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ユネスコスクール(高島小学校)

[2019年1月7日]

ID:38569

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地域に誇りと愛着を持つ子どもに

岡山市中心部の北東に位置する高島小学校。天然記念物の「アユモドキ」が生息する豊かな自然のなか、全校児童1,042人(注)が学んでいます。2015年には、ユネスコスクールに認定。地域への理解を深め、地域のために活動する能力を身に付けることを目標に、「自然」「郷土愛」の二つの観点から、ESD活動に取り組んでいます。

今回はそのなかから、ゲストティーチャーとのふれ合いを通して地域への愛着を醸成する、「名人さんと交流しよう」という取組をご紹介します。

(注)2018年11月末現在

学校の外観写真

学校データ

「名人さんと交流しよう」とは?

3年生は、「すてき発見!高島学区」というテーマのもと、自分たちの暮らす地域についての調べ学習を行っています。「名人さんと交流しよう」はその一環であり、地域の公民館等で活動している方を「名人さん」としてゲストティーチャーに迎え、様々な文化を体験する授業です。

多彩なコースから選んで取り組む

2018年11月28日(水曜日)に行われた講座は、「折り紙」「手品」「民謡」「お飾り」「手話」「空手」「銭太鼓」の7つ。事前に名人さんの実技を見る機会が設けられ、自分の興味のある講座を選んで参加します。

折り紙

「言葉が通じなくても心を通わせられる、折り紙の魅力を知ってほしい」と語る名人さんから、色鮮やかな花が咲く立体作品の折り方を教わりました。まずは、パーツとなる花を折っていく作業からスタート。ひとつでも折り方がずれているとうまく組み立てられなくなるため、根気よく一枚一枚を丁寧に折っていきます。

参加した児童は「家で鶴は折るけれど、今日のような作品は初めて」と、完成した力作にうれしそうでした。
折り紙をする様子1

名人さんが手を取って指導

折り紙をする様子2

色とりどりの花を作ります

手品

まずは名人さんが、空き缶や新聞紙など身近にあるものや、トランプを使ったマジックを披露。例えば、新聞紙を折りたたんでハサミで切り込みを入れていくと…。背の高い木に変身!教室のあちらこちらから「早くやってみたい!」との声があがり、各自に配られた道具で早速練習をしました。
3学期の発表会に向けて家でも練習を積んで、みんなを笑顔にしてくれるでしょう。

マジックをする様子

名人さんのマジックに見入っています

トランプを持っている写真

トランプのマジックに挑戦!

お飾り

お正月に飾るしめ縄作りに挑戦する講座では、教室の床に座りこんで、足と手を使ってわらを編み上げました。最後に名人さんが用意した松などのお正月飾りをセットして完成。

「お母さんがいつも年末になると作っているのを見ていたので、自分でも作ってみたかった」と話す児童は、なかなかの出来栄えに満足そう。「今度のお正月は、自分が作ったしめ縄を玄関に飾ってもらいます!」とうれしそうに話してくれました。
生徒が指導を受ける様子

お正月飾りの付け方を指導

お飾りを作っている様子

完成に近づいてきました

民謡

岡山に古くから伝わる民謡「備前太鼓唄」を教わりました。聞いたことはあっても、実際に歌うのはほとんどの児童が初めて。最初は、音楽の授業で習う発声の仕方とは違って難しかったようですが、名人さんから教わるうちに「だんだん声を出すのが楽しくなってきた」「聞いたことがある地名がたくさん出てきておもしろい」と話す子どもたち。

太鼓などの和楽器にも触れることができ、地元に伝わる音楽をより身近に感じられました。

手話

前半は単語を手話でどう表現するのかを学び、後半は覚えた手話を使って名人さんに「好きな食べ物は何?」「犬と猫のどっちが好き?」などの質問をして、手話でのコミュニケーションに挑戦しました。

参加者のなかには、「将来、医者になりたいので、耳の聞こえない人とも話せるようになりたい」と、この講座を選んだ児童も。「手話が通じた時はとてもうれしかった!」と、「言葉が通じる」喜びを実感した子どもたち。名人さんに積極的に質問する姿が生き生きとしていました。
民謡クラスの様子

民謡クラスでは、備前太鼓唄を練習

手話クラスの様子

名人さんとの会話を楽しむ手話クラス

空手

普段から地域の空手教室で子どもに指導している名人さん。初めて空手を習う児童にも分かりやすく、突き、打ち、蹴り、などの基本的な動きを丁寧に指導。その後、名人さんと児童がペアになって組み方の実演を見せた後、実際にペアを組んで練習をしました。

3学期の発表会では、この日に習った型を披露するので、しっかり覚えようという気合が感じられました。

銭太鼓

出雲地方に古くから伝わる銭太鼓は、筒の中の銭を鳴らして音を出すリズム楽器で、踊りの伴奏に使われるものです。児童が使う銭太鼓は、毎年行われるこの講座のために作られたカラフルな飾りが付いたもの。この日は「花笠音頭」に合わせた演技を習いました。

「みんなで気持ちを合わせて、動きや音を揃えるのが銭太鼓の醍醐味です」と名人さん。中国地方に伝わる民族芸能に親しむことができました。
空手の技をかけてもらう様子

名人さんに、空手の技をかけてもらいます

銭太鼓をしている様子

銭太鼓をくるりと回したり、床を打ち鳴らしたり

今回の学習の成果は、3学期に保護者の前で披露する予定。「たくさん練習したい」と、子どもたちも気合十分な様子でした。

徳永充生 校長先生

校長先生の写真

きれいな水に恵まれた高島学区は、天然記念物の「アユモドキ」の生息や、「雄町米」で知られる自然豊かな地域です。また、古墳などの遺跡も多く、地域の歴史を学ぶ環境も整っています。このような地域の良さを知り、ふるさとを愛する人に育ってほしいという思いから、授業にESD活動を取り入れています。
この学区には「地域ぐるみで子どもを育む」という土壌があるので、読み聞かせや掃除など地域によるボランティア活動が盛んです。ユネスコスクールに認定される前から行ってきた「名人さんと交流しよう」という活動にも、毎年たくさんの方が協力してくださり、児童が地域の方と交流する貴重な機会になっています。
また、普段の授業とは異なる体験ができるこの授業は、自分の好きなことに児童が気付くきっかけにもなります。それが、将来の目標や、これからの学びへの意欲にもつながることを願っています。

ESDマンといぬ

名人さんと交流することで、地域への理解と愛着が生まれているんだね!