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その11【マルシェがおもしろい(1)】

[2016年3月17日]

ID:40534

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「いきいき社会貢献」では、のっぷとティアが社会貢献活動に取り組む岡山の企業を取材します。その11とその12では、番外編として岡山市で新しく生まれた「西奉還町武士マルシェ」におじゃまし、ますます盛り上がりを見せる岡山のマルシェをご紹介します。
なお、内容は取材当時のものです。

地元産の新鮮な農産物や瀬戸内の魚介、手作りの惣菜や雑貨…様々な店が並ぶマルシェ(市場)を訪れると、掘り出し物はもちろん、おいしそうなにおい、店主の威勢のいいかけ声、訪れる人々の笑顔があふれています。

京橋朝市の様子

第一日曜日開催の「京橋朝市」

有機生活マーケットいちの様子

第三日曜日開催の「有機生活マーケットいち」

岡山の人々に長らく愛されている代表的なマルシェ(市場)といえば、約30年の歴史を誇る「京橋朝市」。これに続けとばかりに、岡山市内ではいろいろなマルシェが開催されています。近年、北区の西川緑道公園を舞台に、オーガニック関連のものが気軽に手に入る場として2011年から始まった「有機生活マーケットいち別ウィンドウで開く」等のマルシェが話題になっています。

マルシェだからこそ出会える人やもの、そこから生まれる交流を楽しみに、マルシェめぐりをライフワークにしている人も増えているようです。第十一回と十二回のいきいき社会貢献では、岡山のまちの起爆剤として期待され、また新たな起業にもつながるマルシェについてご紹介します。今回は、JR岡山駅西口にほど近い奉還町で、2016年にスタートした「西奉還町武士マルシェ」(以下、武士マルシェ)におじゃましました!

奉還町商店街でなぜ「武士」か?

奉還町商店街の成り立ちは、100年あまり前のこと。明治維新の廃藩置県によって職を失った武士たちが奉還金(退職金)を元手に、旧山陽道沿いの地域に次々と移住し、うどん屋や餅屋等の商いを始めたことが由来だとか。士族ばかりの商店街は、全国でも珍しい存在だったようです。

奉還町1丁目から2丁目の風景

奉還町1丁目から2丁目

奉還町3丁目から4丁目の風景

奉還町3丁目から4丁目

JR岡山駅から10分ほど歩くと、奉還町商店街入口のアーケードに入り、奉還町1丁目から2丁目を抜けて、さらに西へ。そのまままっすぐ進むと、「西奉還町商店街」と呼ばれる3丁目と4丁目にたどり着きます。

奉還町商店街は、昭和20年代から30年代の最盛期には夜遅くまでにぎわっていたそうですが、現在は人通りも減り、空き店舗が目立ってきました。とりわけ、西奉還町商店街まで歩いて行く人は少ないのが現状です。見過ごされがちですが、昔の面影を残す建物が並ぶ、人情味あふれるノスタルジックな街なみに魅かれる人もいて、少しずつ新しいお店が増え始めているとのこと。
そんな歴史ある西奉還町商店街で、「武士」をメインテーマに、古くて新しいマルシェが生まれることになりました。

武士マルシェにおじゃましました!

武士マルシェの様子
ティア

2016年2月20日(土曜日)に第1回目の武士マルシェが開催されたよ!当日は、雨が降ったけど、約500人が足を運んだんだ!

商店街に武士が現る!?「いかがでござるか」

武士に扮した出展者の方

武士に扮した出店者

武士マルシェのユニークな点は、奉還町商店街の歴史を物語る、エンターテイメント性を取り入れたこと。出店者たちは、ちょんまげのかつらや着物、おもちゃの刀等を身に着けて武士に扮し、語尾に「ござる」をつけて話す等、当時の雰囲気を演出。「いかがでござるか」と声をかけられると、思わず昔にタイムトリップしたかのような気分になれます。

個性豊かな出店者たち

番茶の試飲の様子

煎じたばかりの番茶の試飲も

カフェを構える出店者たち

県北にカフェを構える出店者

通り沿いには、食品や雑貨等の出店がずらり!新庄村の農園・料理教室からは無農薬栽培の米や餅、薬膳スウィーツを。真庭市勝山のカフェからは無農薬・非化学肥料の豆のコーヒーを。美作市の茶園からは煎じたての番茶を…。商店街の既存店では、ヒエ・アワ入り麦ご飯に豆腐の味噌漬け等を合わせた江戸時代風ランチを出すカフェ、特大のいちご大福を作る和菓子店、ステンシルのワークショップをするギャラリー等、当日限定の企画を行うところも!

武士マルシェでは、岡山市内をはじめ中山間地域で独自のこだわりを持って頑張る生産者や店舗にも出店を呼びかけ、初回ながら約30店が参加しました。
あえて中山間地域の店にも出店を呼びかけた背景には…
  • 「小商い」という、わずかの元手で行う小規模な商売をしたい人々への支援
  • 小商いを営む人々が奉還町商店街を知り、将来的に奉還町商店街の空き店舗を活用するきっかけづくり

等々、武士マルシェ当日だけに留まらない、奉還町商店街の将来を見据えたねらいもあるそうです。

餅つきの様子

わいわい広場で開かれた餅つき

奉還町3丁目にある「わいわい広場」では、「西奉還町商店会」をはじめとする地域の人々が餅つきを行い、「よいしょ!よいしょ!」の元気な掛け声が響きました。

わいわい広場では、毎月第3土曜日に月替わり謝恩イベントとして、魚の解体ショーや豚汁ふるまい等、季節に合わせた催しが行われています。武士マルシェとの「コラボ」イベントとして開催されたこの日は、いつもより多くの人がわいわい広場に集まったそうです。

踊り念仏?侍画家?趣向を凝らした余興・イベントにも注目!

寸劇の様子

パフォーマンスユニットによる「寸劇」

踊り念仏の様子

ダンサーでもある僧侶による「踊り念仏」

岡山県内や近県からゲストを迎え、アーケード内の各所で行われた余興やイベントも盛況!

忍者や侍に扮してにぎやかに寸劇を繰り広げたのは、ダンスや芝居をメインに中四国で活躍する男性3人のパフォーマンスユニット。なんと、県外からも追っかけのファンが来たそうです。そして、艶やかな着物姿の女性書道家が目の前で勢いよく筆を走らせるライブ書道や、ダンサーでもある僧侶が念仏を唱えながら激しくもしなやかに動く「踊り念仏」。出店者や来場者の似顔絵を侍姿にして描く「似顔絵辻斬り」をしながら会場をめぐる「侍画家」も登場しました。
福引コーナーの行列

雨の日にも関わらず多くの人が足を運びました。

侍作家の活動

福引は子どもたちにも人気!

福引コーナーには、傘をさした人々の行列ができ、「壺」のクジを楽しんでいました。クジに当たると侍のイラスト入りトレーナー等のプレゼントが!外れても、パフォーマンスユニットの若侍たちに、「辻斬りパフォーマンス」をしてもらえるという、照れくさいけれどわくわくするお楽しみもありました!

プレゼントの中には、西奉還町商店街のお店で利用できるサービス券もあり、武士マルシェ以外の日にも商店街に足を運んでほしいという思いが伝わってきます。

武士マルシェのしかけ人は!?

西奉還町武士マルシェ寄合

カツラをつけて打ち合わせを行う西奉還町武士マルシェ寄合

武士マルシェが生まれるきっかけとなったのは、「有機生活マーケットいち」を運営する株式会社いち代表の河上直美さんが、2015年夏に西奉還町商店街でゲストハウスを営む北島琢也さんにマルシェ開催の話を持ちかけたこと。北島さんが、河上さんの提案を西奉還町商店会に橋渡をしたことから、新しいマルシェを立ち上げる話が具体化しました。そして西奉還町商店街の若手店主たちも巻き込んで、「西奉還町武士マルシェ寄合」が発足。西奉還町商店会と、立ち上げ支援を行う株式会社いち、進行支援を行うNPO法人岡山NPOセンターと一緒に、武士マルシェ開催に向けて本格的に動き出しました。


下町情緒や「武士」を観光資源にした奉還町商店街の活性化だけでなく、小商い支援や空き店舗の再生も目指す武士マルシェ。
次回は、「武士」というユニークな切り口のマルシェを提案し、実行委員長も勤める北島琢也さんと、そのサポートを買って出た河上直美さんに、これまでの裏話や未来への展望についてお聞きしたインタビューをご紹介します!
のっぷ

岡山市で新しく動き出したユニークな取り組み。これからどんな楽しみを生み出していくのかな?わくわくするね!

西奉還町武士マルシェ寄合

なお「いきいき社会貢献」では、「取材にきてほしい!!」という企業を募集中です。希望される方はお問い合わせフォームより、企業名、社会貢献活動の内容を添えてご連絡ください!