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岡山桃太郎空港を中心に隣接する中学校区地域を含めた特産品の開発と雇用の確保による持続可能な地域の実現計画

[2024年3月28日]

ID:57641

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学区内人口の減少と高齢化、耕作放棄地の増加

活動団体

スタッフの皆さんの写真

●団体名「一般社団法人まやかみ振興会」

●団体の概要
主な活動場所:岡山市北区三和
構成員:18人
代表者:遠藤 剛
設立:2021年

●これまでの活動
2021年:3月、馬屋上町内会役員ら11人で「一般社団法人まやかみ振興会」設立。12月、「星空の郷」供用開始、売店オープン。

活動内容

活動のきっかけ

様々な商品が並ぶ写真
草木染めのハンカチやオリジナルふくさの写真

岡山市が2021年12月に岡山北斎場「星空の郷」の供用を開始したのに合わせて、地元馬屋上地区の町内会役員ら有志が地域特産品の販路拡大や雇用の確保を目的に、施設内への売店出店を市に働き掛けて実現した。
同年3月に運営法人として「一般社団法人まやかみ振興会」を発足。地元農家から直接仕入れた桃やシャインマスカットをはじめ、地域おこしでマスカットの葉を原料とした草木染めハンカチなどを展開している「マイタウン津高実行委員会」に依頼し、オリジナルのふくさなどを販売している。

桃のかき氷の写真

食べ物は、規格外品の桃を砂糖水で柔らかく煮てコンポート状に凍らせたかき氷を夏季限定で提供するほか、お好み焼き、フォンダンショコラ、酒類などさまざまなものを用意し、最後のお見送りの場の待ち時間が少しでも短く感じ、有意義に過ごせるよう努めている。
人が亡くならないと訪れることのない施設で、集客する方法がないため、ECサイト開設に向けて準備中。地域特産品の販路拡大につなげ、農業従事者の所得向上を目指している。

主な事業

売店経営による飲食物、地域特産品の販売

売店のメニューの写真

待合ホールの売店で地元特産品や飲食物などを販売。斎場には珍しく通夜、告別式にも対応している施設のため、軽食やスイーツなど幅広いニーズに応えられる商品をそろえた。
営業時間は午前9時から午後5時(オーダーストップ午後4時30分)。地元特産の桃は6から8月のシーズンだけでなく、11月まで出荷できる品種の「冬桃がたり」を仕入れるなど長期間提供できるよう工夫。
その場で食べられるシャインマスカットが人気のほか、桃はかき氷にしたことで手軽に食べられるようにした。
1件当たり平均3000から4000円の売り上げにつながっている。

地域の特産品を活用した6次産業化の推進

地域内の農家から耕作放棄地の情報を随時集め、新規就農者への情報提供を実施。農地中間管理機構に入ってもらい、高齢で農作業ができなくなった土地へ若者を紹介したケースも出ている。

活動資金について

売店の売上、地域の未来づくり推進事業補助金を活動資金としている。

仲間集めのコツ

地元町内会の有志が参画しているため、地域密着の人脈が構築できており、10件くらいの農家と契約している。地元から多くの協力を得ることで、耕作放棄地の情報収集や就農者受け入れなどへの協力もしてもらいやすく地域を挙げた事業になっている。

活動のポイント

地域特産品の販売だけでなく、今後のECサイト開設によりイベントの発信を計画するなど、地域の魅力を広める拠点に向け取り組んでいる。斎場という通常出入りすることのない施設とはいえ、高齢化を背景に、知名度が上がれば利用者数は増えていくことが予想され、馬屋上地域のブランディングや農業振興への貢献が見込める。地元農家とのネットワークを構築しているのも特長で、耕作放棄地活用の促進にも期待が掛かる。

活動継続の秘訣

斎場という、故人の新たな旅立ちの場所で火葬の待ち時間をどう過ごしてもらうかを第一義に考え、立ち上げ前には、広島、香川、兵庫県内の売店のある斎場を視察し商品構成を検討。顧客の意見も聞きながら軽食のラインアップを随時変更するなど改善しながら利用増に努めている。館内外の清掃業務も行っており安定的な売り上げを確保。売店4人、清掃3人で周辺地域から7人の雇用につなげている。

星空の郷の知名度がまだ低く、当初の計画よりも利用件数は少ないものの、告別式も行える点など特徴のある施設の情報発信にも力を注いている。

これからの展望

ECサイト開設による農産物の販路拡大を進めるほか、地元果物を使ったドライフルーツづくりや、耕作放棄地を活用したハーブなどの栽培を進め、ハーブティーの開発に取り組むなど、さらなる農業振興につなげたい。