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プラスチック資源循環に対する取り組み紹介 Vol.2 SUITE COFFEE

[2023年3月30日]

ID:46093

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環境に配慮した容器等(エコ容器等)を活用した取り組み事例紹介

環境に配慮した容器を採用したきっかけを教えてください

SUITE COFFEE代表の政岩浩輝氏の写真

私は現在、就実大学経営学部の3年生です。2年生後期のインターンシップで3カ月間岡山市内のカフェに勤務したことがきっかけとなり、8月に学生ベンチャーとして「SUITE COFFEE」を起業しました。もともと経営に興味を持っていたのですが、カフェで神戸の商社に行き生豆の買い付けや焙煎の商品設計、価格決めなどを経験したことで楽しさとやりがいを知り、「多くの人においしいコーヒーを提供してみたい」と思い起業を決めました。
大学の講義でCSV(共有価値の創造)経営を学び、環境に配慮した取り組みや企業を見聞きする中で、起業の際には環境への配慮が必要だと思っていました。特に、コーヒー豆は自然の産物で、気候変動が品質や収穫に大きく影響します。生産が難しくなっている産地もあると聞き、少しでも温暖化対策につながればとエコ容器などを採用しました。

【写真:SUITE COFFEE 代表の政岩浩輝氏】

エコ容器導入に当たり苦労した点はありますか

バガス製紙コップとコーヒーの写真

夏の開業に向け、アイスコーヒー用の透明なエコ容器を探したのですが、種類が少なく、単価も高いため、豆の仕入れ値との兼ね合いで断念せざるを得ませんでした。まだまだエコ容器を開発する企業が少なく、選びしろがない現実を知りました。
冬場のホットコーヒー販売に向けて、岡山食品容器株式会社に勤務する母親に相談し、サトウキビを圧縮した後の絞りかす「バガス」を原料とした紙カップが見付かり導入しました。
コーヒーが入っている部分と持つ部分が二重断熱構造になっているため、スリーブ不要でさらにエコにつながることが決め手となりました。一般的な紙カップと比べ価格は2倍程度しますが見た目もきれいで気に入っています。

【写真:バガス製の紙カップ】

提供している商品について教えてください

コーヒーを淹れていて、横にガバス製の紙カップ

中央アメリカのエルサルバドル共和国産の生豆を仕入れ、焙煎度合いを変えることで甘みや酸味を楽しめるコーヒーをハンドドリップで提供しています。
私は、インターンシップを経験するまではコーヒーが嫌いだったこともあり、苦手な方にもおいしさが伝わる商品作りを心掛けています。
カフェラテやキャラメルラテもあり、300㎖カップで全て510円です。
ブランチ北長瀬や石山公園近くのパブリックカウンター、西川緑道公園などで土曜日、日曜日を中心に出店しています。エルサルバドル産の豆を使い切ってしまったので、今後はグアテマラ共和国の豆に切り替えておいしいコーヒーを提供していきます。

出店時のテントで微笑んでいる男性2名(左側が政岩代表)

【写真:SUITE COFFEE出店時の写真(左が政岩代表)】

お客様のエコ容器への反応はいかがですか

販売しているコーヒー豆とガバス製の紙カップの写真

販売時にエコカップを使用していることをアピールしておらず、エコ容器にも記載がないため、お客様は気付いていないかもしれません。
カップのほか、再生紙を使用した紙袋や、コーヒー豆を販売する際のパッケージも植物由来の原材料を使用したものを採用しています。
インスタグラムには、環境に関する取り組みを掲載しており、「いいね」も集まっています。
これからは少しずつ情報発信していき、お客様にも環境意識を広められればと思います。

【写真:販売しているコーヒー豆(パッケージは植物由来の原材料を使用)とバガス製の紙カップ】

今後の目標を教えてください

夏に向けて、アイスコーヒー用のエコ透明カップをなんとか探したいです。ストローもエコ素材のものを考えていますが、木製のものは割れやすいので幅広く情報を集めて見付けたいと思います。

大学卒業後は、就職を考えていますが、せっかく「SUITE COFFEE」を立ち上げたので、副業での継続やオンラインの豆販売は続けていきたいと思っています。また、同じカフェにインターンシップしている後輩もいるので、一緒に経営していくことも考えています。

今後、コーヒー以外のビジネスをすることがあるかもしれませんが、あらゆる商品やサービスにおいて温暖化対策や環境に配慮しないと事業は持続できません。

これからも、環境への意識と、お客様に良いものを届ける思いを持ち続けたいと思います。

Suite coffeeをロゴが入った紙カップが二つ並んでいる写真

取材先:SUITE COFFEE 代表 政岩浩輝氏