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いきいき社会貢献 その4【株式会社栄工プラントと株式会社チャレンジド岡山】

[2015年1月29日]

ID:40435

「いきいき社会貢献」では、のっぷとティアが社会貢献活動に取り組む岡山の企業を取材します。第四回は、株式会社栄工プラントと株式会社チャレンジド岡山におじゃましました!
なお、内容は取材当時のものです。

ぎぎぎぎっ
ごごごごっ
がっこんがっこんっ

岡山市南区にある、株式会社栄工プラント(以下、栄工プラント)の工場では、大きな機械の音が鳴り響きます。

栄工プラントの様子

金属の加工技術でつくりだされるのは、オフィス家具や自動車の部品等、どれも私たちの身近な生活を支えるものです。そんな栄工プラントは、製造業を営む普通の企業かと思いきや、「障がいを持つ人の働く場」でもあります。

今回の「いきいき社会貢献」では、企業による「障がいを持つ人の仕事おこし」についてご紹介します。

栄工プラントとは?

栄工プラントでつくられた製品の写真

栄工プラントでつくられた製品

栄工プラントの工場の写真

栄工プラントの工場の様子

栄工プラントでは、現在約50名の社員のうち障がいを持つ4名の人が働いています。

彼らが担うのは、プレス機・旋盤機等の機械操作や型抜き、バリ抜き等、どれも金属加工の過程において重要な業務ばかり。彼らはそれぞれの障がいや適性、得意分野、自身の意思に合わせて任された業務に取り組んでいます。

障がいを持つ人の雇用を始めた2つのきっかけ

栄工プラントが障がいを持つ人の雇用を始めたきっかけは、2つあると社長の時國さんはいいます。

1つ目は時國さんの父巧さんが仕事中に指を切断する事故にあったこと。そのことから「障がいを持つ人の働く環境づくり」について考えるようになったのだそうです。
そして2つ目のきっかけは、時國さんの小学校時代の恩師で、当時養護学校(特別支援学校)の副校長だった方から一人の生徒を紹介されたことでした。1989年から社員として働き出し、20年以上経った現在でも栄工プラントで活躍する彼を皮切りに、障がいを持つ人を受け入れる環境や体制づくりを始めました。

栄工プラントの社長・時國敦範さんにお話をききました。

栄工プラントの社長・時國敦範さん

「一般では、障がいを持つ人全員に同じ業務を任せる作業所が多いかもしれません。しかし、一人ひとりと向き合いそれぞれの障がいや適性に合わせた業務を任せると、大きな成果が生まれます。
障がいを持っているから特別に接するのではなく、一人の人間として尊重する姿勢が大事だと感じています。

そのためには、毎日のコミュニケーションが一番!ちょっとした談笑やスキンシップから彼らの性格や個性を知ることができます。他の社員たちも一緒にご飯を食べたり、休憩時間には一緒にゲームで遊んだりして、『一緒に働く仲間』として関係を深めています。」

働く上で大切な「EIKOルール」

栄工プラントには、「EIKOルール」という働く上で大切な7つのことをまとめたルールがあります。

  1. 毎日会社に出勤できること
  2. あいさつができること
  3. 自分のことは自分でできること
  4. 意思表示ができること
  5. 一生懸命仕事すること
  6. まわりに迷惑をかけないこと
  7. けんかをしないこと

EIKOルールに記されているのは、あいさつをすることやまわりに迷惑をかけないこと等、当たり前でもつい忘れてしまうようなことなのかもしれません。
しかし、障がいをもつ人は、これらのルールをしっかり守り一生懸命仕事に励んでいるのだそうです。
他の社員たちも、そんな純粋で一途な彼らから教わることがたくさんあるのだとか。

のっぷ

EIKOルールのように企業が大切にしている理念やルールには、働く人にとって大事なものがたくさんあるんだね。障がいを持つ人々が基本的なルールをしっかり守って働く姿に、他の社員も刺激を受けているんだね。

株式会社チャレンジド岡山

子供のイラスト

一人ひとりの障がいや適性にあった仕事ってどうやって見つけているんだろう?

ティア

障がいを持つ人にあった仕事を掘り起こすために、時國さんは2012年に株式会社チャレンジド岡山を立ち上げたんだ!

株式会社チャレンジド岡山の方たちの写真

株式会社チャレンジド岡山(以下、チャレンジド岡山)は、障害者就労継続支援A型事業所として、現在15名の障がいを持つ人に就労や生活における訓練の場を提供しています。
社名の「チャレンジド」は、欧米で障がいを持つ人を表す「チャレンジドピープル」という言葉に由来します。障がいを持つ人や作業所に「ポジティブなイメージをつくりたい」という時國さんの温かな思いが込められています。

チャレンジド岡山の作業の様子1
チャレンジド岡山の作業の様子2

チャレンジド岡山では、平日午前10時から午後4時まで、工業製品の製造や通信教育の封入等の作業が行われています。
また、時國さんは毎日午後4時から行われる終礼に参加し、チャレンジド岡山でがんばる社員の様子を温かく見守っているのだとか。

チャレンジド岡山の特徴

特徴1:障がいをもつ人の仕事起こし

前述のように、栄工プラントで働く人々には、それぞれの障がいや適性に合った業務が任されています。その仕事を掘り起こすための第一ステージとしてチャレンジド岡山があります。

チャレンジド岡山では、今できることをどのように活かして働くか、訓練を通じてどのように成長したいか等の本人の能力や意思、興味に沿った明確なプログラムをもとに、就労や生活の支援が行われています。
また、本人の成長度合い等によって、新しいステージを開拓するサポートも行っており、栄工プラントもその選択肢の一つです。

ティア

栄工プラントで働く人の中には、チャレンジド岡山で就労訓練を受けた人もいるんだって!

特徴2:「株式会社」という形

男性のイラスト

チャレンジド岡山は「株式会社」として運営されているんだね。その理由は何なんだろう?

障害者就労継続支援事業所は、現在NPO法人や社会福祉法人、一般社団法人等の様々な形態で運営されています。
各形態にはそれぞれメリット・デメリットがありますが、「株式会社」という形態で運営されている背景には、「障がいを持つ人の働く場が一つの企業として経済活動に参画する」という目的があります。

経済活動に参画することは、生活保護や障害年金だけに頼らず、一人ひとりの努力でより豊かな生活を築くことにつながっていくのです。

まとめ:自然体でいること

時國さんの写真

障がいを持つ人の雇用を促進するために大切なことは、「まずは彼らと接すること」であると時國さんは語ります。
2013年4月に社員50名以上の企業では、50名に1名の割合で障がいを持つ人の雇用が義務付けられました。一般企業でも障害者雇用に対する関心は高まっているようですが、現実に雇用している企業はまだまだ少ないそうです。
最初から雇用することに高いハードルを感じるなら、実習先として特別支援学校に通う生徒を受け入れることから始められるといいます。

「障害者支援」というと少々とっつきにくく聞こえがちかもしれません。
しかし、「社会貢献っていうとむずがゆいなー」と照れ臭さそうに笑いながら、栄工プラントやチャレンジド岡山に対する思いを語った時國さんからは、何の気負いもなく自然体で取り組んでいる様子が感じられました。

自然体でいることは「続けていく」ために大切な姿勢であり、障がいを持つ人がずっと働き続けられる環境を支えていくために欠かせないことなのかもしれません。これからもその取り組みが途切れることなく広がっていくといいですね。

株式会社栄工プラント

  • 住所
    岡山県岡山市南区箕島1087[地図
  • 連絡先
    電話番号:086-282-4415
    ファックス番号:086-281-3277

株式会社チャレンジド岡山

岡山県内で障がいを持つ人々のために活動する団体を見てみる

岡山県内では、障がいを持つ人々の暮らしをサポートするために活動する団体がたくさんあります。どんな団体が活動しているのか見てみましょう!

のっぷ

次はどんな企業におじゃましようかな?楽しみだなぁ!

なお「いきいき社会貢献」では、「取材にきてほしい!!」という企業を募集中です。 希望される方はお問い合わせフォームより、企業名、社会貢献活動の内容を添えてご連絡ください!