妊娠中のママや、これから妊娠・出産を望むプレママは、これから自分の体がどのように変わっていくのか気になりますよね。
赤ちゃんの発育・成長だけでなく、ママの体も子どもを守り育てるために、さまざまに変化します。
あらかじめ、今後どのように体や体調が変化していくのか知り、想定しておくことで、安心して妊娠生活・出産に臨めるよう、ここでは妊娠初期から出産後までのママの体の変化をご紹介します。
体や体調の変化は個人により差がありますので、ひとつの参考にしてご覧ください。
妊娠の可能性がある場合、産科・婦人科などを受診しましょう。
受診の際は、下記の情報などがあるとお医者さんが状況を把握しやすいですよ。
最後に来た生理の日、基礎体温表(つけていれば)、出産・流産・人工妊娠中絶などの経験、つわりなどの現在の状況、高血圧や糖尿病などの既往症、(妊娠検査薬を使用した場合は)陽性がわかった日など。
その他、気になることや聞いておきたいことなどがあればメモを残しておき、受診時に確認しましょう。
基礎体温とは、寝起き直後の体が最も安静な状態なときの体温のことです。少し体を起こすだけでも体温は上昇してしまうので、目が覚めたタイミングで、体を動かさず寝たままの状態で測りましょう。
1回の生理周期の中で、月経から排卵前までは基礎体温が低い「低温期」、排卵後から次回月経の直前までは「高温期」というように、体温に変化があります。妊娠をしていた場合、高温期の状態が続くため、妊娠を知るひとつの目安にもなります。
最近はスマートフォンなどでも基礎体温を記録するアプリがありますので、上手に活用してみましょう。
妊娠中の体の移り変わりについて上図に一覧表で表しています。
以下に周期別、週・月別に赤ちゃんの体の移り変わりを説明します。
赤ちゃんの大きさ
身長9cm
体重54g
赤ちゃんの発育
母体の変化
起こりやすい異常(流産)
検診
4週に1回
その他
赤ちゃんの大きさ
身長18cm
体重120g
赤ちゃんの発育
母体の変化
起こりやすい異常(流産)
検診
4週に1回
その他
赤ちゃんの大きさ
身長25cm
体重300g
赤ちゃんの発育
母体の変化
起こりやすい異常(流産)
検診
4週に1回
その他
赤ちゃんの大きさ
身長30cm
体重650g
赤ちゃんの発育
母体の変化
起こりやすい異常(流産)
検診
4週に1回
その他
赤ちゃんの大きさ
赤ちゃんの発育
母体の変化
起こりやすい異常(早産)
検診
2週に1回
赤ちゃんの大きさ
身長40cm
体重1.5kg
赤ちゃんの発育
母体の変化
起こりやすい異常(早産)
検診
2週に1回
赤ちゃんの大きさ
身長45cm
体重2.5kg
赤ちゃんの発育
母体の変化
起こりやすい異常(早産)
検診
2週に1回
その他
~働いている方は産前休暇~(予定日の6週間前)※多胎妊娠では14週間前
赤ちゃんの大きさ
身長50cm
体重3.2kg
母体の変化
お産が近づくと、
検診
1週に1回
その他
~働いている方は産前休暇~(予定日の6週間前)※多胎妊娠では14週間前
Q.妊娠中、少しだけならお酒って飲んでも大丈夫?
A.妊娠中にお酒を飲むと、胎盤を通じて赤ちゃんもアルコールを飲まされた状態になります。また、早産や分娩異常も起きやすくなります。大切な赤ちゃんのために、しばらくお酒はお休みにしましょう。授乳中もお酒はやめてくださいね。妊娠を希望している方も、お酒は控えた方がいいですよ。
Q.妊娠中にどうしてタバコを吸ってはいけないの?
A.妊娠中にタバコを吸っていると赤ちゃんの発育を妨げて、低体重の原因になります。また、流産や早産の発生率も高くなります。お父さんもぜひ、やめてくださいね。
Q.仕事や家事は続けても大丈夫?
A.お医者さんから特別に指導がなければ体調に合わせて仕事や家事は行いましょう。慣れている家事は、そのまま続ける方が適度な運動になってよいですよ。でも、体が自由に動くときと同じように思っていてはいけません。十分に注意してください。重いものを持ったり、高いところに上がるような作業ははなるべく避けて、家族や周りの助けをかりましょう。
つわりなどがひどく、お医者さんが休業の必要があると判断した場合は、「母性健康管理指導事項連絡カード」を職場に提出し、安静にしましょう。
Q.自転車や車の運転をしても大丈夫?
A.自転車の運転は、体のバランスが取りづらいため、長時間の運転や妊娠中後期には控えた方がよいでしょう。もし、乗る場合は、しっかりと両足のつく自転車にするなど注意して乗ってくださいね。
車の運転もできそうであれば構いませんが、自分の体がいつもとは違うことを自覚して、自転車同様に、運転のときには十分注意しましょう。よく「妊娠中はシートベルトを着用しない方がいい」という人がいますが、実際は、妊娠中でもシートベルトの着用により事故時の被害からお母さんと赤ちゃんを守ることができます。
事故のときに赤ちゃんへの影響を少なくするために、腰ベルトのみではなく、腰ベルトと肩ベルトを一緒に着用し、腹部をベルトが横切らないようにしましょう。
※妊娠の状態は個人により違うので、体調によってシートベルトの着用が難しいときは、着用が適当かどうか、お医者さんに確認するようにしましょう。
Q.体重が急激に増えてしまいました。大丈夫でしょうか?
A.体重増加は2週間で1kgを超えないように、また後期は1週間で250gから400gを超えないように気をつけましょう。妊娠していない時より12kgから13kg以上増加したら、カロリーオーバーです。また、最近では、体重の増加が足りなくて問題になる場合も多く見られます。体重増加を気にしすぎて、栄養不足になると赤ちゃんにもよくないので増加の目安を参考にして過ごしましょう。
出産おめでとうございます。よくがんばった自分をほめて、ゆっくり体をいたわりましょう。
出産後、約1か月半程度で体(子宮)は元の状態に戻っていきます。子育てスタートと同時並行ではありますが、家族や周りの人のサポートもしっかり借りながら、自分自身の体のことも大切にしてくださいね。
赤色
出産後3日間くらいは、
腹部に陣痛のような痛みを感じる場合がある(後陣痛)
【病院】
褐色
出産後10日目ぐらいには、お腹の上からさわったときに子宮を感じなくなる
黄色
白色
膣や会陰は元に戻る
ほとんどなくなる
子宮の大きさは妊娠前のサイズに戻る
ほとんどなくなる
出産後は、おなかや骨盤の筋肉が弱った状態になっていますので、産褥体操などを取り入れながら少しずつ回復のためのトレーニングを始めましょう。
また、体の不調が続いたり、胸の痛み、母乳の出などで心配があれば、お医者さんに相談しましょう。
産後に子育ての不安や悩み、赤ちゃんとの関わり方などで、うつ状態になってしまうママも少なくありません。
ささいなことでも人に話をきいてもらったり、行政サービスなども上手に活用して、楽しく子育てしましょう!