
収蔵品紹介 第91回
石鏃の刺さった盾 南方(済生会)遺跡 岡山市北区国体町
弥生時代中期 南方(済生会)遺跡では多数の木製品が良好な状態で出土しました。その中には刀剣などの武器を模して作られたものや甲(よろい)など、戦いの存在を証明するものがいくつか存在します。今回紹介する盾もそのひとつです。盾は、残存長22.7cm、幅4.3cmの小片ですが、中央部に打製石鏃が刺さったままの状態で出土しました。日本では弥生時代から戦いがはじまったと考えられており、ここ岡山でも激しい戦闘があったことがわかります。矢を射かけ、盾で身を守るという、弥生時代の戦いの一幕が思い起こされます。