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消し太の救急法

[2020年2月9日]

ID:19932

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消し太の大冒険シリーズ第5話。今回は中学生の男の子が主人公です。はたしてどんな冒険が待っているのでしょうか。それでは消し太の救急法のはじまりです!!

彼は中学二年生。

つい先月、父を亡くした。心臓突然死だった。最後に父と交わした会話は、朝食の際に前日の剣道大会について。父からの「よう頑張ったな。」という言葉に対しての「う~ん。」という返事とも、返事じゃないとも受けとれる彼の声だった。どうしてそんな返事をしたのか、特に理由はなかった。本当に伝えたい返事ではなかった。彼の声を聴いた父は少し肩をすくめてから「行ってきます。」と出勤し、そして帰ってこなかったのだ。

ベッドで仰向けになる。父さんが死んでから剣道の稽古に行ってない。母さんがとても忙しかったからだが、こんなに運動しなかったことは記憶にない。そうだ。何か母さんの手伝いをしないと。

消し太1

突然声をかけられて、ギョッとして飛び起きると、小さな消防車。

消し太「ヨッ!オレは消し太だ。桃の国の消防車だ。」

中学生の男の子「な、なんだ?!消し太??!」

消し太「混乱するのはわかるが受け入れろ。これは現実だ。」

消し太2

消し太に母さんのところへ追い立てられると、母さんはやはり疲れた様子だ。

中学生の男の子「母さん、何か手伝えることある?」

彼の声に母さんは少し微笑むと、「区役所に住民票を取りに行ってくれると助かる。」と答えた。母さんが助かるなら行こう!

中学生の男の子「ところで、なんで突然出てきたんだよ?」

区役所へ向かいながら消し太に尋ねた。

消し太「実はこの後、一人の女の子が倒れて死んでしまう。」

消し太3
消し太4

中学生の男の子「え?!じゃあ、俺は!俺の精神的なショックは!!」

母さんの精神的ショックの代役となるよう仕向けたという消し太の話に彼は突っかかった。

消し太「そのために、この消し太様がついてるんじゃないか。キミは大丈夫だよ!」

中学生の男の子「う~ん。母さんの代わりなら、まあ、いいか。それにしても、病気なら119番通報をすればいいんじゃないの?」

消し太「119番通報すれば救急車は来る。でも、それじゃ間に合わない場合もあるんだ。」

父さんのことが頭をよぎり、胸が痛む。

その時だ!突然俺の目の前で、ランニングをしていた高校生くらいの女の人が倒れたのだ!

中学生の男の子「どどど、どーするんだ!消し太!」

おどろき慌てる彼に消し太は不敵な笑みを浮かべてタブレットを示してきた。

消し太「ふっふっふ。この動画をクリックしな。これは人間の消防士たちとオレ様がつくった、目の前で人が倒れた時にどうするかを教える動画だ。」

消し太5

「見ながらできるのか!」彼は動画をクリックした。動画に従い、意識の確認をし、119番通報とAEDの手配、胸骨圧迫を行った。

中学生の男の子「1、2、3、4、・・・」

動画の説明通り懸命に胸を押す。人工呼吸用のシートは持っていなかったので人工呼吸は行わなかった。
胸骨圧迫を続けていると、AEDが到着した。電源を入れパッドを貼ると、「解析します。離れてください。」のメッセージがAEDから流れた。

中学生の男の子「離れてください!」

彼の声と動画の中の消防士の声が重なる。

中学生の男の子「ショックします!離れてください!ショック!」

倒れた女の人の体がショックで跳ねる。「1、2、3、4、・・・」胸骨圧迫を続けると、女の人はせきこみ体をよじった。意識はないが、息はある。息をしだしたんだ。遠くから救急車のサイレンが近づいてきている。

応急手当

桃之助

消し太「キミは大丈夫だって、言ったろ!」

いつの間にか姿が見えなくなった消し太の自慢げな声が聞こえてくる。

消し太「なんたって、今日のオレの乗車員は、キミのことをずっと見てきた人なんだからな!」

そのあと消し太から聞こえていた声は消し太のものではなかった。彼がもう一度聞きたかった声だ。

消し太6

「よう頑張ったな。」

今度は伝えたい返事が自然と口から出た。

中学生の男の子「うん。ありがとう。」

彼の周りを一陣の風が吹き去っていった。サイレンの音は、救急車がもうそこまで来ていることを知らせていた。

桃之助の画像

桃之助

大切な誰かを助けるために

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救急法を受講するには、定期に開催されている講習を受講する、町内会等の行事で消防署の人に来てもらう方法等ががあります。詳しくは南消防署救急担当までお問い合わせください。

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消防局警防部南消防署

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