橋渡しとなる活動を行っていました。

話し合いの様子

学び/活かす

SCIENTIAでは、現職の理科教員やOB、理科教員志望の学生が授業指導案について協議し、授業改善を図る様子を見て、生徒にとって1度しかない授業に臨む際の指導案検討の大切さを学びました。また、理科の実験に使える市販のものを共有していて、このような情報交換が、理科教育の質の向上や生徒の興味を惹く授業づくりにつながるということも学びました。

みらいずworksの『「発酵キッチン」プロジェクト』では、地域の食材を使用することや、お店のメニューにするという目標が、地域の活性化や地域理解教育につながっていることが実感できました。また、考えている案を文字に起こす方法やイラストにする方法、考える範囲を広げるための支援方法を学びました。
文部科学省の提示するキャリア教育の方向性を基に、みらいずworksが作成している「NIIGATA探究マガジンみらいずBOOK」や「探究学習」などの活動によって、生徒にとって「いい経験」ができるプログラムを作り出す取組について、様々な学びが得られました。

私自身、理科教員を志望する学生有志で、授業指導案の作成や教材研究などを行う会を開き、教員になっても活かせるようにしていけたらと考えています。
また、様々なキャリア教育やGIGAスクール構想など、教育現場で必要となっている知識を学生のうちに深め、そういう知識を共有できる場を作っていきたいと思っております。