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平成22年2月提案理由

[2010年3月13日]

ID:14414

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平成22年度の当初予算並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,市政運営に関する所信を申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

平成22年2月定例市議会に提出した議案に対する市長提案理由説明要旨

はじめに

昨年秋に,「夢・実現」を掲げて市長選挙に臨みました私が,市民の皆様のご支持を賜り,2期目の市政の舵取りを担当させていただくようになって,早くも5か月近くが経過いたしました。また,本市が政令指定都市に移行して間もなく1年を迎えようとしております。
この間,私は,市民の皆様の負託にこたえられるよう,変わらぬ情熱を持って,都市ビジョンに掲げる「水と緑が魅せる心豊かな庭園都市」及び「中四国をつなぐ総合福祉の拠点都市」という夢の実現に向けて,全力で取り組んでまいりました。政令指定都市移行2年目となる新年度は,市民の皆様と力を合わせて政令指定都市にふさわしいまちづくりを本格化させ,都市ビジョンの実現に向けて引き続き全力で市政を推進し,市民の皆様が誇りに思い,心から大好きだと言える岡山を築いてまいりたいと考えております。
そのためには,厳しい社会経済情勢の中にあっても確固とした都市経営が行えるよう,さらに徹底した行財政改革を進めてまいります。
私は,市長就任以来真っ先に行財政改革に着手し,新規職員の3年間採用凍結や事業仕分けなどにより,1期目には決算ベースで年間約245億円の財政効果を上げ,市全体の借金残高を約682億円削減することができました。さらに,今年度は,職員給与の適正化,新規職員の採用抑制,事務事業の見直しなどにより,約49億円の財政効果を実現し,今議会にお諮りしております平成22年度当初予算に反映させたところです。
また,一般会計の借金残高は6年連続で減少しており,ピーク時の平成16年度と比較すると,439億円の減少となる見込みです。さらに,土地開発公社の土地保有額については,5年間で124億円の減少となり,健全化計画を1年前倒しで達成するなど,着実に改革の効果が上がっております。
しかしながら,経済情勢は昨年以上に厳しさを増しており,税収もさらに落ち込むことが予想されております。こうした中で,市民生活をしっかりと守り,都市ビジョンに掲げた政策を着実に遂行していくため,なお一層の行財政改革が求められております。このため,これまで行ってきた行財政改革の取組をさらに踏み込んだものにしてまいります。
先般,国においても事業仕分けが実施されましたが,本市では,これを単なる財政削減の手段としてではなく,市民評価者を通じた市民ニーズの把握や,学識経験者の意見聴取など,課題解決に向けた新たなアイデアを取り入れる場としても活用してきたところです。新年度においても,都市ビジョンに掲げる都市像の実現という観点から,事業の強化,廃止,縮小を検討し,事業の選択と財源の集中による効率的・効果的な事業展開に結び付けてまいります。
また,市役所内での業務分担について,政令指定都市移行後1年間の運営経験を踏まえて,全庁の事務事業のあり方を再点検するとともに,ゼロベースでの定員分析を踏まえて,市職員の採用中期計画を策定します。併せて,組織の隅々に及ぶ業務改善運動を行ってまいります。
さて,国政におきましては,民主党を中心とする新政権が発足して5か月が経過しました。新政権におかれましては,「コンクリートから人へ」,「地域主権」などのスローガンを掲げて平成22年度予算案を編成され,国会での審議が行われているところです。
いずれも理念としては意義深い考えであり,市民生活に直結した地方の実情や現在の社会経済情勢をきちんと踏まえた上で,実効性のある政策を展開し,国民の期待にこたえる新たな国づくりを力強く進めていただくよう期待しております。
このたびの予算編成を見ますと,政権公約でも特に注目を集めた子ども手当では,事前の情報提供や地方との協議を経ることなく,一方的に地方負担が求められることとなり,平成23年度以降の財源も未定であります。また,国民健康保険では,後期高齢者保険制度に伴う扶養家族の暫定措置が一片の事務連絡で財源措置もなく突然延期が要請される事態となっております。また,公立学校の耐震化に係る予算計上は,地方のニーズに対して不十分と言わざるを得ません。さらに,地方において高いニーズがある交通ネットワーク整備などの都市基盤整備に係る予算は,大きく減額されており,環状道路の整備など交通ネットワークの構築に重点的に取り組んでいる本市としても,先行きが大変憂慮される状況です。こうしたことは,地域主権の観点からは,大変に残念な状況だと思っております。
私といたしましては,今後も,指定都市市長会や全国市長会,国会議員との懇談の場をはじめあらゆる機会を活用して,市民生活を守る基礎自治体の立場で,また,全国の自治体をリードすべき政令指定都市の市長として,地域の実情を踏まえた国への提言や要望を行ってまいりたいと考えております。
新政権におかれましては,一日も早く,理想の実現に向けた道筋を明らかにしていただくとともに,国民や地方の声をしっかりとお聞きいただき,国と地方が対等な立場で協力し合える信頼関係を築いていただきたいと願っております。

平成22年度当初予算

続いて,政令指定都市・岡山の2年目となる平成22年度当初予算の概要について申し上げます。
このたびの予算編成に当たっては,徹底的に無駄を排除し,そぎ落とす一方で,政令指定都市発展枠を設けて事業を厳選し,政令指定都市として着実な発展を図り,都市ビジョンに掲げる都市像の実現に向けた取組をしっかりと推進できるよう知恵をしぼって編成いたしました。一般会計の予算額は,2,414億円で,平成21年度当初予算額と比較しますと,132億円,率にして5.8%の増となっております。これを本年1月に前倒しした補正予算を加えた実質ベースで比較しますと,140億円,率にして6.1%の増となっており,積極的な予算といたしました。
これは,子ども手当の創設や生活保護費など社会保障関係経費が大きく伸びたほか,乳幼児医療費助成事業の拡充など福祉施策を充実させたこと,また,必要な公共事業の確保や雇用対策にも力を入れたこと,さらに,政令指定都市発展枠を活用した事業として97事業,114億円を盛り込んだことによります。
歳入面では,景気の悪化により市税収入が今年度の40億円の減少に引き続き,さらに36億円減少すると見込まれます。しかしながら,49億円の行財政改革の効果により,財源調整のための基金からの取崩しを最小限の9億円にとどめた上で,必要な市民サービスや都市像実現のための事業はきちんと確保することができました。
新年度は,この予算に基づき,市民,事業者の皆様と力を合わせて,活力と魅力のある政令指定都市・岡山のまちづくりを進め,市民の皆様と共に描いた都市像の実現を目指してまいります。

都市ビジョンの七つの柱に沿って

それでは,都市ビジョンの七つの柱に沿って主な事業をご説明申し上げます。

一つ目の「多様で豊かな環境をいかす」では,市民協働で環境先進都市を目指すとともに,水と緑の豊かさを実感できる美しく風格のある都市づくりを進めます。
まず,ごみの減量化・資源化につきましては,昨年2月から家庭系ごみの有料化を実施し,1年が経過しましたが,ごみ減量効果は当初の予想を大きく上回っており,多くの市民の皆様のご協力に対しまして,改めて感謝を申し上げます。今後,ごみの減量化・資源化を一層推進するため,環境学習の充実などに努めるとともに,新たに公民館などを活用して使用済み蛍光管と食品トレイの常時拠点回収を6月から開始するなど,リサイクルの推進を強化します。市民の皆様には,引き続き一層のご協力をお願い申し上げます。
また,資源化率の向上と最終処分場の延命化を図るため,岡南環境センター及び当新田環境センターの焼却残渣をセメント原料として資源化する事業を平成23年度から実施できるよう施設整備を行います。併せて,平成26年度中の稼動を目指して西部リサイクルプラザの施設整備に向けた取組を進めてまいります。
また,家庭系ごみの有料化で得られる財源等を有効に活用して,自然エネルギーの利用促進や省エネルギー対策をはじめとする地球温暖化対策を積極的に推進します。
まず,晴れの日が多いという本市の特性をいかした自然エネルギーの普及を促進するため,今年度から住宅用太陽光発電システム等の導入に対して助成を行っておりますが,新年度は複合的地球温暖化防止設備を導入する事業者も新たに助成対象とします。併せて,市民共同発電所事業を新たに実施し,市有施設に太陽光発電などの自然エネルギー設備を導入する活動を行うNPO法人を支援します。
また,電気自動車の普及促進を図るため,市が率先して公用電気自動車の導入や充電設備の設置を行うとともに,民間事業者が行う電気自動車の導入や充電設備の設置に対する助成を行います。
さらに,市役所筋をモデル地区として,歩道の照明灯をLED照明に切り替えるとともに,官民が一体となってビルの省エネ等に取り組むエコ通り推進事業を実施します。
また,本年は国際生物多様性年であり,名古屋市でCOP10が開催されます。本市においても本年を生物多様性元年として位置づけ,身近な生きものの里事業や生物多様性地域戦略の策定などに取り組み,COP10の成功にも貢献します。
次に,水と緑の庭園都市づくりに向けた取組として,道路や公園などの公共空間の緑化を進め,緑のボリュームアップを図るため,今年度は4,000本を超える植樹を行うこととしておりますが,新年度も可能な限り植樹を行い,10年間で6万本の植樹という目標の達成に向けて取り組んでまいります。特に都心部については,水と緑の都心回廊の形成に向けて,岡山駅前広場の緑化や西川緑道公園の再整備を引き続き進めるとともに,公共施設の緑化を進める一環として,市営鹿田駐車場の壁面緑化を行います。さらに,市民の皆様と協働して緑化を推進するため,市街地中心部にある西川緑道公園や西大寺緑花公園などを活用して,市民参加型の緑化事業を実施し,緑化の気運を高めます。併せて,記念植樹の実施など市民の皆様が直接緑のボリュームアップに参加しやすい仕組みを検討し,実現を図ります。

二つ目の「街と田園のかたちを明確にする」では,都心や地域拠点への一層の都市機能の集積を図るとともに,歴史や伝統をいかした魅力ある都市づくりを進めます。また,災害に強い安全・安心な都市づくりを進めるとともに,人と環境に優しい交通体系の構築を目指します。
まず,都心部につきましては,城下町の歴史や伝統をいかし,風格と魅力あふれる都心づくりを進めてまいります。特に,城下町・岡山のルーツとも言うべき岡山城,後楽園等のカルチャーゾーン一帯には,歴史的な遺産や多数の美術館等の文化施設が集積し,また,かつての山陽道の賑わいを伝える県下最大の商業集積である表町商店街が隣接しています。
城下町の趣が,戦災と復興,都市の成長や発展の過程で次第に失われつつある中で,今日まで蓄積されてきた歴史・文化・伝統を岡山の誇りとして再認識し,後世に伝えていくことは,これからのまちづくりにとって重要なことであると考えております。
そこで,新年度から,都心創生事業として,市民,事業者の皆様と行政が知恵を出し合い,旧城下町エリア一帯の歴史・文化・伝統をまちづくりにいかし,政令指定都市・岡山の顔とも言える都心づくりを進めてまいります。
次に,懸案となっております岡山操車場跡地につきましては,都心の近くに残された広大で貴重な空間であることから,政令指定都市・岡山の将来の発展につながるよう,都市ビジョンに掲げる都市像の実現に向けて,そのシンボルとなるような活用を図ってまいりたいと考えております。
このため,日常は市内外の人々が集い憩える場となる魅力ある庭園都市のシンボルという視点,市民生活の安全・安心を守る防災の視点,そして市民の幸せに貢献する総合福祉の視点から,導入する都市機能等を検討し,基本的な方向性としてこのたびお示ししたところです。今後,この跡地活用の方向性について,広く市民の皆様と議論を開始したいと考えております。
続いて,都市緑化フェアのメイン会場跡地のうち民間活用エリアにつきましては,昨年末に,健康・暮らしをテーマとしたスポーツエンターテインメントを提案した企業グループを交渉予定者に決定したところです。
現在,基本的事項に関する協定締結に向け,交渉予定者と協議を進めていますが,4月にオープンする西大寺緑花公園などとの連携や周辺の都市機能との相乗効果により,魅力あるまちづくりが進むようしっかりと協議を行い,手順を踏みながら,西大寺「元気な新拠点」の整備を進め,西大寺地域中心市街地の活性化と新たな地域拠点の形成を図ってまいります。
次に,市民生活の安全・安心を守る体制づくりとして,24時間体制で人為的災害や自然災害等の危機的事象に対応できるよう危機管理機能を消防局に一元化し,防災管理課を設置することとし,今議会に関連議案をお諮りしております。また,合併による市域の拡大も踏まえ,岡山市地域防災計画を全面的に見直します。
また,旭川以東の新たな消防・防災拠点として,今在家の河川防災ステーション内に中消防署と水防センターの整備を引き続き進め,平成23年度の開設を目指します。加えて,消防・救急需要が増大している北消防署管内西部地区に(仮称)大元出張所を新たに整備します。
また,救急医療体制の一層の強化を図るため,消防局に救急課を設置し,救急告示施設等との連携の緊密化や救急救命士の教育体制の充実を図ります。
次に,災害に強い都市基盤整備を進めるため,市内中心部の基幹配水管を更新し,将来にわたる水の安定供給を図ります。また,浸水対策の必要性の高い地域の中からモデル地区を選定し,河川,下水道,農業用水路等の雨水排水施設を組み合わせた有効な対策を実施・検証します。
次に,交通政策の面では,公共交通を中心とする人と環境に優しい総合交通システムの構築を目指し,都市交通戦略に基づく施策を積極的に進めるとともに,新たな交通基本計画の策定に取り組みます。
特に新年度は,吉備線LRT化についてJRと協議し,計画の内容を深めてまいります。また,岡山の気候や地形に適した自転車の利用促進を図るため,岡山駅東口のレンタサイクルの増強,サイクル・アンド・バスライド駐輪場の整備を行うとともに,自転車走行空間のネットワーク構築に向けた整備手法の検討を行い,安全で快適な利用環境の実現を目指します。
また,道路交通の面では,岡山市みちづくり計画を今年度中にとりまとめることとしており,幹線道路から生活道路までの整備を効果的に進めてまいります。
都市の骨格となる幹線道路については,国,県とも連携して,中環状線や外環状線などの整備を引き続き推進するとともに,広域交流の促進にもつながる地域高規格道路美作岡山道路などの整備を進め,中四国の広域拠点都市にふさわしい道路ネットワークの構築を目指します。
一方,生活道路については,経済対策の面も含め,暮らしの道づくり事業を前年度並みに確保するなど,市単独事業の実施に努めることとしており,生活者の視点に立った道路づくりに重点的に取り組みます。

三つ目の「安心していきいきと暮らせる岡山型福祉を組み立てる」では,保健・医療・福祉分野の連携機能を強化し,予防,診療から介護まで切れ目のないサービス体制の実現を目指すとともに,すべての人が安心して子どもを産み育てることができるよう,子育て支援の充実を図ります。
まず,(仮称)岡山総合医療センターの整備に向けた取組につきましては,平成20年5月から,岡山大学との連携協議を精力的に重ね,昨年11月には(仮称)岡山総合医療センター基本構想の素案をお示しいたしました。その後,議会をはじめ,医療関係団体,市民団体など広く市民の皆様との議論を深め,このたび最終的に市としての基本構想を策定いたしました。本構想には,センターの役割・機能,事業概要等をお示ししておりますが,特に,立地につきましては,市民の皆様が利用しやすく,市民の安心を支える救急医療の実施に適した位置,また,地域全体で救急医療を支えるため,大学病院をはじめとした各医療機関との連携のしやすさ,早期整備の可能性,さらには総合福祉の拠点としての将来の発展性などの観点から,北長瀬表町の市有地を整備地とすることといたしました。
一方,現在の市民病院の地域住民の皆様への医療サービスについては,センター整備までの間は現状の診療体制を続け,整備後においては一定の外来診療機能を整備するなど,地域の皆様と協議しながら,ご安心いただけるように検討してまいります。70万市民の健康と生命を将来にわたって守るため,新年度は,岡山ERを特徴とした医療機能と,保健・医療・福祉の連携機能を2本柱とするセンターの基本計画の策定に着手し,さらに具体的な検討を加えながら,早期の事業化に向けて着実に進めてまいりたいと考えております。
次に,高齢者福祉につきましては,高齢者が住み慣れた地域で安心して生活を送ることができるよう,高齢者を地域全体で支える体制を構築してまいります。
このため,今年度から地域包括支援センターの活動基盤を中学校区から小学校区に変更し,きめ細かな対応を図っていくこととしておりますが,新年度は,地域で活動する生活・介護サポーターを新たに養成し,岡山市ふれあい公社,社会福祉協議会,安全・安心ネットワーク等との連携を一層強化することにより,地域包括支援センターの活動を充実させてまいります。
併せて,新たに高齢者虐待防止専門員を配置し,虐待への対応を強化するとともに,認知症サポーターの大幅な増員を図るため養成講座を充実するなど,高齢者が安心して暮らせる地域づくりを積極的に推進してまいります。また,居宅において介護を続けることが困難な高齢者の増加に対応して,特別養護老人ホーム等の施設整備を計画的に進めることとし,養護老人ホーム松風園については,入居者が安全に安心して暮らせるよう民設民営により建替えを進めるなど,施設面でも充実を図ります。
次に,障害者福祉につきましては,心身障害者医療費の助成対象について,10月の診療から年齢条件を撤廃し,対象者を拡大いたします。また,身体障害者手帳の交付対象とならない軽度・中等度の難聴児の補聴器購入に対しても助成を行うなど,障害者福祉の充実を図ります。
また,成年後見制度利用支援事業について,虐待の有無にかかわりなく,広く認知症高齢者を対象とすることに加え,知的障害者や精神障害者にも対象を拡大し,同時に助成の期間制限を撤廃することにより,利用の促進を図ります。さらに,新市建設計画に基づいて進めている金川病院の建替え及び総合保健福祉施設の整備については,平成24年度のオープンを目指し,新年度中に着工するほか,老朽化が進んでいる中区福祉事務所については,平成23年度中の移転に向けて,建替え整備を進めるなど,地域保健福祉を支える拠点の充実を図ってまいります。
次に,子育て支援につきましては,新たに若者も対象に加えて支援施策の方向性や目標を総合的に定める心豊かな岡山っ子育成プランを今年度中に策定することとしております。
今後,このプランに基づき,保健福祉局,教育委員会をはじめ関係部局が緊密に連携して,さまざまな施策を実施し,市民の皆様と協働で,子ども・若者の自立と子育てを社会全体で応援するまちを築いてまいりたいと考えております。また,その気運を高めるため,新年度は,プランの策定を記念して,心豊かな岡山っ子育成フォーラムなどの普及・啓発事業を実施いたします。また,子育て世帯の負担軽減を図るため,私の1期目の任期において,乳幼児医療費の助成対象を就学前の児童にまで拡大しましたが,新年度は,新たに小学生及び中学生の入院医療費の全額を助成対象とし,一層の充実を図ります。これに伴い,条例の名称を岡山市子ども医療費給付条例に改めることとし,今議会に関係議案をお諮りしております。また,近年増加している発達障害児への支援を強化するため,保健・福祉・教育・医療・就労などの関係機関の連携を強化し,早期発見から支援まで,ライフステージに応じた支援体制づくりを進めてまいりたいと考えております。特に,就学前から学齢期の発達障害児の支援拠点として,岡山市教育相談室に,発達障害に対応する専門の相談窓口を設け,発達障害相談員を新たに配置します。また,学校園現場への訪問相談や家庭訪問等を行う発達障害児相談主事を同室に配置し,本人や保護者・学校園への支援を強化いたします。
こうした支援拠点での取組をさらに進め,発達障害者支援センターの開設を目指します。

四つ目の「自立し自己実現できる人間力を育てる」では,子どもたちの豊かな心を育むとともに,安全で快適な教育環境づくりを進めます。
次代を担う子どもたちが自立し,社会の中で自己実現していくためには,確かな学力を身に付けることと合わせて,優しさや思いやり,感謝する心など,豊かな心を育むことが大切です。そこで,はぐくむ心・あったかハート事業を新たに始めます。その取組の一つとして,子どもたちの豊かな心を育む教材となる資料集「あったかハート」を作成し,市内すべての小・中学校で活用します。
また,仲間や自然への感謝の心を一層育てるために,宿泊を伴う体験学習プログラムを開発し,新年度は10校程度で先行的に実施します。以後,全校実施を目指して順次実施校を増やしてまいります。また,安全で快適な教育環境づくりの一環として,小・中学校施設等の耐震化を鋭意進めておりますが,大規模災害時に地域の避難拠点ともなる体育館につきましては,平成23年度までに全施設の耐震化を完了できるよう整備を進めます。
また,岡山後楽館中・高等学校施設整備につきましては,秋にはコミュニティハウスを併設した体育館が完成する予定であり,引き続き平成24年春のオープンを目指して校舎の建設工事に着手することとしております。

五つ目の「市民力で新しい岡山をつくる」では,思いやりと支え合いの心を大切にした「美しい心のまち・おかやま」を築くため,住民による主体的な地域づくりを進め,安全に安心して住み続けられる地域社会の実現を目指します。
まず,市内すべての学区・地区に設置された安全・安心ネットワークが,地域のさまざまな課題に対応できるよう,自主的な活動の拡大・強化を促進します。
特に,高齢化の進展への対応は地域にとって重要な課題であり,各安全・安心ネットワークと地域包括支援センターをはじめとする関係機関等との連携を強化し,地域保健福祉の向上を図っていく必要があります。
このため,新年度は,高齢者の方の安全・安心につながる事業などを積極的に行い,地域保健福祉の向上を目指す学区・地区をモデル地区として選定し,その取組の成果を検証・評価しながら,市内全域に効果のある活動を広げてまいります。また,政令指定都市移行に伴い4つの行政区が設置されて2年目を迎えることから,区民による自主的なまちづくりを本格化させたいと考えております。
このため,区づくり推進事業を各区で実施することとし,区民自らが事業を提案,審査,実施,評価する仕組みをスタートさせます。
こうした取組を通じて,安全・安心ネットワークをはじめさまざまな地域団体,ボランティア,NPO等による協働のまちづくりを活発にし,地域の課題解決に向けた取組や地域の特色をいかしたまちづくりを推進してまいります。また,新年度は,南区の暫定後の区役所を浦安総合公園駐車場用地に整備する事業に着手するとともに,地域センター等の市民サービス窓口について全市的にバランスの取れた再配置を進めます。

六つ目の「岡山の強みをいかした産業を広げる」では,本市の強みをいかした産業振興やコンベンションシティの構築に取り組むとともに,安全・安心な食を供給する魅力ある農業の振興を図ります。
まず,産業政策の面では,産業振興ビジョンを策定し,本市の強みをいかした産業振興の方向性と具体的な戦略を明確にいたします。
また,経済情勢の悪化に対応して,昨年1月に緊急経済・雇用対策本部を設置して以来,累計で200億円を超える経済・雇用対策に取り組んでまいりましたが,依然として厳しい状況が続いていることから,平成22年度当初予算では,経済・雇用対策として総額28億円を計上しております。このうち雇用対策は,これまでの累計の約2倍に当たる10億円を計上し,600人を超える方々の雇用を確保することとしております。その一環として,市民生活の安全・安心を守るため,介護分野の人材確保につながる事業や,若者の雇用を支援する事業などに取り組みます。
次に,コンベンション振興につきましては,観光課の名称を観光コンベンション推進課に改め,おかやま観光コンベンション協会と一体となって一層強力に推進してまいります。
併せて,経済局にシティプロモーション本部統括機能を設定することとし,産業,観光面等での本市の優位性やポテンシャルを全国に向けてしっかりとアピールします。その一環として,首都圏で各分野のキーパーソンを招いて,観光・コンベンション誘致や企業誘致,特産物の販路拡大に向けたシティプロモーション活動を行います。このほか,4月に開催される日韓経済人会議の開催を支援するなど,官民一体となってコンベンション振興を図ってまいります。
続いて,農業政策につきましては,農業振興ビジョンに沿って,担い手の確保・育成,地産地消の推進,ブランド化の推進などの各種施策を実施し,安全で安心な食の供給と魅力ある農業の振興に努めます。
特に新年度は,おいしい岡山米PR事業の一環として,市民の皆様の婚姻や出生に際して,本市のお米をお祝いとして贈ることをきっかけに生産者と消費者を結び付ける取組を新たに行い,地元産米の消費拡大を図ります。また,消費者が直接農地で収穫を体験し,地元産の農産物を購入できる農地でショッピング事業を実施するなど,地産地消を積極的に推進します。また,意欲あふれる新規就農者の確保を進めるため,引き続き就農に関する総合的な支援を実施し,農業の体験研修や実務研修の充実を図ります。

七つ目の「文化力で岡山の誇りを高める」では,文化の振興を図り,都市の魅力や品格を高め,全国に情報発信するとともに,訪れる人をあたたかくお迎えできるような観光振興を推進します。
まず,文化振興の面では,日本最大の文化の祭典である第25回国民文化祭・おかやま2010が10月30日から9日間にわたって開催されますが,本市でも岡山後楽園大茶会をはじめ8事業を主催することとしております。
開催期間中は,全国各地からお越しになる皆様に本市の魅力を存分に味わっていただけるよう,岡山駅,西川緑道公園,岡山城の3か所をおもてなしの拠点とし,音楽,郷土芸能,グルメなど,岡山の文化をまとめて楽しめるようにするほか,主要な会場や近隣の観光地を結ぶ無料シャトルバスを運行するなど,工夫を凝らした運営を行います。この国民文化祭の開催を通じて岡山の魅力を全国に発信し,本市のさらなる発展につながるよう,市民の皆様と協働し,成功に向けて取り組んでまいります。
次に,観光振興の面では,国民文化祭をはじめ,瀬戸内国際芸術祭,おかやま国際音楽祭,秋のおかやま桃太郎まつりなどの大規模なイベントが秋に集中して開催されることから,このチャンスをいかした取組を行います。観光客誘致に向けて倉敷市と合同で観光キャンペーンを実施するほか,大規模イベントの開催に合わせて,瀬戸内国際芸術祭の会場となる犬島や,交通の玄関口となるJR岡山駅などに特設観光案内所を設け,おもてなしの心できめ細かな観光情報を提供します。
また,JR岡山駅地下通路広場に整備を進めておりましたももたろう観光センターが3月6日にオープンします。同センターでは,市内の観光案内だけでなく,県内や中四国の広域観光情報も提供するなど,多様なニーズにこたえられる観光情報拠点を目指してまいります。
このほか,雇用対策の一環として,外国語による観光ガイドの育成を図ります。また,足守をはじめとする吉備路の魅力アップを図るため,広域観光案内板やサインボードを設置するなど,積極的に観光振興を図ってまいります。

その他の議案の説明

続きまして,その他の議案の主なものについて申し上げます。
まず,甲第30号議案は,個人の市民税の寄附金税額控除の対象となる寄附金の範囲を拡充するものです。
甲第32号議案は,岡山市西高崎ふれあいプラザを設置する等のものです。
甲第39号議案は,中仙道中公園ほか2公園を設置するものです。
甲第40号議案は,建築確認申請等に係る手数料額を変更するものです。
甲第47号議案は,岡山市新産業ゾーン用地として,甲第48号議案は,国指定史跡である大廻小廻山城跡を保存するため,それぞれ土地を買い入れるものです。
甲第57号議案及び甲第58号議案は,老人憩の家について,指定管理者の指定を行うものです。
甲第60号議案は,平成22年度包括外部監査契約を締結するものです。
以上で提案理由の説明を終わります。
よろしくご審議の上,ご議決を賜りますようお願い申し上げます。

報告に対する市長提案理由説明要旨

ただいまご上程になりました報告についてご説明いたします。
まず,報第2号は,牟佐幹線(1工区)汚水管埋設工事について,契約金額及び工期を変更したものです。
報第3号は,リース公用車の事故について,相手方と和解し,賠償額を決定したものであり,報第4号から報第6号までは,市有自動車の事故について,それぞれ賠償額を決定したものです。
報第7号から報第9号までは,下水道施設の管理瑕疵による事故について,報第10号及び報第11号は,道路の管理瑕疵による事故について,それぞれ相手方と和解し,賠償額を決定したものです。
報第12号及び報第13号は,市営住宅の家賃の滞納等についてそれぞれ相手方と和解をすることを決定したものです。
なにとぞよろしくお願いいたします。

甲第4号議案に対する市長提案理由説明要旨

ただいまご上程になりました議案についてご説明申し上げます。
甲第4号議案は,子ども手当創設に伴い,支給事務に使用する電算システムの開発を行う必要があるため,平成21年度岡山市一般会計予算を補正するものです。補正額は,2,500万円で,補正に要する財源については,全額国庫支出金で対応します。
なお,この議案につきましては,本年6月から子ども手当の支給を開始するには,電算システム開発に要する日数の関係上,本会議最終日の3月19日の議決では間に合わないことから,他の議案と分離してご審議の上,ご議決を賜りますようお願い申し上げます。

甲第4号議案の撤回に対する市長説明要旨

甲第4号議案の撤回についてご説明申し上げます。
甲第4号議案は子ども手当創設に伴い,支給事務に使用する電算システムの開発を行う必要があるため,平成21年度岡山市一般会計予算を補正しようとするものですが,国基準を参考にした予算額とするため,撤回のやむなきに至ったものです。
なにとぞよろしくご承認くださいますようお願い申し上げます。

甲第62号議案に対する市長提案理由説明要旨

ただいまご上程になりました議案についてご説明申し上げます。
甲第62号議案は,子ども手当創設に伴い,支給事務に使用する電算システムの開発を行う必要があるため,平成21年度岡山市一般会計予算を補正するものです。
補正額は,3,200万円で,補正に要する財源については,全額国庫支出金で対応します。
なお,この議案につきましては,本年6月から子ども手当の支給を開始するには,電算システム開発に要する日数の関係上,本会議最終日の3月19日の議決では間に合わないことから,他の議案と分離してご審議の上,ご議決を賜りますようお願い申し上げます。

お問い合わせ

総務局総務部総務法制企画課

所在地: 〒700-8544 岡山市北区大供一丁目1番1号 [所在地の地図]

電話: 086-803-1081 ファクス: 086-803-1840

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