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その3【ぐるーん】

[2014年11月20日]

ID:40374

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「わくわくボランティア」では、のっぷとティアがボランティア活動の現場におじゃまし、ボランティア活動の楽しさや大切さ・ボランティアに取り組む人たちの思い・各団体の思いについて取材しています。三回目は、一般社団法人ぐるーんが取り組むボランティア活動におじゃましました。
なお、内容は取材当時のものです。

抱っこする

抱っこする

その行為は、大人と子どもが肌のぬくもりを通じて行うコミュニケーションです。
抱っこを通じて、心をかよわせ、互いに安らぎを与え合います。

ぐるーんサポーターの難波さん

しかし乳児院や児童養護施設(以下、施設)では、一般の家庭で育つ子どもが当たり前のように受け取る「愛」や「ぬくもり」を、十分に与えられないまま育っていくこともあります。

施設の職員さんたちも、「抱きしめてあげたい・世話をしてあげたい」という気持ちを抱えつつも、日々の業務に追われ一人一人をゆっくり抱っこしたり向き合ったりすることは中々難しいといいます

そんな状況を目の当たりにし、「赤ちゃんに本当の幸せを届けたい」という思いから、神奈川県に住む有尾美香子さんを中心に発足したのが「ぐるーん」です。2011年に始まったぐるーんの活動は全国に広がり、現在約700名の方がぐるーんサポーター(以下、サポーター)として活動しています。
岡山県では、ネットを通じてぐるーんの活動を知った河本美津子さんが、2012年に県内での活動をスタート。なんと岡山県のサポーターの登録数は全国で一番多く、約200名の方が様々な形でぐるーんの活動に参加したり、スポンサーという立場からその活動を支えたりしています。

ぐるーんの活動内容は、週に一回程度サポーターが施設を訪れ、そこで暮らす子どもを「抱っこする」という大変シンプルなもの。

赤ちゃんをあやすのっぷ

サポーターはどのように活動しているのでしょうか?
抱っこが子どもたちに与える影響とは?
第三回の「わくわくボランティア」は、そんなぐるーんの活動におじゃましました。

ぐるーんの活動におじゃましました!

ティア

岡山市内の施設で行われてる活動におじゃましたよ。その日はサポーターの難波さんが活動していたんだ!

難波さんが施設に入ると、さっそく一人の男の子が難波さんに駆け寄ってきて、その体にぎゅっと抱きつきました。
難波さんは1年ほど前からその施設を週に一回訪問し、子どもたちとのふれあいを続けているそうです。
ぎゅっと抱っこした後は、おもちゃで思いっきり遊んだり一緒にアニメを見たりして楽しい時間を過ごしていました。

抱っこを通じてぬくもりと愛情を与えあう

ぐるーんの活動には、「そっと寄り添い思いっきり甘えられる時間を子どもに与える」という温かい想いが込められています。様々な事情を抱える子どもたちの中には、大人に対して心を閉ざしてしまったり、感情表現をうまくできなかったりする子がいるそうです。

サポーターは、そんな子どもたちに寄り添い、ぎゅっと抱っこします。

抱っこしている様子

抱っこを通じて子どもたちは愛情を受け取り、サポーターに甘えるようになる等、大人という存在に対して心を開いていきます。
中には、怒っていた子を抱っこすると笑顔になったり、表情の堅い子を抱っこすると安らいだ表情になったりすることもあるのだそうです。
「抱っこ」するいう誰にでもできる行為が、子どもたちの情緒にまで影響を与えるのだということに気づかされます。

また、「サポーター自身も、子どもたちに抱きしめてもらっているんですよ」と河本さん。
思いっきり甘えられる相手に対して、子どもたちは信頼感・安心感を抱き、自然とサポーターの体に手を回します。子どもに抱きしめられたサポーター自身も、心の安らぎや癒しを子どもたちから受け取るのです。

サポーターの声:言葉のいらないコミュニケーション

ポーターの難波さん
サポーター 難波さん
「活動を始めて一年が経ちますが、まだ言葉をうまくしゃべれない子どもでも、表情や仕草等から段々と伝えたいことがわかるようになってきました。抱っこ等、言葉のいらないコミュニケーションの大切さを肌で感じています。何より子どもたちがかわいくて仕方ありません!!」

施設で働く職員さんの声:思いっきり甘えさせてあげることの大切さ

施設の職員さん
「日々の業務に追われ、子どもを抱っこする時間を十分に確保できないところを、ぐるーんの皆さんがカバーしてくれています。
甘えたい欲求を持つ時期に思いっきり甘えさせてあげることは本当に大切。『思いっきり甘えた』という記憶・経験は、子どもの心の根幹を育み、大きくなるにつれて自立心へとつながっていきます。
ぐるーんの活動は、子どもたちとふれあう時間だけでなく、大人へと成長する過程にも良い影響を与える大切な活動だと思います。」

ぐるーんの合言葉「私たちができることを、できる時間に。でも、長く続けましょう。」

サポーターがぐるーんの活動に参加するようになったきっかけは様々。活動が新聞に紹介され、子どもを抱っこするサポーターの姿に心をつかまれて、「赤ちゃんを抱っこしたい!!」と活動をはじめた方もたくさんいるそうです。

活動を始めるにあたっては、河本さんが一人一人と面談を行い、住む地域やライフスタイルに合わせて活動できるようサポートしています。様々な世代のサポーターが仕事や家事の合間を活用しながら、自分のペースで活動しています。中には男性のサポーターもいるのだとか。
またサポーターが交流する機会を設け、活動の中で生じる悩みを共有したりお互いにアドバイスしあったりしています。その場で初めて会うサポーター同士でも不思議とすぐに打ち解けることができ、それぞれが自然体で交流を深めています。
このようなサポーターへの心がけが、「無理なく、楽しく、できるだけ」活動を続けることにつながっていきます。

ソーイングチームが活動している様子

さらに抱っこ以外にもそれぞれの興味・関心をもとに、活動の輪が広がっています。
例えば、ソーイングチームを立ち上げ、布オムツやよだれかけをつくって施設に寄附したり、アカペラチームを立ち上げ、イベントで子どもたちに歌を届けたりしています。

「サポーター同士でお茶とお菓子を囲んで活動する時間はとても楽しいし、その活動が子どもたちの笑顔に自然とつながっていく。そんな嬉しいことはないですよね。」とサポーターの難波さんは話されました。

偏見・垣根のない社会をつくる

また、ぐるーんでは施設で暮らす子どもたちと一般家庭で暮らす子どもたちが交流するイベントを開催しています。
これまでに島でサバイバルゲームをしたり、山の中でそうめん流しをしたりしました。自然の中で思いっきり遊ぶ中で、子どもたちはあっという間に仲良くなっていきます。

サバイバルイベントの様子

このようなイベントの開催には、「様々な環境で暮らす子どもたちがお互いを受け入れ、一緒に偏見のない社会をつくってほしい」という抱っこサポーターの願いが込められています。

「心の幸せ」や「愛情」を子どもたちに

河本美津子さん

ぐるーん岡山 代表 河本美津子さん
「お金や物品を施設に寄附するという支援もありますが、ぐるーんの活動は『抱っこ』を通じて『心の幸せ』や『愛情』を子どもたちに届けています。
まずは、『子どもたちを抱っこしたい!』というちょっとした想いをきっかけに、様々な環境で暮らす子どもたちに関心をもっていただき、温かい支援の輪が広がっていってほしいと思います。」

のっぷ1

ぐるーんでは、サポーターが一方的に子どもたちを支援するのではなく、『抱っこ』という誰にでもできる行為を通じて、お互いに心の安らぎを与え合っているんだね。

お問い合わせ

一般社団法人ぐるーん
メールアドレス:info@gruun.org

のっぷ2

次回は、グリーンバード岡山チームにおじゃまするよ!
お楽しみに!!

なお、「わくわくボランティア」では、「取材にきてほしい!!」というボランティアグループ等を募集中です。
希望される方はお問い合わせフォームより、団体名、ボランティア活動の内容を添えてご連絡ください!