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プラスチック資源循環に対する取り組み紹介 Vol.7 有限会社安富牧場

[2023年3月30日]

ID:47401

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環境に配慮した容器(エコ容器)等を活用した取り組み事例紹介

環境問題に対してどのように考えていますか

有限会社安富牧場 三原裕貴恵氏の写真

当社は、昭和25年に私の祖父が牛2頭から3頭で酪農経営を始め、兄で現社長の安富照人が就農後にアイスクリーム工房をオープンするなど6次産業化に取り組み、現在では約140頭を飼育しています。酪農は、牛を飼い、乳を搾ってその恵みでおいしいものを届ける商売です。商品のおいしさを維持するには環境保全が不可欠で、以前から、糞尿処理のリサイクルに努めてきました。堆肥舎(497平方メートル)でショベルカー1台、タイヤショベル1台、2トン積み運搬車2台を使い、ヒノキや菌を混ぜて温度を上げることで発酵を促し短時間でバークなど土壌改良効果の高い堆肥を作っています。できた堆肥は、農業法人や個人に販売し、田畑にまくことで米や野菜作りへと循環させています。
環境に配慮した経営を進める中で、アイスクリームに付けるスプーンなどの脱プラスチック化を検討してきましたが、単価が2倍程度になるため躊躇していたのですが、岡山市の「プラスチック資源循環推進事業補助金」を活用して今回導入しました。

【有限会社安富牧場 総務 三原裕貴恵氏】

導入したエコ製品を教えてください

本社に併設する安富牧場ファミーユ本店と西大寺店で提供しているコーヒー、カフェラテ、アイスコーヒー、コーヒーフロートに付けるスプーンとマドラーです。

仕入れ業者に相談し、木製も含めてサンプルを取り寄せて検討しましたが、木製はどうしても味が移るため、植物由来の原料を使用したバイオマスプラスチックのものに決めました。デザイン、強度なども納得いくものを見付けることができ満足しています。5000本入りを合計5ケース仕入れ、今春から切り替えていく計画です。現在は、コロナ禍でイベントへの出展を控えているので、2年から3年分の計算となります。

コーヒーフロートとバイオマスマドラーの写真
アイスクリーム2つとバイオマスプラスチックのスプーンの写真

【バイオマスプラのマドラー(左)・バイオマスプラスプーン(右)】

そのほか環境への取り組みは

牛舎で牛が3頭いる写真

毎月、地元足守地区から下足守の龍泉寺に抜ける道路沿いを酪農班も含めた従業員5、6人でごみ拾いを続けています。ポイ捨てされているのは、プラスチック、ガラスなど土に還らないものを含め、ボランティア袋、3袋から4袋分になります。社員の環境への意識を高めるとともに、販売した容器がポイ捨てされる可能性もあるため脱プラスチックをさらに進めていく必要があると実感しています。

今後の展開を教えてください

カップアイスに付ける個包装のスプーンの脱プラスチック化は未着手な状況ですが、自宅で食べる方が多く、お客様に必要かどうかを尋ねながら販売するようにしています。百貨店などでの贈答品として販売する際には、必ず付けている状況で今後どう取り組むか検討していきます。

本来は、ストローや透明カップなどすべてのプラスチック製品の切り替えや、手提げ袋もビニール紐の持ち手のものからオール紙製のものへ移行するのが理想なのですが、コストが上がる分、商品価格に転嫁しないといけなくなるので難しい判断となります。環境経営の意識を常に持ち、補助金などもうまく活用して推進していくとともに、エコ製品の普及がさらに進み、単価が下がることを期待しています。

有限会社安富牧場の写真

取材先:有限会社安富牧場 総務 三原裕貴恵氏