個人市県民税の所得割額は、前年の1月から12月までの所得金額に基づいて計算しますが、すべての所得を一括して扱うのではなく、所得の元となった経済活動などを基準にして10種類に分類されます(所得税での分類と同じ)。
そして、それぞれの所得ごとに所得金額の計算方法が定められています。
下の表はその概略です。よって、「例」として挙げているのは代表的なものであり、この表に記載されてなくても、課税対象となる所得があります。
所得の種類 | 例 | 所得金額の計算方法(概略) |
---|---|---|
利子所得 | 公債、社債、預貯金などの利子 | 収入金額 |
配当所得 | 株主や出資者が受ける配当、など | 収入金額-株式などの元本取得のために要した負債の利子 |
不動産所得 | 土地や建物などの貸付による所得(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除く) | 収入金額-必要経費-事業専従者控除額等 |
事業所得 | 事業(農業、製造業、小売業、サービス業、医師、など)から生じる所得 | 収入金額-必要経費-事業専従者控除額等 |
給与所得 | 勤務先から受け取る給料、賞与など(名称は問わない。ただし、退職所得に該当するものを除く) | 収入金額-給与所得控除額-特定支出控除額 (下の「速算表」をご参照ください。)(*1) |
退職所得 | 退職により勤務先等から受け取る退職金など(名称は問わない) | (収入金額-退職所得控除額)×2分の1 ただし、役員等としての勤続年数が5年以下の役員等の場合は、収入金額-退職所得控除額 |
山林所得 | 山林を伐採して譲渡した場合の所得及び立木の状態で譲渡した場合の所得 (山林を取得後5年以内に伐採又は譲渡した場合を除く) | 収入金額-必要経費-特別控除額 |
譲渡所得 | 土地・建物、骨とう品などの資産を売って生じる所得 | 収入金額-資産の取得価額などの経費-特別控除額 (ただし、長期譲渡(*2)所得の場合は、上の式によって得られる金額の2分の1) |
一時所得 | 上の8種類のいずれにも該当しない一時的な所得で、例えば次のようなもの。 ・懸賞やクイズなどでの賞金や賞品 ・競馬や競輪などの払戻金 ・生命保険等の一時金や満期返戻金 | 収入金額-必要経費-特別控除額 (ただし、課税される一時所得は、上の式によって得られる金額の2分の1) |
雑所得 | 上の9種類のいずれにも該当しない所得で、例えば次のようなもの。 ・公的年金等(国民年金、厚生年金、企業年金、恩給など) ・個人保険年金契約等によって受け取る年金 ・貸金業でない人が貸金によって得た利子 ・文筆業でない人が受ける原稿料や印税 | 公的年金等:公的年金等の収入金額-公的年金等控除額 (下の「速算表」をご参照ください。)(*1) 公的年金等以外:公的年金等以外の雑収入の金額-必要経費 |
(*1)給与収入や公的年金等の収入がある方は、後述の所得金額調整控除の項目もご参照ください。
(*2)ここでの長期譲渡とは、その年の1月1日において所有期間が5年を超える土地・建物等以外の譲渡をいいます。
詳細については、下のリンク先もご覧ください。所得税に関する解説ですが、個人市県民税の所得の種類分けでも、そのまま適用されます。
「勤務先からの給与支給額」や「事業の取引先から受け取った金銭」などの収入金額が、そのまま所得金額になるわけではありません。
具体的には、上の表の所得の種類ごとに、右欄の「所得金額の計算方法(概略)」によって所得金額を計算することとなります。詳細については、下のリンク先もご覧ください。
なお、前年のすべての所得が課税対象になるわけではありません。詳しくは、下のリンク先をご覧ください。
また、給与所得及び公的年金等の所得金額については、下の速算表によって計算することとされています。
給与所得については、次の速算表によって給与収入額(複数の勤務先等から給与収入を得た場合は、それらの合計額)から給与所得金額を求めます。ただし、特定支出控除額がある場合には、右欄により計算した給与所得金額からさらに差し引きます。
給与等の収入金額(*3) | 給与所得金額の計算式 |
---|---|
55万1千円未満 | 0円 |
55万1千円以上161万9千円未満 | 収入金額-55万円 |
161万9千円以上162万円未満 | 106万9千円 |
162万円以上162万2千円未満 | 107万円 |
162万2千円以上162万4千円未満 | 107万2千円 |
162万4千円以上162万8千円未満 | 107万4千円 |
162万8千円以上180万円未満 | A=収入金額÷4,000(小数点以下切り捨て) 給与所得金額=A×4,000×60%+10万円 |
180万円以上360万円未満 | A=収入金額÷4,000(小数点以下切り捨て) 給与所得金額=A×4,000×70%-8万円 |
360万円以上660万円未満 | A=収入金額÷4,000(小数点以下切り捨て) 給与所得金額=A×4,000×80%-44万円 |
660万円以上850万円未満 | 収入金額×90%-110万円(小数点以下切り捨て) |
850万円以上 | 収入金額-195万円(小数点以下切り捨て) |
(*3)1年間(1月から12月まで)に勤務先等から受け取った給与や賞与等の合計額になります(退職金は含みません)。具体的には次例のとおりです。
例1:1月から3月までA社に勤務していたが、そこを退職し、8月以降はB社に勤務した。
→A社からの給与額とB社からの給与額の合計額となる。ただし、A社からの退職金は含まない。
例2:1月から12月までX社に勤務したが、5月から11月までは「ダブルワーク」としてY社にも勤務していた。
→X社からの給与額とY社からの給与額の合計額となる。
公的年金等の所得金額については、次の速算表によって公的年金等の収入金額(複数の公的年金等を受給している場合は、その合計額)から公的年金等の所得金額を求めます。なお、年齢に応じて適用される表が異なります。
公的年金等の 収入金額 (A) | (P)が1,000万円以下 | (P)が1,000万円超 2,000万円以下 | (P)が2,000万円超 |
---|---|---|---|
330万円未満 | (A)-110万円 | (A)-100万円 | (A)-90万円 |
330万円以上 410万円未満 | (A)×75%-27万5千円 | (A)×75%-17万5千円 | (A)×75%-7万5千円 |
410万円以上 770万円未満 | (A)×85%-68万5千円 | (A)×85%-58万5千円 | (A)×85%-48万5千円 |
770万円以上 1,000万円未満 | (A)×95%-145万5千円 | (A)×95%-135万5千円 | (A)×95%-125万5千円 |
1,000万円以上 | (A)-195万5千円 | (A)-185万5千円 | (A)-175万5千円 |
公的年金等の 収入金額 (A) | (P)が1,000万円以下 | (P)が1,000万円超 2,000万円以下 | (P)が2,000万円超 |
---|---|---|---|
130万円未満 | (A)-60万円 | (A)-50万円 | (A)-40万円 |
130万円以上 410万円未満 | (A)×75%ー27万5千円 | (A)×75%ー17万5千円 | (A)×75%ー7万5千円 |
410万円以上 770万円未満 | (A)×85%-68万5千円 | (A)×85%-58万5千円 | (A)×85%-48万5千円 |
770万円以上 1,000万円未満 | (A)×95%-145万5千円 | (A)×95%-135万5千円 | (A)×95%-125万5千円 |
1,000万円以上 | (A)-195万5千円 | (A)-185万5千円 | (A)-175万5千円 |
※上の表で(P)とは、「公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額」を示します。
なお、次項でご説明する所得金額調整控除が適用される場合、(P)は当該控除が適用された後の金額となります。
一定の要件を満たす場合、給与所得及び公的年金等の所得金額の計算において、以下の2つの所得金額調整控除が適用されます。(令和3年度から)
納税者本人の給与等の収入金額が850万円を超え、下の1.から3.のどれかに該当する場合、給与所得の金額から、下の式で求められる額を控除します。
(*4)ここでは、扶養親族控除の適用の有無とは関係しません。よって例えば、夫婦が共に上の条件を満たす場合は、双方に適用されます。
(*5)この金額が1,000万円を超える場合は、1,000万円として計算します。
納税義務者本人に、給与所得及び公的年金等にかかる所得の両方があり、その2つの合計額が10万円を超える場合、給与所得の金額から、下の式で求められる額を控除します。
(*6)この金額が10万円を超える場合は、10万円として計算します。
上の2つの所得調整控除額の両方に該当する場合は、最初に1を適用し、次に2を適用します。
個人市県民税の所得割額は、原則として、前年の1年間(1月から12月)の所得金額を合計する「総合課税」で計算します。ただし、次のものについては、他の所得と区分して税額を計算する「分離課税」が適用されます。
なお、分離課税となる所得には、総合課税とは異なる税率が適用される場合があります。(次項参照)
(*7)上場株式等の配当所得や、株式等に係る譲渡所得の申告については、下のリンク先もご覧ください。
個人市県民税の所得割額の計算で使用する税率は、総合課税分と分離課税分とで区別して、下の表のように定められています。
市民税 | 県民税 |
---|---|
8% | 2% |
市民税 | 県民税 |
---|---|
6% | 4% |
譲渡の種別 | 市民税 | 県民税 |
---|---|---|
長期譲渡(*8)所得 | 4% | 1% |
優良宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合(特定) 特別控除後の譲渡益:2,000万円以下の部分 | 3.2% | 0.8% |
優良宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合(特定) 特別控除後の譲渡益:2,000万円超の部分 | 4% | 1% |
所有期間10年を超える居住用財産を譲渡した場合(軽課) 特別控除後の譲渡益:6,000万円以下の部分 | 3.2% | 0.8% |
所有期間10年を超える居住用財産を譲渡した場合(軽課) 特別控除後の譲渡益:6,000万円超の部分 | 4% | 1% |
譲渡等の種別 | 市民税 | 県民税 |
---|---|---|
短期譲渡(*8)所得 一般分 | 7.2% | 1.8% |
短期譲渡(*8)所得 国等に対する譲渡 | 4% | 1% |
株式等の譲渡所得等 未公開分 | 4% | 1% |
株式等の譲渡所得等 上場分 | 4% | 1% |
上場株式等の配当所得 (分離課税を選択)(*9) | 4% | 1% |
先物取引に係る雑所得等 | 4% | 1% |
(*8)ここでの長期譲渡とは、その年の1月1日において所有期間が5年を超える土地・建物等の譲渡をいいます。
また、ここでの短期譲渡とは、同様に5年以下の譲渡をいいます。
(*9)申告により分離課税を選択した場合、個人市県民税の所得割額に対する配当控除が適用されません。また、総合課税を選択した場合、上の表のとおり、市民税は8%、県民税は2%が適用されます。
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