公民館（東公民館）

• 公民館：岡山市立東公民館
• 住所：岡山市中区高屋344-1[地図]
• 問い合わせ先：086-271-1911
• ウェブサイト：岡山市立東公民館

岡山市中区・竜操中学校区に位置し、あかれんが造りの外観が印象的な「東公民館」。100ものクラブ講座を開催し、年間利用者3万人以上を誇る、地域活動の拠点です。東公民館にはボランティアグループ「あかれんがクラブ」があり、67歳から80歳までの14名（男性9名・女性5名）※が、公民館と連携しながら講座の提案や運営に関わっています。
今回は、「ESDオープンカフェ『三木』」を中心に、東公民館と「あかれんがクラブ」のESD活動をご紹介します。

※2017年11月現在。

ESDオープンカフェ「三木」（以下、「三木」）は、入場無料・予約不要・フェアトレードコーヒー100円の、誰でも集える憩いの場です。毎月第三木曜日（13時30分から15時）に開催されることから、「三木」と名付けられています。

活動がはじまったのは、2011年5月。高齢化が進み、ともすると一人で家にこもりがちな高齢者の集いの場づくりが課題となるなか、「あかれんがクラブ」のメンバーが「カフェをやってみては」と提案したのがきっかけです。
「三木」の評判は口コミで広がり、2017年5月までに延べ4,000人以上が参加する人気イベントとなりました。普段あまり公民館を訪れることのない、男性の参加者が多いのも特徴です。

この度、「ESD岡山アワード2017別ウィンドウで開く」では、「岡山地域賞」に入賞を果たしました。

コーヒーの提供からスタートした「三木」ですが、「あかれんがクラブ」の皆さんの試行錯誤により、回を重ねるごとに進化していきました。
第2回から「歌声喫茶」を実施。全員で声をあわせて歌うことで自然と笑顔が生まれ、今では「三木」の定番となっています。カフェの雰囲気を演出するため、おそろいのエプロンもつくりました。
また、「せっかく公民館でやるのだから、ほかのクラブ講座とも協力しよう」と、オカリナやコーラスなどの音楽演奏、マジックなどの講座受講生が日頃の練習の成果を発表するステージ企画もスタート。ステージを楽しむ参加者のみならず出演者にも大好評で、「また出演したい」というオファーが絶えないそうです。「難しく考えないで、とにかくやってみよう」というチャレンジ精神が、多くの人を巻き込み、「三木」を盛り上げています。

「三木」の継続的な運営にもうひとつ欠かせないのが、「あかれんがクラブ」のチームワークです。「できる時に！できる事を！無理はしないで」がモットー。困ったときは助け合いつつ、それぞれの特技や趣味を活かして活動しています。
お正月・クリスマスなど行事にあわせた木工作品を展示したり、花を飾ったりして季節感を演出。メンバーが汲んできた名水100選・雄町の冷泉の水を使って、美味しいコーヒーをいれます。また、写真や文章が得意な方がニュースレターを作っています。
仲間と支え合うことで、6年以上も継続して開催できているのです。

「あかれんがクラブ」の皆さんが一番うれしいのは、「三木」に地域の仲間たちが集い、楽しんでくれること。「一緒に笑って一緒に歌ううち、みんな元気になるんです。『○○さん最近見かけないけれど大丈夫かな？』などと安否情報も自然と集まって、声かけをするきっかけにもなっています」とメンバーの皆さん。「高齢者が元気でいることは、その子ども・孫たち若い世代にも波及して、地域を元気にすることにつながると思います。」

また、10年先を見据えて、若い世代との結び付きも大切にしているそうです。東公民館では歴史や伝統文化について中学生と一緒にESD活動を行っていますが、そちらにも「あかれんがクラブ」は協力しています。

「さまざまな人が集い、交流したり学んだりする公民館活動は『ESD』そのもの」と口をそろえる「あかれんがクラブ」の面々。世代交代しながら、10年先もその先もその活動が続いてほしいというのが、東公民館と「あかれんがクラブ」共通の願いです。

それぞれの個性を活かしつつ、地域のため誇りを持って活動しています。今後は、地域のオピニオンリーダーとして、公民館で学んだことを町内会などのコミュニティでも活かしていきたいです。

「あかれんがクラブ」の皆さんはとても気さくで、いらっしゃるだけで花が咲いたように明るくなります。「三木」も、いつも和気あいあいと楽しい空間です。どなたでも参加できるので、ぜひ遊びに来てくださいね！