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特別展 ヒンドゥーの神々の物語 みどころ

[2022年6月29日]

ID:37581

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ヒンドゥー

特別展「ヒンドゥーの神々の物語」は、ヒンドゥー教の神々や神話の場面を描いた20世紀前半の大衆宗教画のオレオグラフを中心に、ヒンドゥー教よりはるか以前の古代の土器や彫像などの工芸資料に始まり、織物、雲母やガラス板に描かれた神様絵、かつては家の壁に描かれた民俗画、そして現代のイラストレーションまで約500点を展示します。展示の構成と作品を少しだけ紹介します。

序章 インド世界の誕生-土・石・金属の造形

南アジアでは紀元前2600年頃にインダス文明が栄えました。大きな都市遺跡では宗教施設と思われる遺構が確認され、神官や神を思わせる彫像などが見つかっています。しかしインダス文字はいまだ解読されていないため、どのような宗教だったかはわかりません。しかしインダス文明、あるいはそれ以前の古代文化の土器や土偶などからは自然や動物、女性を豊穣の象徴として敬う信仰があったと思われます。

コブウシ

コブウシ土偶
紀元前2200-2000年頃
古代オリエント博物館蔵
コブウシは先史時代から大切な動物だったようです。

女性土偶

女性土偶
紀元前3000年頃
古代オリエント博物館蔵
女性の豊かな部分が強調されています。

第1章 煌びやかなイメージ-更紗・細密画・ガラス

17世紀以降のインドで、各地の王族やイギリスの高級官吏向けの美術品として制作された、更紗や細密画などの伝統絵画を紹介します。またガラス板や雲母板という新しい画材も採用されました。

更紗

クリシュナ図金更紗
17-18世紀
平山郁夫シルクロード美術館蔵
金や銀の糸で刺繍された寺院を飾る布。本尊の「後ろの掛け物」という意味のピチュワーイーと呼ばれます。

ガラス絵

女性楽士に囲まれるクリシュナ
19世紀後半-20世紀前半
福岡アジア美術館蔵(黒田豊コレクション)
ガラス板の裏側から描かれています。礼拝に使われました。

第2章 民衆に愛される神々-民俗画・刺繍・祭り

人々の暮らしの中で描かれ受け継がれてきた民俗画や寺院前で売られていた安価な絵など、庶民に親しまれたヒンドゥー美術を紹介します。

ミティラー画

ボウワー・デーヴィー作 クリシュナと牛
1996-97年
福岡アジア美術館蔵
コンクリートの疑似壁に描かれています。本来は民家の土壁や床に描かれ、母から娘へ受け継がれてきました。

カンタ

千花弁の蓮とヒンドゥーの神々
19世紀中ごろ
福岡アジア美術館蔵
カンタと呼ばれる刺し子布です。古くなったサリーなどの布を重ねて刺繍し、布団や敷物に使われました。この作品は特に豪華で、特別な日の儀礼の敷物として使われました。

第3章 印刷技術とグローバル時代の到来-書物・オレオグラフ・陶磁器

大航海時代、ヨーロッパ諸国がインドに到来。博物学的な調査が行われ、書物・印刷物に記録されました。ヨーロッパで発達した印刷技術はインドにも伝わり、インド人画家のラヴィ・ヴァルマーの作品が印刷物として多数複製され、ヒンドゥー神話のイメージがインド中に流布していきました。

ガンガー

ラージャー・ラヴィ・ヴァルマー作
ガンガー女神の降下
20世紀前半
福岡アジア美術館蔵
20世紀前半、油絵の質感を忠実に再現できる高級石版画=オレオグラフが発達しました。

マッチラベル

サラスヴァティ―(日本製マッチラベル)
1910年代-1920年代
黒田豊コレクション
明治から大正期に日本製のマッチはインドに盛んに輸出されました。そのパッケージも日本で制作されました。

第4章 ヒンドゥーの神々の諸相

ヒンドゥー教の中でも人気の高い神々と、その物語を紹介します。

アバターラ

ヴィシュヌの10の化身
1920年代
福岡アジア美術館蔵(黒田豊コレクション)
ヴィシュヌはヒンドゥー教三大神の一柱で世界の維持を担います。人間の世界に様々なアヴァターラー(化身。アヴァターの語源)で降臨し、善と悪のバランスを回復します。

ラクシュミー

ラージャー・ラヴィ・ヴァルマ―作 ラクシュミー
20世紀前半
福岡アジア美術館蔵
乳海攪拌の末に現れた美しい女神。ヴィシュヌの妻となります。

クリシュナ

笛を吹くクリシュナ
20世紀前半
福岡アジア美術館蔵(黒田豊コレクション)
怪力の持ち主にして笛の名手、賢くていたずら好きのトリックスター、クリシュナ。ヒンドゥー神話の中でも人気の高い神様です。

ハヌマーン

薬草の山を運ぶハヌマーン
20世紀前半
福岡アジア美術館蔵
「ラーマーヤナ」では、主人公のラーマ一行を助け、超絶的な能力で大活躍します。

シヴァファミリー

シヴァとパールヴァティとガネーシャ
20世紀前半
福岡アジア美術館蔵
ヒンドゥー教三大神の一柱シヴァは破壊と創造の神。その妻パールヴァティと象頭の息子、ガネーシャです。

カーリー

カーリー
20世紀前半
福岡アジア美術館蔵(黒田豊コレクション)
死と破壊の女神、カーリー。貞淑で優しいパールヴァティの別の姿ともされます。

第5章 21世紀へ-物語は語り継がれる

現代の作家にとってもヒンドゥー神話の世界は魅力的なようです。ラヴィ・ヴァルマ―の絵画やそれ以前のイメージを踏襲しつつ、新しい表現が生み出され続けています。時代とともに変転し続けるヒンドゥーの神々の物語を紹介します。

ラーヴァナ

ムケーシュ・シン作 究極の征服者ラーヴァナ 2013年 作家蔵

ガネーシャ

アビシェーク・シン作 永遠のガネーシャ
2018年 作家蔵

ナタラージャ

アビシェーク・シン作 シヴァ(ナタラージャ)
2017年 作家蔵

お問い合わせ

教育委員会事務局生涯学習部オリエント美術館

所在地: 〒700-0814 岡山市北区天神町9-31 [所在地の地図]

電話: 086-232-3636 ファクス: 086-232-5342

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