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まやかみフルーツを有効活用した地区農業の活性化 ーまやかみフルーツでたくさんの人々のハートをGETー(2019年取材)

[2024年3月28日]

ID:56647

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規格外果物の活用

活動団体

果樹部門のメンバーの写真

●団体名 「観空産業株式会社」

●団体の概要
主な活動場所:岡山県岡山市北区三和
構成員: 5 名(果樹部門スタッフ)
代表者:福田 泰人
設立: 1987年

●これまでの活動
2008年:果樹栽培開始。
2015年:規格外農産物の活用検討開始。(加工品製造)
2017から2018年:かき氷のテスト販売を実施。
2019年:岡山市「地域の未来づくり推進事業」採択。
     キッチンカーでの出店を開始。

活動内容

活動のきっかけ

公園管理、空港など公共施設周辺の環境整備を行う「観空産業株式会社」は、社員の大半が果樹生産経験者でもあり、社内に果樹部門を持っている。社屋横には桃畑が広がり、近隣の直売所で贈答用等の果実の他、農産物や加工品を販売している。この果樹部門の活動を通じて、害虫、天候被害等により出荷規格を満たさず、やむを得ず廃棄している農産物の有効活用の必要性を感じていた。

また、かねてより公園等の利用者から、周辺に飲食を提供する店舗が少ないという声があった。臨時のテント販売でおでんやお好み焼きを提供したことはあったが、これを継続的なものとし、地域貢献につなげたいという強い思いがあった。そこで、同社は様々な場所で実施可能なキッチンカーを導入し、出荷規格外や売れ残りの果実を加工し、ピザの具材やかき氷のトッピングとして提供する事業を開始した。

主な事業

キッチンカーによるフルーツピザとかき氷の製造・販売

桃のコンポートとピューレを贅沢に使ったかき氷の写真

過熟や害虫・天候被害により出荷規格を満たすことができない桃は、総生産量の約3割を占めている。また、収穫が1日遅れると桃の流通価値は2から3割下がるといわれており、収穫のタイミングによっては贈答用として出荷できないケースも多い。
そこで同社は、味や品質に問題がない規格外品をコンポートとして加工・冷凍保存し、フルーツピザの具材やかき氷のトッピングに使用。
「Piacevole MAYAKAMI(ピアチェボーレ※1 マヤカミ)」と名付けたキッチンカーで公園利用者に販売したところ、すぐに人気となった。

※1...イタリア語で「楽しい」などの意味。

桃のコンポートを乗せたフルーツピザの写真

活動資金について

商品の売上、岡山市「地域の未来づくり推進事業補助金」(2019年度から)などを活動資金としている。

仲間集めのコツ

「自分たちで地域の暮らしを支える産業を起こそう」、「地域を支える人材を育てよう」という意識が高い同社には、休日を利用して地域活動に意欲的に取り組む社員も多い。

そこで、会社としても勤務上の配慮を行い、社員の地域貢献を奨励。積極的に地域に関わっていこうとする社風は社員にも浸透し、地元生産者との連携など、同じ目標を持つ他の団体との協力体制を築くことにもつながっている。

活動のポイント

キッチンカーの存在は、単なる販売ツールというだけではなく、地域に憩いの場や賑わいを生み出すきっかけにもなっている。現在、地元の子どもたちの協力を得てテーマソングも作成しており、地域のシンボルになりつつある。

また、キッチンカーの名称に用いた「まやかみ(馬屋上)」の地名は、現在、合併等の経緯によって市の町名から消えている。同社には、地域の農産物を「まやかみフルーツ」、「まやかみ野菜」としてPR することで、その名を残していきたいという想いがある。こうした地域への愛着も活動の原動力となっている。

活動継続の秘訣

自社農場で生産から加工、販売までの事業を一貫して行うことで、高い品質の商品を安定して供給している。さらに、キッチンカーを導入したことで、さまざまな場所での販売や他地域のイベント出店も可能となり、販路拡大にもつながった。

これからの展望

キッチンカーを稼働させ、フルーツを使った飲食の提供を続けながら、規格外農産物の活用と地域の賑わい創出を進めていきたい。また、新メニューとして「まやかみ野菜」を使ったピザの提供も検討している。

体制図

生産者が「観空産業株式会社」と連携し、利用者へ商品サービスを料金と引き換えに提供し、岡山市は補助金を「観空産業株式会社」に提供するという体制図

2019年の取材の内容です。