
岡山市中心部から旭川沿いを北へ車でおよそ30分。豊かな自然に囲まれた北区中牧地区に、市民農園「牧山クラインガルテン」があります。
約7ヘクタールの広大な敷地には、ラウベ(休憩小屋)付き農園や一般農園など500を超える区画が整備され、子どもからシニアまで、多くの人が野菜づくりを楽しんでいます。
この施設を管理・運営しているのがNPO法人牧景園です。
市民農園の運営だけではなく、里山の保全や農業体験、地域交流など、地域と共に活動を続けています。
今回は、理事長の本郷繁之さんに、地域への思いと活動についてお話を伺いました。

牧山クラインガルテン
本郷理事長
牧景園が設立されたのは平成26年。
岡山市が整備した「牧山クラインガルテン」の指定管理者として、地域住民が中心となって立ち上げたNPO法人です。
本郷理事長は設立当時を振り返ります。
「市民農園を管理するだけでなく、この豊かな自然や里山を次の世代へ残したいという思いがありました。地域のみんなで支え合いながら、牧山地区を元気にしていこうというのが活動の出発点です。」
少子高齢化や担い手不足が進む農村地域だからこそ、地域に暮らす人たちが主体となって活動を続けています。
畑の様子
牧景園の中心となる活動が、市民農園「牧山クラインガルテン」の管理・運営です。
園内には、ラウベ付き農園をはじめ、利用目的に合わせて選べる7種類の区画が用意され、初心者から経験者まで幅広い人が利用しています。
初めて家庭菜園に挑戦する人も多いため、スタッフが栽培方法や季節ごとの管理、収穫のタイミングなどを丁寧にアドバイス。
クワやスコップ、じょうろなどの農具は無料で貸し出され、耕運機や堆肥も利用しやすい料金で提供されています。
本郷理事長は笑顔で話します。
「農業は難しいと思われがちですが、分からないことは何でも相談してください。初めての方でも安心して始められる環境づくりを大切にしています。」
こうした手厚いサポートが、多くの利用者から親しまれている理由の一つです。
とれたての新鮮な野菜
牧景園の活動は、市民農園だけにとどまりません。
地域の課題に向き合いながら、さまざまな取り組みを展開しています。
これらはすべて、「地域で安心して暮らし続けられる環境を守りたい」という思いから始まった活動です。
自然環境を守ることと、地域で暮らす人を支えること。その両方を大切にしながら、一つひとつの活動を積み重ねています。
畑には、野菜だけではなく、人と人とのつながりも育まれています。
利用者同士が栽培方法を教え合ったり、収穫した野菜を見せ合ったりする光景は、この農園では日常の風景です。
本郷理事長は、こう話します。
「農業は、一人で黙々と作業するものではありません。畑で交わす何気ない会話や、収穫を喜び合う時間が、新しい交流を生み出しています。」
都市部では希薄になりがちな地域のつながりも、この場所では自然と生まれています。
11月の最終日曜日に開催される収穫祭は、牧景園を代表するイベントです。
一年間育ててきた野菜を持ち寄り、地域の農産物を味わいながら交流を深めるこの催しには、農園利用者だけでなく地域住民も参加します。また、毎月開催の青空市も人気で多くの人が訪れ賑わっています。
会場には笑顔があふれ、「また来年も頑張ろう」という声が飛び交います。
農業を通じて生まれた仲間との出会いが、新たな地域コミュニティを育んでいます。
青空市の様子
本郷理事長
牧山地区には、美しい里山や旭川の流れなど、都会では味わえない豊かな自然が残されています。しかし、その景観や農地を守るためには、多くの人の力が必要です。
本郷理事長は、これからの目標をこう語ります。
「市民農園を通して、もっと多くの方に農業や里山の魅力を知っていただきたいですね。そして地域の皆さんと力を合わせながら、この自然を次の世代へつないでいきたいと思っています。」
派手な活動ではなくても、一人ひとりの小さな参加が地域の未来をつくる。
そんな思いを胸に、牧景園は今日も人と自然、人と地域を結ぶ活動を続けています。
所在地:〒701-2144 岡山市北区中牧219番地
TEL・FAX:086-228-2280
主な活動
「人と自然、人と地域をつなぐ場所」として、これからも豊かな里山の魅力を未来へ伝えていきます。

ありがとうございました。
次はどちらの法人におじゃましようかなぁ。