東日本大震災、西日本豪雨に続く新型コロナウイルスの感染拡大で、都市化とともに大規模な災害にも見舞われやすくなったことが改めて実感されました。
岡山市立中央図書館には、岡山市へ合併された旧町村に由来する役場文書や、市民から寄贈された古文書が多数収蔵されており、その中には近世以来、岡山を襲った地震、水害、感染症による災害の貴重な記録も含まれています。
このたびは、岡山市域で過去にあった災害の記録をまとめて展示し、被害の状況と、災害を乗り越えるために人々が行った努力を、資料の読み解きを通じて考えます。
(注意)
場所が変わっても展示内容の変更はありません。
前期 令和2年7月16日(木曜日)から8月1日(土曜日)
後期 令和2年8月7日(金曜日)から8月30日(日曜日)
午前10時から午後6時(入館は午後5時30分まで)
対象 | 個人(1人) | 団体(有料対象者20名以上の場合) の料金・1名あたり |
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一般 | 310円 | 250円 |
大学生・高校生 | 210円 | 160円 |
中学生以下 | 無料 | 無料 |
以下の方は免除となります。
岡山シティミュージアム
JR岡山駅西口向かい、リットシティビル南棟5階
岡山駅中央改札を出て西にまっすぐ。東西連絡通路を西に進むと左手に当館が見えます。
岡山シティミュージアム 電話 086-898-3000(休館日を除く)
この展覧会では、岡山市立中央図書館の所蔵品から、岡山市民が暮らす場である岡山市域で過去にあった災害の記録を79点展示し、過去の災害がどれほどの被害を及ぼし、その中で人々がどのようにして災害を乗り越える努力をしたか、そして再び大きな被害を起さないために、どのような対策がとられてきたかを、資料の読み解きを通じて考えます。
また、あわせて室戸台風水害や百間川の改修、および疫病除けの祭礼など、本展に関連する映像作品7点を会場内で上映します。
幕末に起こった安政南海地震の記録を、岡山城下町で町人社会の代表者である惣年寄を務めていた国富家の文書を中心に紹介します。
また、昭和21年に発生した昭和南海地震でも干拓地を中心に大きい被害が出ています。当時は藤田組の干拓工事が行われていましたが、被害の状況をいちはやく本社へ知らせようとした現地事務所の文書が残っています(旧藤田村文書)。
惣年寄から各町の代表者へ地震被害の有無を知らせるように尋ねる廻状(国富家文書)
被害を本社へ知らせる電文案(旧藤田村文書)
近世以来、岡山平野はたびたび大規模な水害に見舞われています。本展では嘉永3年、嘉永5年、明治25年、明治26年と、室戸台風にともなう昭和9年の水害の資料を展示します。
昭和9年の水害では岡山市街地の全域が浸水し、大きな被害が出ました。旭川の鉄橋も破損し、岡山市より西方の自治体へ救援要請が行われました。岡山駅の貨物室を臨時救護所として救援物資が配られましたが、そのとき福山市から送られた救援品の袋の貼紙を展示します。
嘉永5年の水害における百間川の堤防損壊状況を示した絵図(笠井家文書)
昭和9年の水害で福山市から贈られた救援物資の貼紙
日本では古代以来、天然痘が猛威を振るってきましたが、海外との交渉で新しい感染症も流入しました。江戸時代からはコレラの流行が始まり、チフスや赤痢も入ってきました。
近代医学の発展で感染症対策も進みますが、都市化の進展で感染症の大規模な流行も起こるようになります。明治期には各地に衛生組合が結成されて溝渠の浚渫や消毒など住民自身の活動が行われるとともに、自治体では隔離病舎の建設が進められ、予防接種や井戸水の水質検査も始まりました。岡山市では明治38年の上水道通水でコレラの流行はひとまず収束しました。興除村に大正期に建設された隔離病舎の平面図(旧興除村文書)
所在地: 〒700-0024 岡山市北区駅元町15-1 [所在地の地図]
電話: 086-898-3000 ファクス: 086-898-3003