BCGは結核を予防するために接種する生ワクチンです。生後1歳までのBCGワクチン接種により、小児の結核の発症を52から74%程度、重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては64から78%程度罹患リスクを減らすことができると報告されています。標準的には、生後5ヵ月から8ヵ月の期間に1回接種します。
種類 | 標準的な接種年齢 (接種可能な年齢) | 接種回数 |
---|---|---|
BCG | 生後5か月から8か月未満 (出生後から1歳未満) | 1回 |
BCGは長きに渡り、世界中で安全に使用されてきたワクチンです。リンパ節の腫れや局所・全身の皮膚症状などの比較的軽度な局所反応は一定の頻度でみられますが、骨炎や全身性のBCG感染症、アナフィラキシーなどの重大な副反応の報告は稀です。
また、BCGワクチンを接種してから2週間くらい経つと、針の痕に一致して発赤や硬結が生じ、その後化膿してかさぶたを作ることがあります。このような反応は、BCGワクチン接種後には一般的にみられるものであり、特に接種後5、6週頃に最も強く現れるとされています。
通常は、接種した場所を清潔に保つことでこれらの症状は治りますが、数ヵ月以上に渡りジクジクしている場合や、針の痕が互いに癒合して大きな潰瘍になってしまった場合には、稀に治療をすることもありますので医療機関を受診して下さい。
BCGワクチン接種後に一般的にみられる、針の痕に一致して発赤や硬結が生じ、その後化膿してかさぶたを作るというような症状は、接種してから5、6週頃に最も強く現れるとされていますが、結核に感染している人にBCGワクチンを接種した場合、接種してから1週間から10日以内(多くの場合は3日以内)に同じような症状がみられることがあります。一種のアレルギー反応によるものと考えられていますが、このような現象を「コッホ現象」と呼びます。
コッホ現象は結核菌に似た菌(非結核性酸菌)に感染した場合でも発生することがあるので、必ずしも結核に感染していることを意味するわけではありませんが、このような症状が発現した場合には、速やかに接種医療機関を受診して下さい。
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