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館蔵品展 シティ・ライフのはじまり、オリエント 2022年冬

[2024年2月29日]

ID:44555

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シティ・ライフ2022冬

約10年ぶりに改訂した新館蔵品展のテーマは「都市生活」です。第1フロアでは、都市の日常生活、都市で華開く技術、都市生活者が感じる不安、都市を成立させる仕組みなど4つトピックを取り上げ、「テキスタイル」「化粧」「アクセサリー」「ヘアスタイル」といった親しみやすいものごとのはじまりを館蔵品から紹介します。第2フロアではオリエント世界を西から東へたどりながら、地域ごとのシティ・ライフとその背景を紹介します。最古の都市住民が育んだオリエントの美術工芸は、現代の私たちに何を語りかけてくれるのでしょうか。

会期、開館時間

2022年12月6日(火曜日)-2023年9月3日(日曜日)

午前9時から午後5時 *入館は午後4時30分まで

休館日

毎週月曜日

  • 12月28日(水曜日)-1月4日(水曜日)は、年末年始の休館。
  • 1月9日(月・成人の日)は開館し、翌10日(火曜日)に休館。

入館料

一般 310円(団体料金250円)
高校・大学生 210円(団体料金160円)
小中学生 100円(団体料金80円)

開催日程、内容が変更になる場合がございます。最新情報を確認のうえ、ご来館ください。

みどころ

第1フロア シティ・ライフのはじまり

現代のシティ・ライフでは当たり前の物事には、オリエントに起源するものが多くあります。私たちのシティ・ライフの様々な場面のはじまりを、オリエント世界から紹介します。

1. 都市生活のはじまり

獅子装飾耳飾り

オリエントでは約5000年前に都市が出現し、最古の文明をはぐくんできました。化粧やアクセサリ、はきものやパンなど、現代の私たちにとっては「あたりまえ」のものは、オリエントの都市の中でどのように始まったのか、人々の試行錯誤を収蔵品から読み解きます。

獅子装飾耳飾り
シリア、1-3世紀、金、径3.2cm

2. 都市で華開く技術のはじまり

楔形文字粘土板文書(土地の売買契約文書)

現代の都市社会を維持するうえで必須な技術の多くはオリエントでその基礎が開発されました。都市には様々な種類の人々が集い、ニーズが多様化、大量化していく中で、職業も専門化していきます。文字や金属、ガラスや陶器生産など、オリエントで興った専門技術のはじまりを紹介します。

楔形文字粘土板文書(土地の売買契約文書)
メソポタミア、前2400年頃、粘土、縦7.5cm

3. 都市生活者が直面する不安

彩色木棺断片(ミイラの口開けの儀式の部分)(さいしきもっかんだんぺんとうぶ(みいらのくちあけのぎしきのぶぶん)

現代的な観測技術がなかった古代オリエントの都市において、自然災害や疫病の原因を神々や精霊、悪霊の仕業と考えました。そして多くの人々が集まる都市では、人間同士の様々なトラブルも発生します。オリエントの工芸品からは、当時の人々がそうした不安や問題にどのように対処しようとしたのかがうかがわれます。

彩色木棺断片(ミイラの口開けの儀式の部分)
エジプト、前650-30年頃、木・彩色、長64.0cm

4. 都市の仕組みと恵み

多彩飲酒人物文皿

都市は都市だけですべてをまかなえるわけではありません。オリエントにおいては特に、天然資源の乏しい場所に都市文明が興りました。都市の周辺地域で生産された畜産物や、貴石や鉱物、木材などの天然資源を集めるシステムを構築できた場所で都市が発達したのです。こうして遠く離れた地域との接触から、また新しいものが生み出されていくのも都市のの特徴です。

多彩飲酒人物文皿
イラン、10世紀、陶器、径19.1cm

第2フロア オリエントのシティ・ライフを旅する

地中海地域から中央・南アジアにいたる広大なオリエント世界。それぞれの自然・地理環境と他地域との交流の中で独自の文化・歴史が展開してきました。オリエント各地のシティ・ライフをたどります。

1. エジプト、ギリシアのシティ・ライフ

アフリカ北西部を南北に流れるナイル川、定期的な氾濫で潤される川岸、その外側の砂漠地帯、東から上り西に沈む太陽。こうした地理的特性をうまく利用して古代エジプト文明は栄え、またその独特な世界観が生まれました。

エーゲ海の島々、ギリシア本土では紀元前3200年頃から繁栄、衰退を繰り返してきました。紀元前1200年頃からのいわゆる「暗黒時代」を経て、紀元前8世紀に都市国家(ポリス)が形成されました。ギリシア陶器には人々の暮らしや神話が描かれました。


ネコ像

猫像
エジプト 紀元前664-332年頃
銅合金 高15.5cm

ギリシア陶器

赤像式鐘形クラテール
ギリシア、アッティカ地方 紀元前4世紀
土器 高40.0cm

2. 肥沃な三日月地帯のシティ・ライフ

グデア粘土釘

東地中海沿岸からトルコ南部、メソポタミア地域にかけての地域は「肥沃な三日月地帯」と呼ばれます。その北縁は野生ムギが生育できる降水量があり、初期農耕村落が興りました。やがて灌漑技術を身につけた人類は南メソポタミア沖積低地に進出し、エジプトと並び人類最古の都市文明を築きます。

ローマ・ビザンツ帝国はユーフラテス西岸まで勢力を広げ、西アジアは東西文明の接点となり、さまざまな民族・文化・宗教が行き交い、重層的で複雑な歴史や文化が形成されました。

グデア王銘入奉納粘土釘
イラク、ラガシュ 紀元前2100年頃
粘土 長12.0cm

3. イラン王朝時代のシティ・ライフ

銀杯

紀元前6世紀以降、オリエント世界はイラン高原に起源するペルシア諸王朝が君臨します。アケメネス朝時代にはエジプトからインダス川流域まで支配するという空前の大帝国となりました。広域支配するための交通システムを確立しました。この道路はローマ時代においても利用されていました。その後の諸王朝もユーフラテス川からインダス川を支配し、シルクロードを通じて東西の文明が交流しました。

ロータス文浅鉢
イラン 紀元前6-4世紀
銀 径16.0cm

4. 南・中央アジアのシティ・ライフ

紀元前2600-1900年頃、インダス平原に栄えたインダス文明は、洗練された都市をいくつも築きました。しかしインダス文字が未解明なため詳しいことが分かっていません。メソポタミア側の記録により、紅玉髄、メノウ、ラピス・ラズリの輸出が重要な経済源だったことが分かっています。

アレクサンダー大王の東征により、ギリシアやローマの文化がオリエント世界の奥地にまで広がりました。ガンダーラの仏教彫刻にはギリシア神話の神々が登場します。

インダス印章

インダス式印章
パキスタン 紀元前2600-1900年頃
凍石 2.2x2.2cm

アトラス

アトラス像断片
パキスタン、ガンダーラ地方 2-3世紀
片岩 高19.3cm

お問い合わせ

教育委員会事務局生涯学習部オリエント美術館

所在地: 〒700-0814 岡山市北区天神町9-31 [所在地の地図]

電話: 086-232-3636 ファクス: 086-232-5342

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