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令和2年9月提案理由

[2020年10月22日]

ID:25639

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令和2年9月定例市議会に提出した議案に対する市長提案理由説明要旨

 令和2年度補正予算案並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,その大要と市政の動向等について申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

新型コロナウイルス感染症について

 はじめに,新型コロナウイルス感染症に関する岡山市の状況等をご報告させていただきます。
 7月に入り全国で感染が再び拡大する中,岡山市においても7月中旬以降ほぼ毎日,感染者が新たに確認され,8月30日時点で感染者は100人,このうち入院中の方は1人であり,感染者のほとんどの方は軽症又は無症状となっております。
 岡山市におけるこの度の感染の波は,7月末から8月初旬をピークに減少傾向となっており,懸念されていたお盆の移動に伴う感染者の増加も少なく抑えられてはいるものの,引き続き,油断のできない状況が続いていくと認識しております。
 今後,秋・冬に向けて,想定される次の感染の波に備えるため,重症化リスクの高い高齢者等を念頭に置きつつ,感染拡大防止の対策を進めていく必要があると考えております。

 「人生には3つの坂がある」とよく言われます。それは,上り坂,下り坂,そして,「まさか」です。新型コロナウイルス感染症が世界的に拡がり始めた3月以降は,百年に一度とも言われる未曽有の危機に,人類全体がこの「まさか」の事態に陥り,個人,地域,国それぞれが,先を見通せない中で,懸命に対策を模索し続けてきたのではないかと認識しております。
 私は,このような状況であるからこそ冷静さが必要であると考え,専門家の意見を踏まえ,感染拡大防止を基本としながらも,まちの存続に欠かせない社会経済活動とのバランスを取りながら,一つひとつの課題に対応してまいりました。
 現在,このウイルスと向き合って半年以上が経ち,感染防止に関する知見も少しずつ確立されてきており,それぞれの場面や状況に応じて適切な対策を講じれば,社会経済活動を継続し得るのではないかと思っております。
 一人ひとりがこの感染症について正しく理解し,過度に恐れることなく,正しく恐れて,落ち着いて行動することが求められていると考えております。

感染拡大防止対策

 岡山市では感染拡大から市民を守り,不安を払拭するため,PCR検査の拡充を進めてまいりました。検査対象者については,当初は,流行地域への移動などの疫学要件に該当する方に限定しておりましたが,4月からは,医師が個別に必要と判断した場合には検査可能とし,7月からは,濃厚接触者に加え,「濃厚接触」には該当しないものの,感染者と接触のあった人まで対象とするなど,順次拡大してまいりました。
 また,検査体制については,岡山市医師会,岡山市内医師会連合会と協働して,PCR検査に協力いただける診療所等の募集を全国に先駆けて6月から開始いたしました。8月30日時点で129の診療所等で検体採取が可能となっており,岡山市全体で,累計約3,500件の検査を実施しております。
 今後,感染拡大の端緒を早期に捉え,感染者及び重症者の増加を防ぐため,感染拡大に繋がりやすい対象者等がより積極的にPCR検査を受けられるよう,10月以降の半年の間に新たに約20,000件の検査が実施できる仕組みを構築してまいります。
 このため,医療・介護・福祉・教育・保育等の施設設置者には,その職員に対し,いわゆる風邪等の軽い症状であっても,PCR検査の受検を念頭に,積極的に医療機関を受診するよう指導していただくとともに,医療機関においては,積極的にPCR検査を実施していただく仕組みを築いてまいります。また,集団感染の発生やその恐れがある場合には,感染者の接触者等の検査結果を待たず,その関係者まで対象を拡げてPCR検査を行ってまいります。

 また,広く市民に感染防止に関する情報発信を行うとともに,町内会活動や地域のスポーツ団体の活動における感染防止対策への支援や,避難所における感染防止対策の充実を行ってまいります。

事業者支援

 我が国の景気は,内閣府の月例経済報告によると,新型コロナウイルス感染症の影響により,4月以降極めて厳しい状況とされ,7月にはやや上方修正されたものの,依然として厳しい状況となっております。
 岡山市では,大きな打撃を受けている市内事業者の事業継続を下支えするため,これまで事業継続支援金,事業向上補助金,販売促進補助金など,市独自の支援策について,スピード感をもって講じてまいりました。中でも,事業継続支援金については,8月27日時点で約18,900件の申請を受け付けております。
 スマートフォン決済サービスを利用した消費喚起策は昨日終了し,8月1日から23日までの集計で,市内対象店舗で利用された金額は,約26億円にのぼっております。
 また,利用者減により施設運営に支障が生じる恐れのある市有施設の指定管理者等への支援や,市民の食生活を支える公共インフラである卸売市場内において卸売業者等への施設使用料支援を行ってまいります。
 今後も,地域経済の実態やニーズの把握に努め,これまでの事業効果の検証を行った上で,経済活動の再生に向けて必要な対策を講じてまいりたいと考えております。

市民生活に対する支援

 新型コロナウイルス感染症の拡大により,様々なイベント等が中止・延期となり,文化芸術活動にも大きな影響が現れております。岡山の文化芸術の灯を消さないため,身近な活動も含めた幅広い文化芸術活動の再開に対し,きめ細かな支援をしてまいります。
 併せて,公益財団法人岡山文化芸術創造にワンストップの総合相談窓口を設置し,様々な主体による各種支援メニューの紹介及び手続き支援や,文化芸術活動の困りごと相談ができる体制を整え,市民が安心して文化芸術活動を再開し,楽しむことができるよう支援してまいります。

 特別定額給付金につきましては,8月17日をもって申請期間が終了しました。全世帯のうち99.4%の世帯から申請を受け付け,8月27日時点で,全世帯に対する給付済み割合は99.3%となっております。
 また,市独自に要件を緩和し対象を拡大した住居確保給付金,生活資金の無利子貸付け等の様々な支援策の効果もあり,生活保護の相談件数等は現状では落ち着いた状態で推移しております。しかし,リーマンショック時には半年後に生活保護の申請が急増した経緯もあり,生活にお困りの方々の社会的孤立や格差の拡大を防ぐため,今後の動向を注視しながら,引き続き,関係機関と連携して必要な支援を実施してまいります。

 市立の小・中学校では,8月26日から2学期が始まっております。休校に伴う授業時間数の不足は,行事の精選と夏休みの短縮により,概ね取り戻せております。
 児童生徒が例年とは大きく異なる生活を送っていることから,学校では一人ひとりの状況の把握に努めており,身近に感染者が発生した場合などを想定して人権教育にも注力しております。
 引き続き,学校生活の安全確保を図るとともに,学習,生活,心のケアなど,様々な角度から児童生徒一人ひとりの課題に向き合ってまいります。
 GIGAスクール構想につきましては,本年度中に全ての小・中学生にタブレット端末を配備するべく準備を進めており,併せて,ICTを活用した効果的な授業のあり方についての教員研修等を行っております。

東京一極集中の是正

 新型コロナウイルス感染症の影響により,東京への人の流れが抑制され,岡山市を含む指定都市に人が留まる傾向も見られました。これは一時的な現象かもしれませんが,視点を変えれば,「東京から地方」へと社会全体が大きく動き始めた兆しと捉えることもでき得ると考えております。
 新型コロナウイルス感染症の拡大は,人口が過密となっている大都市の脆弱性を浮き彫りにしたところであり,今年のいわゆる「骨太の方針」でも東京一極集中を是正し,多核連携型の国づくりを進める,との方向性が示されております。また,6月の内閣府調査では,三大都市圏居住者の地方移住への関心が,若い世代を中心に高まっていることが示されております。
 岡山市においても,このような動きを今だけのものとしないよう,中四国圏域の中枢拠点都市としての役割を一層果たしていかなければならないと考えております。

新型コロナ関連予算

 新型コロナウイルス感染症につきましては,これまで2月,5月,6月と補正予算を編成し,スピード感を大切にして必要とされる対策を最大限講じてまいりました。
 その関連予算の総事業費は,今議会にお諮りしている補正予算分を含め839億円余となっております。そのうち市負担額は68億円余であり,財政調整基金の取り崩しや決算剰余金の充当など活用できる財源を駆使し,思い切った財政支出を行っております。一方,この感染症については,収束時期が見通せず,税収減等による歳入減少,社会保障や感染防止対策経費の負担による歳出増大など,これからの市の財政運営にも大きな影響を及ぼすことが予想されます。
 今後とも,財政状況を常に把握し,感染拡大防止を基本としながら,社会経済活動との両立を図るべく,必要な対策を機動的に講じてまいります。
 議員各位におかれましては,さらなるご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 それでは,個別の施策についてご説明いたします。

岡山芸術創造劇場(仮称)

 岡山芸術創造劇場(仮称)につきましては,千日前地区の再開発組合と一部の未転出者との交渉が長引いておりましたが,今年6月に土地の明渡しが完了し,本格的に工事を開始しております。
 そうした中,先般,再開発組合から,「整備スケジュールを見直した結果,施設の完成・引渡しは,当初の予定から9か月遅れ,令和4年12月末となる。」との報告を受け,岡山市としてもこの遅れはやむを得ないものとして受け入れたところです。
 このため,令和4年秋頃を予定していた新劇場の開館時期につきましては,施設引渡し後の6か月の準備期間を経た上で,令和5年夏頃を目指すことといたしました。
 新型コロナウイルス感染症の影響により,文化芸術活動そのものが大きく揺らいでいる状況にあるからこそ,岡山市にこれまでにない文化芸術の創造拠点機能を備える新劇場が果たす役割は,一層大きなものとなると考えております。
 開館の遅れは甚だ残念ですが,むしろこれを「奇貨」とし,劇場の設置条例の制定等を行った上で,開館記念事業やプレ事業,広報・プロモーションなどの内容を一層充実させ,市民の文化芸術活動を盛り上げてまいります。

瀬戸内市と連携した火葬場整備

 瀬戸内市と連携した火葬場整備につきましては,将来的な火葬需要の増加への対応や災害時のリスク分散の観点から,本市の東部地区をカバーする火葬場として,平成28年から瀬戸内市と協議を重ねてきたところであり,先般,瀬戸内市へ火葬に関する事務を委託することで合意いたしました。今後,瀬戸内市と協力しながら火葬業務の体制等を整えてまいります。

令和2年度9月補正予算の概要

 それでは,甲第142号議案から甲第145号議案の令和2年度一般会計,特別会計及び事業会計の補正予算の概要について申し上げます。
 補正額は,一般会計で22億3,200万円余の増額,特別会計で2,700万円余の増額,事業会計で2,900万円の増額を行い,合わせて22億8,800万円余の増額となっております。補正に要する一般財源については,令和元年度決算により生ずる見込みの剰余金で対応します。
 主な内容としましては,PCR検査対象の拡大など新型コロナウイルス感染症対策事業のほか,瀬戸内市との連携による火葬場整備事業,6月の梅雨前線豪雨により被災した農業用施設等の災害復旧事業等を行うものです。

その他の議案の説明

 続きまして,その他の議案の主なものについて申し上げます。

 甲第146号議案は,岡山芸術創造劇場を設置するものです。

 甲第147号議案は,教育用コンピュータを買い入れるものです。

 甲第148号議案及び甲第149号議案は,公の施設の管理瑕疵に係る営業休止について,それぞれ相手方と和解し,及び損害賠償の額を定めるものです。

 甲第151号議案は,岡山市の火葬に関する事務を瀬戸内市へ委託するものです。

 甲第175号議案は,妹尾幼稚園園舎増築工事について,請負契約を締結するものです。

 以上で提案理由の説明を終わります。

 よろしくご審議の上,議決を賜りますようお願い申し上げます。

報告に対する市長説明要旨

 ただいま上程になりました報告についてご説明申し上げます。

 報第34号は,地方独立行政法人岡山市立総合医療センターの令和元年度の業務実績に関する評価結果について報告するものです。

 報第35号から報第41号までは,いずれも令和元年度に放棄した債権について報告するものです。

 報第42号から報第44号まではリース公用車の事故について,報第45号及び報第46号は市有自動車の事故について,それぞれ賠償額を決定したものです。

 報第47号は物品の破損について,報第48号から報第54号までは道路の管理瑕疵による事故について,それぞれ相手方と和解し,賠償額を決定したものです。

 報第55号は,市営住宅退去明渡し等の債務について,訴訟手続により債務の履行を請求することを決定したものです。

 報第56号は,市営住宅の家賃の滞納等について,相手方と民事訴訟法第275条の規定による和解をすることを決定したものです。

 なにとぞよろしくお願いいたします。

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