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消し太の人生会議

[2023年4月9日]

ID:21909

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消し太の大冒険(鬼の国編)~鬼の国の鬼消防署~

第1話消し太の人生会議

消し太の写真

なんてこった。桃の国の桃消防署から、温羅(うら)川をこえて、鬼の国の鬼消防署に人事異動になっちまった。平和な桃の国とはちがって鬼の国の話は辛口だぜ!

鬼消防署のイラスト

鬼消防署には、いろんな鬼が消防士として仕事している。オレの時空を超える能力で、鬼たちの仕事ぶりをみてやるつもりだ。今回は、救急車に乗っている鬼、救急の鬼をチェックしてやるぜ!

うらじゃの化粧をした消し太のイラスト

消し太うらじゃバージョン

消し太「ここは救急救命士の研修所だな。全員、目の色を変えて勉強と訓練をしているじゃないか。教授は医師だな。」

教授「皆さんの使命は救命です。命を助けることです。」

教授「しかし、ひとたび心肺停止となった患者を助けることは難しく、深刻な脳へのダメージは、結果として、目覚めることのない1週間ほどの延命にすぎないかもしれません。しかし、それはご家族にとって、ただの1週間ではありません。皆さんの勝ち取ったかけがえのない時間なのです。朝、普通に出かけた家族がもう帰ってくることがない、それが救急の現場なのですから。

皆さんはどんなに困難な現場でも、救命のためにやれるだけのことをやらなければなりません。そして、たとえ1週間でも、3日でもその大切な時間を勝ち取っていかなければならないのです。」

研修生「はい!」

消し太「ふむふむ。こうやって救急の鬼は生まれるんだな。」

救急の鬼たちの集合写真

消し太「おお、研修生も卒業後はいろいろな現場に出動して救急の鬼となっているようだな。」

救急の鬼の写真1
救急の鬼の写真2

消し太「おや?今回の出動は様子がちがうようだ。」

救急隊は、布団の中で息をしていない60代のやせた父親とその娘に向かいあっている。まさに救命処置を行おうとする救急隊に娘はこう言ったのだ。

娘「父は長く臥せっており辛かったんですが、頑張ってくれました。やっと楽になったんです。何もせずに、ただ病院に連れて行っていただくことはできませんか。」

救急の鬼が少し小さくなったように感じる。

救急の鬼「申し訳ありませんが、私どもは病院に搬送する際は、法に基づき、必要な処置を行う責任があります。心肺蘇生を行わせてください。」

人生の最後に心肺蘇生などの救命処置を希望せず、ご家族やかかりつけ医と話し合っている場合でも、いざという時にどうして良いかわからずに119番通報されることがある。しかし、命を助けることを使命とする救急隊は助けなければならない。そこに時間的な余裕はない。

娘の了解を得て処置を続けながら病院へと向かう救急隊の顔にあるものは、いつもの救命への使命感ではない。それは・・・苦悩だ。

苦悩の表情を浮かべる消し太の画像

消し太「救急の鬼もつらいぜ。」

消し太「人生の最終段階の医療・ケアについて、自らの希望を、家族と繰り返し話し合って共有する人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)の取り組みがすすんでいる。しかし、そのことを救急隊は一刻の猶予もない中で確認することができないんだ。」

消し太「今はまだ、119番通報するということは、救命処置をするということになるんだ。」

お話は岡山市の場合です。全国的には、いくつかの市町村で例外があります。救急隊にとって『救命』は多くの市民が我々に期待する絶対的使命ではありますが、一人一人の傷病者に寄り添う存在でもありたいと思っています。そして傷病者の方それぞれが希望する尊厳ある最期を迎えることを願っています。『119番通報をすることが救命処置を行いながら病院へ搬送することになる』ということを前提に、もしものとき、急変した際の対応を、ご家族やかかりつけ医とあらかじめご検討ください。

消し太救急隊バージョンの画像

おしまい。

関連ページ

日頃から、有事に備えて自らが希望する医療や望んでいることなどを周囲の人たちと共有しておくことが大切です。岡山市地域ケア総合推進センター作成のホームページでは、人生会議(ACP:アドバンスケアプランニング)について紹介されています。以下のリンクからご覧ください。


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消防局警防部南消防署 救急第1,2係

所在地: 〒702-8024 岡山市南区浦安南町495番地88 [所在地の地図]

電話: 086-262-0119 ファクス: 086-264-3935

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