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公民館(西大寺公民館)

[2019年6月18日]

ID:38490

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公民館(西大寺公民館)

西大寺公民館外観

西大寺公民館

公民館データ

  • 公民館:岡山市立西大寺公民館
  • 住所:岡山市東区西大寺東区向州1-1[地図]
  • 問い合わせ先:086-942-6252
  • ウェブサイト:岡山市立西大寺公民館

岡山市東区に位置し、のどかな田園地帯と古き良き街並みが残る西大寺。はだか祭りで知られる西大寺観音院の周辺には昭和レトロな商店街が昔のまま残され、映画やドラマのロケ地としても広く知られています。今回は、そんな西大寺地区で取り組まれている公民館のESD活動「食品ロス削減講座」についてご紹介します。

食品ロス削減講座とは?

岡山市では、毎年5月30日の「ごみゼロの日」の前後一週間を「ごみ減量・リサイクル推進週間」と定め、市内の各公民館で、ごみの減量化や資源のリサイクルにつながるさまざまな啓発活動を行っています。そのひとつに家庭の食品ごみを減らし、環境に優しい食生活の実践を目的とした「食品ロス削減講座」があります。

「食品ロス」とは、本来は食べることができるのに捨てられてしまう食品のこと。食べきれない、使いきれない食品は生ごみとして廃棄されてしまい、日本では年間で632万トンもの大量の食品ロスが発生していると言われています。一般家庭で発生する食品ロスの割合も多く、岡山市の家庭系の可燃ごみのうち、食品ロスの割合は約40%。1日あたり、市民1人につきお茶碗1杯分(180g)以上にものぼるそうです。(出典:農林水産省、平成27年岡山市組成分析調査結果)

西大寺公民館では、身近なところから食品ロスの削減に取り組んでほしいと考え、2019年5月28日、食品ロス削減の方法を楽しみながら学べる料理教室を開催しました。

乾物を使ったイタリアン

今回は「乾物を使いきる」をテーマに、簡単にできるイタリアンのレシピに挑戦しました。講師を務めたのは、パン教室や料理教室を主宰する松井真由美先生。岡山市内を中心に安心・安全な素材を使った季節のパンや、大人から子どもまで楽しく食べられる料理を教えています。

松井先生の説明の様子

松井先生が調理のポイントをレクチャー

楽しい講座風景

みんなで会話しながら楽しく作業を進行

今回は、食品ロス問題に関心のある男女6名が参加しました。
メニューは以下の4品です。

  • 切り干し大根とツナのサラダ
  • お麩で作るイタリアンラスク
  • クスクスのアンチョビサラダ風
  • コーヒーゼリー

コーヒーゼリーに使ったインスタントコーヒーや、「アガー」という粉末状のゼリーの素、切り干し大根や麩など、どのレシピにも乾物が使われています。乾物は長期保存が効く分、持て余しがち。そんな乾物をおいしく食べられるレシピの数々に、参加者の皆さんは興味津々です。
さらに、どのレシピも手早く作れるのがポイント。コーヒーゼリーは材料を火にかけて混ぜ、器に入れて冷蔵庫で冷やし固めるだけ。サラダも乾物を戻して調味料や具材とあえるだけで完成。参加者からは「とても簡単。家でもぜひ試してみたい」という声が上がっていました。

麩のラスク

麩はオーブンで焼くとサクサクの食感に

クスクス

火なしで簡単に調理できる粒状パスタ、クスクス

今回使った乾物で、特に参加者の注目を集めたのは、サラダに使った「クスクス」。聞き慣れない名前ですが、世界最小と言われる粒状のパスタで、これも乾物の一つです。「クスクスは腹持ちが良く、水で戻すといろいろな料理に使えるので便利。防災食としても注目されています」と松井先生。参加者の皆さんは「料理や食材の知識が増えると、食品ロスを減らす工夫も楽しく実践できそう。毎日の献立にも役立ちます」と話していました。

皆さん手際よく調理を進めていき、1時間であっという間に4品が完成。器に盛り付けたら待望の食事タイムです。
4品が完成

4品が見事完成!

乾物を使った4品それぞれにしっかり味わいがあり、食べ応えも抜群。「この食材と合わせても美味しそう」「私はもう少し薄味で和風にアレンジしてみたい」など、料理経験豊富な方ならではの意見も飛び出し、会話の弾む楽しい食事会になりました。

家庭でできる、食品ロス削減

食事会の後半では、食品ロスについて話し合う時間が設けられました。この講座を企画したのは西大寺公民館職員の吉田さん。防災士の資格を生かして防災クッキングのイベントを行うなど、積極的な取り組みを行っています。

「家庭で生ごみを減らす工夫をしていますか?」という吉田さんの質問に対し、参加者の皆さんからは「食材の買い方や調理のルールなどを見直す必要を感じる」という声が多く上がりました。中には「食材は一週間分だけ買って、冷蔵庫が空っぽになるまで買い足さない」という方も。余計な買い物をしないことで食費の節約につながり、同時に食品ロス解消も実践できているそうです。

「今回の講座のように残った食材をどう使うかも大切ですが、買いすぎないことも意識してほしいです。スーパーの特売品など、安いとあれもこれもと手を出しがちですが、本当に使いきれるのか考えてみましょう」と吉田さん。料理教室を通じて、楽しみながら食品ロス削減について学べる良い時間になりました。

ブレッドスクール デリス主宰 松井 真由美さん

松井先生

お野菜が手に入りにくい夏の端境期に向けて、乾物を使ったレシピを考えました。生のお野菜をたくさん使わなくても、乾物一つでいろんな料理にアレンジでき、食べ応えのある一品になります。食材を買い忘れた時や食材が足りないときに便利です。楽しみながら食品ロスを減らす工夫をしてみてください。

西大寺公民館職員 吉田 郁美さん

吉田さん

食品ロスについて知らない方にも興味を持ってもらえるように、料理教室を企画しました。ESD活動全般に言えることですが、食品ロスをなくすためには普段の生活に定着させないと意味がありません。西大寺公民館でも継続的に情報を発信し、できることから食品ロス削減に取り組んでほしいと思います。

ESDマン

食品ロス削減を学べて、生活にも役立つうれしい講座だね!