令和元年度で12年目を迎えた「就実子育てアカデミー事業」。
代表者でもある就実教育実践研究センター長の原奈津子先生にその取り組みを伺いました。
大学として「子育て支援」の分野で何か地域貢献ができないかと考えたことからスタートしました。その後、岡山県の担当者をコーディネーターに、長年子育て支援に携わるNPOの方や地域の保育園・幼稚園・小学校、町内会の方などと協力して「就実子育てアカデミー実行委員会」を設立しました。
中心的な事業は、就実大学の人材や施設を生かした「親子ふれあいタイム」(不定期開催)です。令和になって新しい形でスタートしました。
大きく分けると2つの特長があります。
特長(1)大学ならではの「学び」
大学は学びの場、ということで、「親の学び講座」と題して、子どもや子育てについて学習ができる機会を設けています。講師となるのは主に、就実大学・就実短期大学の先生たち。とはいえ、難しい講義を行うのではなく、少人数で実践を交えながら行うスタイルなので、お母さんたちも気軽に参加してくれます。これまで、「ベビーヨガ」「離乳食」「感染症予防」などの講座を実施してきました。
今のお母さん・お父さん世代が子どもの頃、すでに「子どもの遊びの危機」がささやかれていました。たとえば、三間の減少についての指摘はその一つです。子どもたちに遊ぶ時間、遊ぶ空間、遊ぶ仲間、の3つの間が少なくなっているということです。
「親子ふれあいタイム」では、この3つの間を提供します。「親子ふれあいタイム」という時間、就実大学・就実短期大学という空間、そして学生という仲間です。就実大学・就実短期大学には、保育園や幼稚園、小学校の先生などを目指して学んでいる学生がいます。その学生による遊びのワークショップにより、遊びの内容を広げていきましょう。
この企画の本当のねらいは、「親子ふれあいタイム」という時間・空間・仲間にとどまらず、家庭で、そして地域で、親と子の遊び、子ども同士の遊びの輪を広げていくことにあります。
予定していた人数より、はるかに多くの親子の方が来てくださったので、とても嬉しく思いました。私たちとの関わりが広がっただけでなく、お子さんと親御さんとの関わりも深められたのではないかと思います。
また自分たちで計画し、製作・準備をしたことで、チームワークも深まりました。素敵な時間を過ごすことができ、私たちにとって有意義な学びとなりました。
就実子育てアカデミースタッフを含め、地域で子育てにかかわる人たちの質を高めることに力を入れていきたいと考えています。広く門戸を開いて専門的な研修を行うことで、地域全体の子育て支援力を向上させれば、よりよい地域貢献につながっていくのではないかと思います。
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就実大学・就実短期大学は100年以上の歴史を持つ学園で、中でも幼児教育の分野は50年以上の実績を有しています。
就実教育実践研究センターは、就実大学教育学部(平成23年度新設)と就実短期大学幼児教育学科が中心となって運営。乳幼児教育・初等教育および保育士・教員養成に関する教育・実践・研究を行い、地域の教育・保育の充実に貢献することを目的としています。
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