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YOUTH CHALLENGEその9【岡山県立岡山東商業高等学校】

[2019年1月8日]

ID:40765

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社会のため、未来のために活躍する「若い力」に注目し、そのチャレンジを紹介するコーナー「YOUTH CHALLENGE」。今回は、「岡山県立岡山東商業高等学校」(以下、岡山東商業高校)が実施するイベント、「東商デパート」についてご紹介します。

なお、内容は取材当時のものです。

学びの集大成「東商デパート」

2018年11月17日(土曜日)、岡山ドームにて、岡山東商業高校の生徒たちによるマーケットイベント「東商デパート」が開催されました。

「東商デパート」は、生徒たちが授業で学んできたことを実際に体験する「学びの集大成」。地元企業の協力のもと年1回実施され、毎年楽しみにしているファンも多く、約7,000人もの人が訪れるそうです。

創立120周年の節目を迎えて

今年のテーマは、「商業無常~過去を重んじ刻む東商伝説~」。同校の創立120周年と、東商デパートの開催25回目という節目の年を迎えることから、「過去を重んじながらも新しいことに挑戦したい」という生徒たちの思いが込められています。

会場には、1年から3年の全クラス・計35店舗が出店。服飾品や食料品、雑貨などがバリエーション豊富に揃っています。
会場の雰囲気

開場と同時に多くの人が詰めかけました

生徒たちがすべてを担う店舗経営

塩津さん

代表取締役社長 塩津さん

東商デパート全体の運営管理は、立候補によって決まった「取締役」約30名が中心になって行います。今年の「代表取締役社長」は、3年生の塩津 琴さんが務めています。
「イベント開催に向けて、1学期から準備をスタートしました。取締役会では、まず商品の仕入れを行う協力企業選びと、企業への依頼を担当します。言葉遣いなどのマナーを事前に調べて練習しましたが、企業の方に電話するのはとても緊張しました!」と塩津さん。

そのほか、会場全体のレイアウト設計や開会式・ステージイベントの準備、必要な備品の調達なども取締役会の仕事。当日までの準備はかなり大変だった様子です。

「販売する商品、店のレイアウト設計などはすべて、クラスで話し合って決めます。生徒たちそれぞれに、協力企業との折衝を担当する『営業』、レジや売上を管理する『経理』、看板やチラシの制作を行う『販促』などの役割が与えられます。
そして、10月に行うビジネスプランヒアリングでは、店舗ごとに仕入れや売上目標、経営理念などを紙に書いて提出し、取締役が店長や副店長と面接。場合によっては何度も書き直すこともあります。また、先生方による礼法指導もあり、明るく元気な挨拶、正しいお辞儀の作法といった接客マナーもしっかりと身につけました。」

「岡山のすごい企業」をPR

「今年7⽉には豪⾬災害があり、岡⼭も⼤きな被害を受けました。そこで今回は、『岡⼭を元気にするために、東商デパートとして何かできることはないか?』と考えながら準備を⾏いました。」と塩津さんは⾔います。「知名度はそこまでなくても、岡山にはすごい企業・商品があるということを来場者に知ってもらい、岡山の企業の売上に少しでも貢献したいとの思いから、初協⼒となる企業にも積極的に声をかけ、多彩な商品を取り揃えました。地域の⼩中学⽣も多く来場するイベントなので、地元企業を意識するきっかけにもなればと思っています。」

3年3組の店舗は、あんこの老舗「谷尾食糧工業」と提携した「宝食糧」。店長は、「社名を目にする機会は少ないかもしれませんが、『谷尾食糧工業』は、実は業務用・家庭用あんこで高シェアを誇る企業です。その魅力を紹介するため、企業・商品をPRする看板を自分たちで作って、アピールすることにしました。」とのこと。
また、「フード・アクション・ニッポンアワード2016」を受賞した「まるごと玉ねぎスープ」や、晴れの国・岡山ならではの太陽の恵みが詰まったフルーツゼリーなど幅広い商品を開発していることから、あん製品以外の人気商品も揃え、PRしていました。

谷尾食糧

あん製品、ゼリーなどを販売

谷尾食糧看板

看板を設置してPR

2年1組の店舗は、倉敷市児島に本社を構えるジーンズメーカー「BIG JOHN」と初提携した「JOHNʼS HOUSE」。店⻑は、「国産ジーンズのパイオニアである『BIG JOHN』という会社と丁寧なものづくりの魅⼒を多くの⼈に知ってもらえたらと、クラスのみんなで考えました。いろんな年代の⽅がいて、求められるものがそれぞれに違うので、頑張って売っていきたいです。」と熱い思いを語ってくれました。商品の陳列方法を工夫したり、手作り体験のコーナーを設けたりと、お客様の興味を引こうと工夫をこらしていました。

実際にストラップ作りを体験した⼥性は、「イベントに初めて来たのですが、みんなのやる気がすごく伝わってきました。オリジナルのストラップを作ることができたのもよかったですね。」とうれしそうに話してくれました。

JOHN'S HOUSE

「BIG JOHN」のジーンズ、服飾雑貨を販売

JOHN'S HOUSE接客

オリジナルストラップ作り

そして、3年5組が営む店舗「ハッピージャムジャム」は、倉敷市にあるカフェ⼯房「三宅商店」と初めて提携。「できるだけ地元産の食材を使い、果物そのものの味わいを生かしたジャムを食べて、みんなに幸せになってほしいとの思いを込めて、創立120周年記念にちなんで120個限定の目玉商品『2層のジャム&マスキングテープセット』を作りました。店頭ではジャムの試食を用意し、お客さんにおいしさをPRしています。」と店長。目玉商品は予想以上の売れ⾏きで、イベント終了を待たずに完売となりました。

店舗を訪れた親⼦は、「オープンスクールの際に東商デパートがあることを知り、娘と⼀緒に来ました。想像以上に賑わっていて、⾼校⽣たちの頑張りが伝わってきました。」と、生徒から商品の説明を受けながら試⾷をしたり、⼿に取ったりしていました。

ハッピージャムジャム

「三宅商店」のジャムや焼き菓子を販売

ハッピージャムジャム接客

店舗前で試食も実施

オリジナル商品の開発

同校では、「岡⼭の魅⼒をPRしたい」と、毎年⽣徒有志によるオリジナル商品の開発も行っています。今年は「岡山のブランド牛をもっと広めたい」との思いから、岡山が生産量全国一位を誇る特産物・⻩ニラを使った焼肉のたれ「⻩ニラ⼤使&⾼校⽣のたれ」を開発。生徒自らが企画し、製造業者に委託して試作を繰り返したといい、納得のいく商品ができあがるまでに8か月を費やしたのだとか。

商品を購⼊したという⽣徒の保護者は、「昨年購⼊した調味料がおいしかったので、今年もたくさん買いました。今⽇の⼦どもは、いつも以上にハツラツとして頑張っているようです。」と満面の笑みを浮かべていました。

オリジナル商品

東商デパート限定商品「黄ニラ大使&高校生のたれ」

イベントを担当する石田先生は、「店舗経営に加え、地元企業やお客さんとの関わり、オリジナル商品の開発を通して、プロとしての厳しさを学んだと同時に、自分たちが住む地域に貢献したいという気持ちが芽生えてきたようです。学びの集大成としての『東商デパート』での経験は、これからの人生の糧となってくれることでしょう。」と、生徒たちの成長ぶりに目を細めていました。

多くの人との出会いやさまざまな経験は、社会人になってからも大きな自信になるね。

関連リンク

なお、「YOUTH CHALLENGE」では、「取材にきてほしい!!」という若者の取組を募集中です。
希望される方はお問い合わせフォームより、団体名、活動の内容を添えてご連絡ください!