岡山市北区新庄下1271
電話:086-803-1611(岡山市教育委員会文化財課)
千足古墳は古墳時代中期(5世紀前半)の前方後円墳です。前方部が短いので「帆立貝形古墳」とも呼ばれます。造山古墳の南に築かれた6基の陪塚の一つです。2010年から2014年に発掘調査され、墳長約81m、後円部径約63m、後円部の高さ7.4m以上、前方部の幅26mとわかりました。また、古墳の形にそって掘られた溝が見つかりました。葺石は持っていなかったようです。
後円部には二つの横穴式石室(第1石室・第2石室)があります。第1石室には、熊本県から運ばれた石(天草砂岩)に直弧文というめずらしい文様が彫刻されています。死者を埋葬する墓室(玄室)は長さ2.9m、幅1.8m、高さ2.5mの規模で、安山岩という石を使って、壁がドーム状になるよう積み上げます。その中に石障と呼ばれる板石で四角い空間をつくります。玄門を出ると石の壁で囲まれた空間(羨道部)があり、ここは埋葬後埋められていました。
石室全体は九州北部、石障やドーム構造は九州中部の影響を受けており、安山岩は香川県から運ばれています。石室作りは西日本全域が関わっており、造山古墳を頂点とする吉備勢力の実力を物語っています。
千足古墳石室公開施設では、実際の初期横穴式石室を見学することができます。後円部南の見学用通路から入り、奥へ進むと、玄室の天井部に穴が開いており、そこから玄室内部をのぞき込むことができます。直弧文が彫刻された仕切石(複製品)も見ることができます。
※実物の仕切石(石障)は岡山市埋蔵文化財センターで保管しており、毎年期間限定で公開しています。
所在地: 〒700-8544 岡山市北区大供一丁目1番1号 [所在地の地図]
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