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YOUTH CHALLENGE その10【岡山県立岡山御津高等学校】

[2019年1月8日]

ID:41870

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社会のため、未来のために活躍する「若い力」に注目し、そのチャレンジを紹介するコーナー「YOUTH CHALLENGE」。今回は、「岡山県立岡山御津高等学校」(以下、岡山御津高校)の取り組み、「注文を間違えるレストラン『ルネストラン』」についてご紹介します。
なお、内容は取材当時のものです。

「ルネストラン!開店です」

レストランの入り口にズラッと並んだ高校生は、少し緊張しながらお客様を出迎えました。7月21日限定でオープンしたのは、「注文を間違えるレストラン」。
今日は、軽度の認知症があるおばあさんたち4人が、ホールスタッフを務めます。岡山御津高校の3年生12人はおばあさんたちのサポート役をします。

1 笑顔で接客

笑顔で接客

今日のメニューは、A(ハンバーグ)、B(ポークジンジャー)、C(白身魚の包み焼き)の定食と、食後の飲み物に、コーヒー、紅茶、オレンジジュースから選べ、デザートも付いています。テーブルには数字の書いた立て看板。注文を書き留める伝票は、どのメニューをいくつ注文を受けたか、それは運び終わったのか、食後の飲み物はどれだったかなどチェックを入れるだけでわかるように工夫がされています。おばあさんたちは笑顔で接客していきます。時間と共に高校生たちにも笑顔が増えていきました。

2 心を込めて配膳

心を込めて配膳

3 注文票は間違えないように工夫されています

注文票は間違えないような工夫がされています

ルネストランのオープンまで

4 認知症サポーターリング

認知症サポーターの証、オレンジリング

ルネストラン開催までの道のりをご紹介します。5月、生徒たちは「認知症サポーター養成講座」を受けました。認知症に対する正しい理解、接し方のロールプレイングなどを行いました。悪い例を示した動画を見ては、どこが悪いのか、なぜ悪いのかを考えました。後ろから話しかけると驚かせてしまうこともあるので、斜め前から体に優しく触れながらゆっくり話すのがいいなど、具体的な対応についても学びました。開店直後、少し硬い表情だったのは、習ったことを実践できるかという緊張もあったのかもしれません。生徒の手首には、認知症サポーター・オレンジリングを着けていました。

5 笑顔の堀田成美さん

笑顔の堀田成美さん

多くのテーブルに食事が運ばれるようになった頃には、どのおばあさんも生徒さんも笑顔になっていました。3年生の堀田成美さんは「合間、合間におばあさんたちからお話をしてくれました。普段聞けないためになる話や優しい話し方に、緊張をほぐしてもらいました」と笑顔の理由を教えてくれました。

6 世代を超えたおしゃべり

世代を越えたおしゃべり

「それ私がやりますね」と進んで働き、楽しそうに過ごすおばあさんの姿を見て、お客様としてきていたご家族も嬉しそうでした。結果的に注文も間違えることはなく、暖かい空気に包まれたほっとするレストランとなりました。高校生たちは、「楽しかった。やりがいを感じました。またやりたい。来年も次の学年がやって欲しい」と口々に言っていました。

高校生が地域に出てみてわかること

同校では、地域の課題を発見して解決する「ルネス(地域)学」を昨年からスタートしました。「地域課題発見解決学習」の授業を受ける3年生が、高齢者率の高い御津地域の課題解決に多くの意見を出し、「ルネストラン」を開くことを企画したそうです。御津地域以外に住む生徒も多く初めは実感のない生徒もいたようでしたが、「学校の外に出てみてわかること、実際に接してみてわかることがありました」と話してくれました。

7 高校生とおばあさんがチームでお膳を運びます

高校生とおばあさんがチームでお膳を運びます

学校外にも先生はいる

実はメニューにもこだわりがありました。
高校生たちは、美味しい料理を食べて欲しいという思いから、岡山御津高校の近くにある喫茶店に行き、店主に料理の提供をしてもらったようです。
このプロジェクトをサポートしてくれていたのは地域の病院・金川病院の大森信彦院長を始めみつネットのスタッフの皆さん。
「おばあさんたちは普段接することの少ない高校生と接することで生き生きとしていたこと、また生徒たちも目を輝かせて耳を傾けていたことが印象的でした。相手を思いやる優しさを感じることのできたルネストランになりました」と大森院長が話してくれました。
岡山御津高校の笹埜教頭は「生徒たちは準備から一つ一つ考え、話し合い、主体性をもって行動してきました。支えてくれる多くの先生が地域にはいてくれます。自ら考え行動することで地域の人たちの笑顔を作る生徒たちを頼もしく感じました。ルネス学を通して、地域に笑顔の連鎖を作り続けていきたいです」と感想を話してくれました。

高校生やホールスタッフのおばあさん達のあったかい雰囲気で、お客さんも笑顔になるステキなレストランだったよ。

こんな活動が広がっていくといいわね。

関連リンク

なお、「YOUTH CHALLENGE」では、「取材にきてほしい!!」という若者の取組を募集中です。

希望される方はお問い合わせフォームより、団体名、活動の内容を添えてご連絡ください!