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その24【こまくさハイキングクラブ】

[2023年8月28日]

ID:52711

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「わくわくボランティア」では、ボランティア活動の楽しさや大切さ・ボランティアに取り組む人たちや各団体の思いについて取材しています。

24回目は、「こまくさハイキングクラブ」の活動について、会長の内田さんやメンバーの佐藤さん達にお話をうかがいました。なお、内容は取材当時のものです。

こまくさハイキングクラブは、どんな団体?

こまくさハイキングクラブは、2000年9月10日に発足した、視覚障がい者と晴眼者の会員による野山を楽しむ会です。ノーマライゼーション(高齢者や障がい者などを特別視せず、誰もが同等に生活できるような社会をめざす考え方)の理念を大切に、視覚障がい者と晴眼者が、共に登山やハイキングを楽しみます。
現在は約40名の会員で活動しています。毎月2回の例会で、岡山市の操山や児島の龍王山、県外では金刀比羅などさまざまな山を登り、会員皆で自然に親しんでいます。2023年からはソフトコースの例会を創設して、比較的歩きやすい半田山などを楽しんでいます。 

団体発足から23年が経とうとしています。この間、多くの会員同士で協力しながら、全国のさまざまな山を登ってきました。
仲間内での登山だけでなく、発足間もない2004年には、第9回「全国視覚障害者交流登山」の大会を岡山で実施し、和気アルプス・熊山・閑谷などを全国の登山仲間に案内しました。
団体名にある「こまくさ」は、高山植物です。ほかの植物が生育できないような厳しい環境で花を咲かせます。発足15周年の2015年、3000メートル級の木曾駒ケ岳で初めて対面することができました。
視覚障がい者1人に対して晴眼者2人を基本として、ノーマライゼーションの理念のもとお互いに助け合いながら、澄んだ空気や気温の変化、木々のにおいなど、山の自然を楽しみます。

第9回全国視覚障害者交流登山(2004年)の写真

第9回全国視覚障害者交流登山(2004年)

こまくさの花/木曾駒ケ岳にて(2015年)の写真

こまくさの花/木曾駒ケ岳にて(2015年)

山行で感じることは?

こまくさハイキングクラブでは、「サポートをする/される」関係ではなく、周りの様子を話しながら、リュックサックにつけたサポートロープを持って歩き、みんなで山を楽しむことを大切にしています。苦しくても頑張って山頂に到達する達成感や喜びは、みんな同じです。

登山中の様子(伊吹山)の写真

登山中の様子(伊吹山)

新庄村スノーシューの写真

新庄村スノーシュー

こまくさハイキングクラブに所属する視覚障がい者は山を歩き慣れている方々ばかりですが、晴眼者にとっては、視覚障がい者と安全な山行を共にするためには、周囲の様子や危険箇所など、どのような声掛けが適切なのかと悩むことがあります。
そこで、2023年7月8日には、ソフトコースの例会として、サポート研修と周辺の散策を行いました。岡山県視覚障害者自立支援センター「みずのわ」の歩行訓練士、落合さんを講師に招き、外出時の安全な歩行方法や階段の昇降、座席への案内など、視覚障がい者と外出する際のポイントを教わり、みんなで体験もしました。基本に立ち返る有意義な会となりました。頭でわかっていてもスムーズに言葉で説明することが難しい、今後もリラックスして普段通り山を歩いていきたいなど、参加者それぞれが感想を持ち、次の登山・ハイキングがよりいっそう楽しみになりました。

サポート研修の様子(座学)の写真

サポート研修の様子(座学)

サポート研修の様子(階段の昇降)の写真

サポート研修の様子(階段の昇降)

経験談「こまくさという団体」-寄稿

私がこまくさに加入したのはもう20年も前のこと。森林公園が最初の山登りでした。この時のMさんのひと言で、「こまくさ」という団体の本質(旨とするところ)が分かりました。
森林公園管理棟から周回道をしばらく歩いて紅葉滝から尾根に向う山道に、運動習慣をなくしていた私は細い石ゴロの山道を登ると、半分も歩かないうちに膝に痛みを起こしました。サポートして下さっていたMさんは迷うことなく『ここまでにしましょう。』と明るい声で決断されました。山道を下ると更に膝が痛かったけれど、ゆっくり対応して下さいました。
下山した私はこまくさの方々のさわやかな優しさに感動して『皆さんのボランティア精神に驚きました。』と言ったのです。するとその時にMさんの言われた言葉は、『私たちはボランティアではないですよ。みんな一緒に楽しんでいるノーマライゼーションなのです。』と。私はハッ!として「目からうろこ」の心境になり、同時に恥ずかしさを感じたのでした。
リハビリの仕事をしていて、ノーマライゼーションという言葉は知っていました。わかっているつもりでした。
こまくさでの最初の山歩きの中で「ボランティア」と「ノーマライゼーション」の違いはこういうことなんだと明確に理解できたのでした。

こまくさハイキングクラブに興味を持った方へ

発足から23年、「ノーマライゼーション」の精神を大切に、活動を続けています。お互いに山を楽しむ気持ちを、今後も持ち続けていきたいと思います。まずは体験参加からはじめて、一緒に歩くことに慣れていって、会員になってサポートをする楽しみを見つけていけると良いですね。
ソフトコースは登山初心者の方でも無理なく参加できます。安全第一を常に意識していますが、参加費の中から保険をかけています。
世代を問わず、山が好き、お話が好きな、一緒に野山を歩ける元気な仲間が増えることを楽しみにしています。会員間では、日常的な交流も行っています。

お問い合わせ

こまくさハイキングクラブ

住所:〒709-0605 岡山市東区浅川534-15

電話番号:090-4695-2323(事務局:川島寿恵美)

メールアドレス:suemisora0201@gmail.com

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