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その9【ももたろうパートナーズ】

[2015年11月2日]

ID:40540

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「わくわくボランティア」では、のっぷとティアがボランティア活動の現場におじゃまし、ボランティア活動の楽しさや大切さ・ボランティアに取り組む人たちの思い・各団体の思いについて取材しています。九回目は、ももたろうパートナーズの活動におじゃましました。
なお、内容は取材当時のものです。

近年、「走ること」を趣味として楽しむ人が増えており、2015年11月には岡山市で初の市民マラソン大会「おかやまマラソン」が開催されます。

誰にでもできる、自分の好きなときにできる、運動不足の解消やストレス発散になる。
いろんな角度から走ることの魅力が見直され、ブームとなっているのかもしれません。

ももたろうパートナーズ

さらに、走ることが「誰かの力になる」。そんな素敵なボランティア活動が日本全国に広がっています。
今回の「わくわくボランティア」では、視覚障がいを持つ方の目となって伴(共)に走る、「ももたろうパートナーズ」の活動についてご紹介します!

「ももたろうパートナーズ」とは?

「ももたろうパートナーズ」(以下、ももパ)は、視覚障がいを持つ方と伴走ボランティアでつくるランニングクラブです。2006年に発足し、毎週月曜日と第1・3土曜日に岡山県総合グラウンドで活動しています。

伴走ボランティアの写真

伴走ボランティアの様子

視覚障がいを持つ人とボランティアをつなげるひもの写真

視覚障がいを持つ人とボランティアをつなげるひも

活動では、視覚障がいを持つ方とボランティアが二人一組になって、毎回1時間ほどランニングを楽しんでいます。
参加者は公園を利用する他の市民にも分かるように、「視覚障がい」・「伴走」という文字のついたピンクのベストやTシャツを着用。さらに、ペアごとにひもでつくった輪っかを手に持ち、二人三脚のように足並みをあわせて走ります。
ボランティアは、カーブや段差があると声をかけたり、障がい物に接近したらひもを強めに引いたりして、視覚障がいを持つ方が安全に走れるように導くのです。

きっかけはとある女性の一言

ももパが始まったきっかけは、病気で失明した女性の「また走れるようになりたい」という言葉。
彼女は、元々マラソンを趣味としていましたが、光を失ってからは走ることをあきらめていたそうです。そんな彼女の相談を受けた貝畑和子さんはももパを立ち上げ、講習会を通じて伴走ボランティアを広めていきました。
口コミで参加者の数も増え、現在は全体で100名程度、毎回の練習には30名程度が活動しています。退職した60代以上の方や主婦、社会人等、幅広い世代の方が活動しており、土曜日には盲学校の生徒や先生、保護者も参加しています。
またそうじゃ吉備路マラソンをはじめ、岡山県内外のマラソン大会にも出場しており、ホノルルマラソンでフルを完走した方もいるそうです。

ももパの活動におじゃましました!

ティア

2015年10月5日(月曜日)に行われた練習におじゃましたよ!この日は、29名のボランティアと視覚障がいを持つ方が参加したんだ!

自己紹介の様子

参加者が集まると、まずは自己紹介とその日の意気込みを発表。
始終笑いが絶えず、心の通ったアットホームな雰囲気が伝わります。

その日のペア

自己紹介と準備体操が終わると、いよいよ練習開始!
「伴走」の組み合わせは、担当者が大会の出場予定やその日の体調等を踏まえてペアを決めています。この日のペアが発表されると、「よろしくね!」と笑顔で声をかけ合う参加者たち。輪っかのひもを持ちながら、「どのペースで走るか」互いに調子を合わせ、各ペアの好きなタイミングで出発していきました。

それぞれの好きなペースで

颯爽と駆け抜けていくペアに、のんびりおしゃべりを楽しみながら走るペア。
それぞれのペアが好きなペースで走っていきます。皆さんの笑顔がとっても素敵ですね!

伴走ボランティアの様子

視覚障がいを持つ方のマラソンには、ボランティアによる声がけが欠かせません。
「右に曲がる」という動作一つでも、「10歩先をゆるやかに右に曲がりますよ」と伝えたりと、視覚障がいを持つ方が次の動作を具体的に把握できるように、一つひとつの表現を工夫しているのだそうです。
「目の見えない方にとって『道にあるどんなものが障がいとなるのか』目を向けるようになった」と話すボランティアもおり、ももパでの活動を通じて日々の意識や行動にも変化が生まれているようです。

参加者の声

伴走ボランティアとして活動している女性

10女性(右)

ももパの皆は本当に明るいし、家族みたいに仲良し!参加するたびに元気をもらっています。ゆっくりおしゃべりを楽しみながら走ってもいいし、速いペースで走ってもいい。また仕事や家のことで忙しく、毎回の練習に参加できなくても、皆が温かく迎えてくれるので安心して続けられます。

視覚障がいを持つ女性

11男性(左)

私は病気で失明してしまい、長い間ふさぎこんでいた時期がありました。走ることも無理だと思っていたのですが、たまたま友人の誘いでももパに参加してみたら、ボランティアのサポートで再び走ることができました。『自分がまた走れる!』って気づいたときは、本当に嬉しかったですね。走る距離も少しずつ伸ばして、現在は大会にも出場しています。走る喜びだけでなく、仲間が増える喜び、新しいことにチャレンジして達成できる喜び…いろんな喜びに出会えたことで人生が180度変わりました。普段の生活でも、自然と前向きになることができて、家族も喜んでくれています。本当に、ももパとボランティアの皆さんに出会えてよかったと思います。

ももたろうパートナーズ 代表 貝畑和子さん

ももたろうパートナーズ代表の貝畑和子さん

「走ることに対して不安や恐怖を感じていた視覚障がいの方が、伴走ボランティアと一緒に練習することで、『10km走れるようになりたい』と思うようになり、達成できたら次は『フルマラソンに出たい』、『ホノルルマラソンに出たい』と夢を広げています。
伴走ボランティアには、体を動かす楽しさに加え、『視覚障がいの方をサポートして、夢を一緒に叶える』喜びと楽しさがあります。『走る』という誰にでもできることが、他の人の人生を明るい方へ導く手助けになる。そんな伴走ボランティアの活動が、もっと広がっていけば嬉しいです。」

一人で走ること以上の喜びと楽しさ

2002年に日本陸上競技連盟の規則で視覚障がいを持つ方の伴走が認められ、日本全国で視覚障がいの方を対象にしたマラソン大会も開催されています。
あわせて伴走ボランティアの数も増えており、その背景には「視覚障がいの方をサポートして、夢を一緒に叶える」という、一人で走ること以上の喜びと楽しさがあるのではないでしょうか。今後も、伴走ボランティアの活動がしっかりと根付き、広がっていくといいですね。

のっぷ1

2015年11月に開催されるおかやまマラソンにも、ももパからフルマラソンに5組、ファンラン(5km)に2組のペアが参加するんだって!ピンクのベストやTシャツを着たランナーを見かけたら声援を送ってね!

お問い合わせ

ももたろうパートナーズ
メールアドレス:bansou@corredor.jp

毎週月曜日と第1・3土曜日午前10時00分より岡山県総合グラウンドで練習しています。参加をご希望の方は、上記のアドレスにメールでご連絡ください。また、伴走教室も年に一回開催しています。詳細は、ももたろうパートナーズのウェブサイト別ウィンドウで開くに掲載されますので、ぜひチェックしてみてください。

のっぷ2

次回は、どんな団体におじゃましようかな?楽しみだなぁ!!

なお、「わくわくボランティア」では、「取材にきてほしい!!」というボランティアグループ等を募集中です。
希望される方はお問い合わせフォームより、団体名、ボランティア活動の内容を添えてご連絡ください!