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平成29年6月提案理由

[2017年6月8日]

ID:15108

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平成29年6月定例市議会に提出した議案に対する市長提案理由説明要旨

 平成29年度補正予算案並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,その大要と市政の動向等について申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに

 まず,はじめに私の市政に対する思いを申し述べます。
 「ふるさと岡山の役に立ちたい」という気持ちから,国土交通省を退官し,平成25年10月の市長選挙によって市民の皆様から市政運営の負託を受け,市長という重責を担うことになってから早や3年8か月が経過しました。
 私は,今までの長い行政経験から,透明性の確保こそが公平・公正な行政運営の要であると確信しております。このため,市長定例記者会見の月1回から2回への回数増や予算編成過程の「見える化」などを通じて,政策の形成過程も含めた情報発信を積極的に行ってまいりました。また,市議会における真摯な議論はもとより,市民の皆様と直接対話する「市長と大盛トーク」の開催などを通じ,幅広い方々のご意見をお聞きしながら,「市民と一緒に考え,一緒に行動する」という基本的姿勢の下に,一つひとつの施策を進めてまいりました。
 まず,市長就任後,イオンモール岡山の開業による新たな人の流れをまちの賑わいにどのように結び付けていくかが差し迫った課題となる中で,県庁通りの一車線化や西川緑道公園筋の歩行者天国化等の社会実験を実施しました。また,97か国・地域から約3,000人が参加した「ESDに関するユネスコ世界会議」をはじめとする多くのコンベンションやおかやまマラソン,岡山芸術交流などの大規模イベントを成功させ,国内外からたくさんの方に岡山のまちを訪れていただくとともに,市民の皆様のおもてなしに大変高い評価をいただいたところです。
 地域経済の活性化にも力を注ぎ,企業誘致に向けた補助制度の拡充を行った結果,企業の立地件数は着実に増えており,新たな雇用の創出や投資の拡大につながっています。さらに,コンベンション誘致にも積極的に取り組み,平成28年度のコンベンションの開催件数及び参加者数は,過去最高を記録しました。観光分野では,県との連携による岡山城と岡山後楽園の一体的なPR活動やイベントの同時開催等を始めたところ,訪日外国人観光客の増加などもあり,平成28年度の年間入場者数が平成25年度との比較で,岡山城は78パーセント,岡山後楽園は34パーセント,それぞれ増加するなど,大きな成果が得られました。
 こうした地域の活性化に向けた様々な取組を推し進めてきた結果,岡山のまちでは,多くの人の活気が感じられるようになっているのではないでしょうか。市民の方からも「岡山のまちが動いてきた」という声をお聞きする機会が増えてきたことは大変心強く,喜ばしく思うとともに,この動きを今後さらに強めていきたいと考えているところです。
 市民生活の実態を把握・分析することによって浮かび上がってきた課題にも正面から取り組んでまいりました。市民感覚に根差して,待機児童の定義を見直し,その解消に努めているほか,子ども医療費助成の拡充や保育料の減額等を行い,子育て環境の充実を図るとともに,子育てと仕事の両立に向けたワークライフバランスの実現など,女性活躍の推進にも力を入れています。さらに,参加者の健康状態の改善に成果を上げた健康ポイント事業や新市民病院の開院による救急医療の機能強化など,市民福祉の向上にも努めました。このほか,用水路が張り巡らされている岡山市の地形に起因する問題への対応として,ハードソフト両面にわたる総合的な浸水対策や用水路への転落防止対策等も進めているところです。
 一方で,待機児童の解消だけでなく,学力の向上や問題行動等の防止といった子育て・教育分野における喫緊の課題への対応をはじめ,歴史や文化などの固有の地域資源をいかした地域の振興,公共交通を中心とした交通ネットワークの構築,地場産業や観光分野の一層の強化,安心して暮らし続けるための医療・福祉の充実など,岡山市の将来のために今取り組むべき重要な政策課題も抱えています。また,少子高齢化の進展に伴う社会保障関係経費の増加等による財政需要の増大が見込まれる中,将来世代に負担を先送りすることのないよう,財政運営の健全性の維持にも十分に配意しなければなりません。
 こうした課題について適切な方策を導き出していくためには,変化する時代の流れを的確に捉えつつ,物事の本質を見極めた上で,総合的に判断することが求められます。そうした要請に応えようと,新たな総合計画を策定し,それに基づく取組を進めているところですが,今後とも,同計画が示す施策を着実に実行していくことが必要であると考えております。
 「天は自ら助くる者を助く。」これは,18世紀アメリカの政治家で,アメリカ合衆国建国の父の一人ともいわれるベンジャミン・フランクリンの言葉です。中学生の時だったように記憶していますが,この言葉を学校の英語の授業で習い,感動して以来,私の座右の銘にしています。岡山市は大きなポテンシャルを有する都市だと感じています。この岡山市のさらなる発展と岡山市民の生活の充実のため,私としては,この言葉のとおり,日々の努力を積み重ね,先に述べた政策課題にもしっかりと対応しながら,常に前へと進み続けなければならないと考えております。
 いま私は,司馬遼太郎の「菜の花の沖」を読み返しているところですが,江戸時代に北前船で活躍した主人公の高田屋嘉兵衛は,「正義・正直・良心・忍耐」を旨とし,人を大切にした方だったと言われています。私は,以前から政治家にも嘉兵衛のような信念が必要ではないかと考えており,現在もそうした信念の下に行動しているつもりですが,今後においても,その姿勢を貫き通したいと思っております。
私自身,最初に市長選挙への立候補を決意したときと同じく,「生まれ育った岡山のまちをもっと良くしたい」という思いを変わることなく持ち続けており,市民の皆様方にご支持いただけるのであれば,引き続き,来期も市政を担当し,「市民が愛着と誇りを持ち,未来へ躍動する都市」の実現を目指して,先頭に立って進み続ける所存です。市民並びに市議会の皆様方のより一層のご支援とご協力をお願い申し上げる次第です。

地方創生

 続きまして,最近の市政の動向等について申し上げます。
 地方創生の取組では,「桃太郎のまち岡山」創造発信事業をはじめとする3事業が,去る3月28日,企業版ふるさと納税制度の対象事業に認定されました。これら3事業については,既に企業からの寄附を募っているところですが,できるだけ多くの寄附をいただけるよう,岡山にゆかりのある企業等を中心に,各事業の趣旨をしっかりと説明しながら,協力を呼び掛けてまいりたいと考えております。

 また,「たけべの森公園」魅力向上プロジェクトが,去る4月28日,地方創生拠点整備交付金の対象事業に認定されました。今年度中を目途に,同公園のキャンプ施設の機能強化を行うこととし,所要の議案を今議会にお諮りしております。
 同じく,同日付で地方創生推進交付金の対象事業に認定された「おかやま生活」の魅力発信!人を呼び込む“移・職・住”連携プロジェクトでは,岡山連携中枢都市圏の圏域市町と連携し,移住相談会や移住先下見ツアーなどの取組を行ってまいります。

観光振興

 観光振興については,先ほど申し上げました「桃太郎のまち岡山」創造発信事業に取り組みます。具体的には,新しい桃太郎ファッションの製作や岡山市出身のタレントを起用したPR動画の制作を行うほか,「秋の桃太郎まつり」の初日である10月7日を「桃太郎の日」として設定するなど,桃太郎を体感できる新たな観光素材を創造するとともに,桃太郎大通りを中心会場とする各種イベントの開催等により,積極的に情報を発信します。
 こうした取組を通じて,未来へ向かって躍動している都市イメージの浸透・定着を図ることによって,岡山市の知名度や魅力をさらに高め,観光客数の増加につなげてまいりたいと考えております。

 一昨年に開催された国連総会の決議により,今年が「持続可能な観光発展」の年とされました。これを受けて,観光庁が国連世界観光機関等と協力し,国内で国際観光シンポジウムを開催することとなり,その開催地に岡山市が選ばれました。
 このシンポジウムは,国連世界観光機関やその加盟国等の担当者,自治体の首長,大学関係者等が参加し,「持続可能な観光」に関する国内外の自治体事例を共有しようとするものであり,今年10月を目途に,岡山城・岡山後楽園周辺における様々な取組をテーマとする会議を開催する予定です。
 この機会をいかし,国内外から訪れる参加者に岡山市の魅力をしっかりとPRしたいと考えております。

まちの賑わいづくり

 旧後楽館中・高跡地の売却・活用については,当該土地が中心市街地に位置する高いポテンシャルを有する土地であるとともに,都心創生まちづくり構想で文化・芸術ゾーンに位置付けられていることから,売却価格だけでなく,賑わい創出や文化の創造・発信などの観点から,具体的な事業内容についても評価することとしました。そして,事業者からの提案内容について,外部有識者の評価を踏まえるなど,客観性の高い手続により審査した結果,山陽放送株式会社を優先交渉者とすることを決定いたしました。
 同社の提案内容は,能や音楽イベントを楽しむことができるホール,カフェ・レストラン,広場等の整備を行うとともに,表町商店街との連携や隣接する美術館とのイベント共催などにより,地域に開かれた放送局を目指すものです。
 今後,売買契約等の手続を経て,平成33年オープンに向けて整備が進められる予定ですが,市民に親しまれ,まちに活気と賑わいをもたらす施設となることを期待しております。

 3回目の開催となるおかやまマラソンについて,ファンランのゴールのスタジアムへの変更や子育て中のランナー向けの託児サービスの開始等の改善を図ったところ,マラソン,ファンランともに過去2大会を上回る数の申し込みをいただきました。11月12日(日曜日)の開催に向けて,市民の皆様に幅広くご協力いただきながら,実行委員会を中心として着実に準備を進めてまいります。

子育て環境の充実

 今年4月1日現在の保育園等の入園申込児童数は,昨年より770人増え,過去最多の1万7,088人を記録しました。昨年来,待機児童の解消に向けて,私立保育園の新増設等により,1,029人分の新たな受け皿を確保しましたが,待機児童数は昨年の729人を上回る849人という結果になりました。
 待機児童の問題は,一人ひとりの保護者の皆様にとって差し迫った問題であることから,少しでも早期の待機児童の受入れが必要と考えております。まずは,今年10月までの間に,新たに183人分以上の受け皿を増やし,さらに,来年4月までに,合わせて1,500人分の受け皿を増やすことで,今年4月時点の入園申込児童数1万7,088人を上回る受け皿を確保したいと考えております。
 また,企業主導型保育事業の設置を促進するため,新たに創設された固定資産税等の課税標準の特例措置について,国が定める参酌基準を上回る最大限の軽減を行うほか,保育士の確保に向けて,国の制度に基づく技能・経験に応じた保育士等の処遇改善を行うこととし,それぞれ所要の議案を今議会にお諮りしております。
 こうした取組を進めつつ,今後,子ども・子育て会議のご意見等をいただきながら,現在改定作業中の子ども・子育て支援事業計画を早急に取りまとめ,あらゆる手段を講じて,平成31年度末までに待機児童の解消を図ってまいります。

教育の振興

 学力向上と問題行動等の防止を柱とする教育大綱に基づく教育委員会と学校の取組が今年度からスタートしました。岡山市の子どもたちが社会で活躍する素地を育み,岡山市の学校に通ったことを誇りに思えるよう,教育委員会の強いリーダーシップの下,全ての学校・教職員が一丸となって取り組んでくれることを期待しております。
 新年度のスタートに当たっては,各学校の責任者である校長先生方に私が直接お話しし,大綱に込めた思いをご理解いただくとともに,先月末には,中学校を訪問し,学校現場における取組の様子を実際に見てまいりました。今後とも,総合教育会議における議論等を通じて,教育委員会と学校の取組状況を注視してまいります。

国際交流の推進

 アメリカ・サンノゼ市との姉妹都市締結60周年を記念して,4月21日から27日までの間,岡山市民友好親善訪米団の団長として同市を訪問し,リカルド市長をはじめとするサンノゼ市政府やサンノゼ・岡山姉妹都市の会など,現地の多くの方々とお会いしてまいりました。滞在中は,盛大な歓迎式典や文化交流イベント,日系祭り等への参加を通じ,60年間にわたって続く両市民の絆を再確認することができ,大変有意義な訪問となりました。
 今後においても,60周年記念事業として,同市からの市民訪問団の受入れや同市の大学関係者等にもご参加いただくシンポジウムの開催などを予定しており,それらの機会を通じて,両市の友好をさらに深めるとともに,岡山市の取組や魅力についても積極的に発信してまいりたいと考えております。

平成29年度補正予算の概要

 それでは,甲第75号議案の補正予算の概要について申し上げます。
 補正額は,一般会計で5億1,100万円余の増額となっております。補正に要する一般財源につきましては,平成28年度決算により生ずる見込みの剰余金で対応します。

 主な内容といたしましては,先ほど申し上げました「たけべの森公園」魅力向上プロジェクトや技能・経験に応じた保育士等の処遇改善を行うほか,就学援助制度の新入学児童生徒学用品費支給額の増額等を行うものです。

その他の議案

 続きまして,その他の議案の主なものについて申し上げます。

 甲第77号議案は,公益的法人等への再任用職員の派遣を可能とするものです。

 甲第82号議案は,消費者教育の推進に関する法律の規定に基づき,岡山市消費者教育推進地域協議会を設置するものです。

 甲第83号議案は,子ども・子育て支援法施行令及び同法施行規則の一部改正に伴い,低所得世帯,ひとり親世帯等に係る利用者負担の軽減を図る等のものです。

 甲第85号議案は,健康みつ21公園を設置する等のものです。

 甲第86号議案は,広谷第8遊園地ほか15遊園地を設置する等のものです。

 甲第87号議案は,岡山市立中央図書館について,指定管理者の指定を行うに当たり,必要な事項を定めるものです。

 甲第88号議案は,曽根学区連合町内会から負担付きの寄附を採納するものです。

 甲第130号議案は,岡山市立伊島幼稚園・保育園園舎改築工事について,甲第131号議案は,操山地区公民館新築工事について,それぞれ請負契約を締結するものです。

 以上で提案理由の説明を終わります。

 よろしくご審議の上,議決を賜りますようお願い申し上げます。

報告に対する市長説明要旨

 ただいま上程になりました報告についてご説明申し上げます。

 報第23号から報第28号までは,いずれも平成28年度の繰越明許費繰越計算書,事故繰越し繰越計算書,継続費繰越計算書又は予算繰越計算書で,平成29年度に繰り越して執行するため,その内容について報告するものです。

 報第29号は,公園の管理瑕疵による事故について,相手方と和解し,賠償額を決定したものです。

 報第30号は,市営改良住宅退去明渡し等の債務について,訴訟手続により債務の履行を請求することを決定したものです。

 なにとぞよろしくお願いいたします。

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