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ユネスコスクール(城東台小学校)

[2017年2月6日]

ID:38407

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地域を見つめ直し、学びを広げる城東台小学校

城東台小学校の写真

学校データ

岡山市立城東台小学校は、岡山市街地の東に位置し、山を造成して作られた団地の頂上にあります。全校児童は292名※¹、ユネスコスクールには平成27年(2015年)に認定されました。
学校の周辺は、東は住宅地、西は山地、北には公園があり、自然に恵まれた環境の良い場所です。環境問題という言葉からは無縁な場所で育ってきた児童たちには、生活排水やゴミ問題といった環境問題に強い意識がありませんでした。
そこで、日常生活ではあまり得ることができない知識を身に付けようと、5年生の総合学習で「地球環境」という大きなテーマを掲げ、それを児童たちが理解しやすいように「身近な地域の環境」に結び付けて考える活動が行われています。

※¹平成29年1月30日現在

これまでの取り組み

城東台小学校は、旭川と吉井川の間に位置していることから、まずは川を身近な地域の環境としてとらえ、地球環境を考えることにしました。自分たちの生活排水はどのように処理されているのか、処理された水が流れる用水にはどんな生き物が生息しているのか、そして川が流れこむ瀬戸内海はどのような状況なのかということを、段階を踏みながら学んでいます。

1学期

総合学習が始まった時は、地球環境で問題になっていることは?と尋ねても、地球環境という言葉は知っているが、それがどんなものなのかは分からないという児童たちが多くいました。そこで、環境問題に関する、ゴミ問題、大気汚染、地球温暖化、など8つのテーマを学ぶことから始めました。
その問題の中から各班で1つ決め、その環境問題の発生原因や引き起こされる問題について、図書室の本やインターネットを使って調べ、模造紙にまとめて発表し合いました。
この学びを通して、児童たちは、地球規模で見ると環境問題はとても深刻な問題ではあるけれど、自分たちの住む城東台の環境はとても良いことを再認識しました。

2学期

1学期の学びを生かしつつ、川についての学習に取り組みました。
生活排水が浄化センターに運ばれて処理されていることを学んだり、川の生き物調査をしました。

川の生き物調査の様子

ザリガニやメダカが子どもたちの想像以上に多くいました

次に、海について学習するために、吉備国際大学の福田先生をお招きし、浄化された水が流れこむ瀬戸内海の様子や、「海のゆりかご」と呼ばれるアマモ※²の生態や増殖の取り組みを教わりました。

そして、海の様子を自分たちの目で確かめるために、海の学校(岡山県渋川青年の家)へ研修に行きました。
地引き網体験ではあまり魚がとれず、児童たちが残念がっていると、海の学校の先生から最近は魚がとれなくなっていることを告げられ、児童たちはその原因が1学期で学んだ環境問題の内のゴミ問題ではないかと考え、自分たちが気が付かない場所で環境問題が起こっていることを知りました。

地引き網の様子の写真

地引き網の様子

そこで、自分たちにできることは何かを考え、少なくなってしまった魚の数を増やすことに興味を持った児童たちは、吉備国際大学の福田先生に再びお越しいただき、アマモの播種活動を行いました。生育したアマモは、今年の3月頃に海岸に移植する予定です。

アマモの種子をピンセットで播いている様子

アマモの種子をピンセットで播いています

※²海藻の一種。排卵場所や、小魚の住みかとして利用される

瀬戸内海のつながり

こうして川から海へ学びを広げた児童たちは、瀬戸内海の向こうの様子を知るべく、愛媛県新居浜市立金栄小学校とのスカイプ交流を始めました。
今回は、12月1日(木曜日)に行われた2回目のスカイプ交流の様子をご紹介します。

2回目のスカイプ交流の様子

2回目のスカイプ交流

1回目の交流で自己紹介や、学校紹介を行った児童たちは、お互いのことをもっと知りたいと思い、事前にFAXで質問を送り、今回の交流で答えを発表しました。
学級目標や人気の給食メニュー、地域の特産品や、環境を学んでいるからこそ気になった魚の質問なども出ていました。

城東台小学校の子どもたちの写真

城東台小学校
新居浜の海では何が釣れますか?

金栄小学校の子どもたちの写真

金栄小学校
タチウオ、メバルなどが釣れます

児童たちは、住んでいる場所は違っていても、同じ瀬戸内海を共有していることで、海を取り巻く環境やその課題など、共通点があることをとても喜んでいました。


岡山弁を紹介している様子

岡山弁を紹介

教科書を映している写真

同じ教科書を使っていました

3学期

今後は岡山市の環境保全の取り組みや、瀬戸内海の環境について学習を進めていきます。自分の地域の環境をしっかりと理解したうえで、他の地域の環境を学び、地球という大きな環境について考えることができる人材の成長を目指しています。

後藤 緑 校長先生から一言

後藤 緑 校長先生の写真

城東台小学校は、『城東台は、人が大切な財産である』をコンセプトに「地域 城東台を興す」を共通テーマにして全学年でさまざまな取組を始めています。1年で完結できるものではありません。1年、1年積み上げていきたいと考えています。
また、離れている人とでも、スカイプで顔を見ながらタイムリーに情報を収集できる経験をさせたいと考えて、新居浜市立金栄小学校と学校間交流を始めました。映像が初めて映った時には、どちらからも拍手が起こり、感動的でした。
城東台の児童たちには、時代の風をいち早く体験し、自分の未来を描いて欲しいと願っています。

ESDマンとサステナちゃん

自分たちが住む地域を中心に環境への関心が広がっているんだね!